世界
「でも、俺がここへ来たって事はまた人が来るかもしれないですよね」
「いいえ、それはないと思います」
「何故ですか」
俺はちょう疑問に思ってますてきな顔を浮かべて聞いた。疑問に思った事はたしかだがあまりにも大げさすぎたのかな俺は思った。
「この世界は現実世界の裏側にあるってさっきも言いましたよね」
「はい、言いました。ですがそれがどうかしましたか」
「だから、この世界の表側が現実世界って事です」
俺は思った。須藤さんは俺の事をバカにしてるんだろうかと。いくらバカでもここまで細かく説明しなくても表側が現実世界、裏側が影の世界って事はわかるだろう。しかし、俺はまたもスルーしてあげた。つまり言葉に出さなかったって事だ。つーか俺も細かく説明しすぎだろう。
「だったら、現実世界につながる扉を見つけたら元も世界に戻れるんじゃないですか」
「理屈はそういう事になりますね。でも、この世界に扉はないんです」
「いや、だって俺はこの世界に引きづりこまれたんですよ。だから、いは扉はあるはずです」
「すみません、言い方を間違いました。たしかに現実世界からこの世界への扉はあります」
「じゃあ脱出する事ができるんですね」
「いいえ、現実世界からこの世界に来る時は、引きづりこまれる。つまり強制的にこの世界につれてこられます」
「それがどうかしましたか。なんか問題でも」
「ええ、つまりこの世界から出るのも現実世界から強制的につれ戻されなければという事です」
「そんな、そんな方法を知っている人なんていないじゃないですか」
「だから、だれ一人としてこの世界から脱出できていないんです」
俺は脱出できない理由については理解したが一つ疑問が頭をよぎった。
「でも、ここに人が来ないとはどういう事なんですか」
「それはですね、実はこの世界には支配者がいまして」
「この影の世界に支配者」
俺は声がひっくり返った。
「ええ、つまりここへ連れて来られた人は支配者の管理下に置かれます。て言っても実際は奴隷のようなもの」
「管理下、でも俺達は普通に行動してるじゃないですか」
「だから私とあなたは、運よく支配者に見つからなかったって事です」
「へえ俺達は運がよかったんですね」
「そうですよ。今の所見つかってないのは私とあなただけだと思います」
「でも、須藤さんはなぜこんなに、この世界について詳しいのですか」
「それはですね。私は影の中に引き込まれてからずっとこの世界について調べてきましたから。ほらこの家だって」
須藤さんは、家に指を向けた。
「この家がどうかしたんですか」
「この家は、私が作ったんです」
「どうやってですか。鉄も木材もコンクリートもないこの世界で」
「この世界には、サレインダードと言う力が存在します。そのサレインダードと言う力を使ってです」