真の最強
「……何時まで付きまとうつもりか?……」
「貴殿は呪われておる。気絶しても余が運んでやろう」
「結構だ」
ルシウスは、全力で否定した。
「な、何を言っておるか⁉︎呪われておるのだぞ!いつ過去に戻るか分かっておるのか⁉︎」
「……記憶を思い出しても、少し痛むだけだ…それに弟と妹が居たことしか覚えていない…私は、孤独だ……」
「安心するがよい。余が側に居よう」
「……ありがとう……」
「気にするではないルシウス、いやクr…」
「その名では呼ばないで欲しい。……家族に再会した時に分かりやすいように……」
「承知した」
「……早く終わって欲しい…空腹だ……」
そう言い1位と2位は、その場を離れた。
「ねぇ、セイちゃん」
「何〜?」
「あんな奴の何処が良いの」
「え、え、え〜と、その〜。昔からね、私の事守ってくれるし、かっこいいし、色んな物直せるんだよ。それにね、犬が嫌いな私から野良犬を追っ払ってくれるんだよ」
「あのさぁ、あんな奴が本当にそんな事したの?人のこと貶す(けなす)奴が⁉︎」
「わ、悪気はないんだよ。ただ自分に正直過ぎるだけなんだよ。」
「そうなのかしら?ただ今日は、会いたくないわ」
「誰に会いたくないって?」
その時会いたくない奴が表れてしまった。しかし、実際セイレーンは、嫌では、無かった
「げ!」
「じ、じ、ジーク。」
「よっ。げはないだろうローラ。いや、やかましい奴」
「うっさい!」
「ああ、煩い。どっか行ってろ。俺はセイレーンと話しに来たんだ」
「わ、わ、私⁉︎」
「ああ、そうだ」
「ふん、お邪魔虫は消えますよ」
「そ、そ、それで〜!な、な、な、何〜?」
「おいおい、落ち着けよ。あのさー、そのさー、こんな時に言うのも何だけど、お、俺とつ……」
「ところでさー」
しかし、本題に入る直前ローラが戻って来た
「おい、テメェ空気読めよ」
「な、何よ。そんな言い方しなくて」
「はぁ。ッチ。悪いなセイレーン、今度話す。それじゃ、またな」
「わ、私からも良い⁈」
「ん?どうした?」
「な、なんでジークは5位で止まってるの?」
「ちよ、ちょっt…」
「ごめん、黙っててローラ。ねぇ、どうして1位になれるのに5位で止まってるの?みんなからも最強って言われてるのにどうして?」
ローラの止める声を無視し、ジークに問い詰める。その問いに対し
「そんな事は単純さ。俺は5(ファイブ)の響きが好きなだけだ。んじゃまた今度」
そう言い、ジークは去っていった。
「な、何をあいつ。頑張ってる私達が馬鹿みたいじゃない!ああムカつく!」
「私のせいかも」
「え?何?」
「んん〜。何にもないよ。あぁもっと他の話しをすれば良かった!」
「セイちゃんあんな事言われてもまだそれ?」
セイレーンのつぶやきにローラが訊き返すが、彼女によって誤魔化されてしまった。
道を歩くジークだが、歩みを止めた。
「クソが。ここまで進行してやがる。俺が人間でいられなくって日も近いって訳か」
そう言い、手を見ていた。




