意味がない
「このまま敵のアジトにのりこんでも勝算はありませんよ」
「そんなのやってみないと分からないじゃない」
「いや、分かります。だって、上の階級のシャドンドに手も足もでなかったじゃないですか。たった一人に」
「それは油断してただけよ」
「勝負に油断は禁物です。だから油断してたのも勝負の一部です」
最後は、ちょっと意味がわからなかった。どうして俺達がこんな話あいをしてるかいうと、シャドンドを倒すためである。まあ、見てて分かると思うけど。
「じゃあ、どうするの」
「それは、事前に作戦を錬って対抗手段を考えましょう」
あ、言い忘れていた。今俺が話しをしているのは中堂さんだ。他の三人はシャドンド狩りに行くといってどっかに行った。ハンターじゃないくせに。
「事前に錬るたって、須藤さん達がいないじゃない。六林のせいで」
「俺のせいじゃないでしょう」
「いや、六林のせいよ。だって今回の敗因はデストデレクションの力のなさによりもの、かっこ俺以外の。でも仕方ないか、みんな年でしたね。とか言ったから」
そうだった。でも、ここにいる中堂は何なんだよ。分かった、ダメ人間だ。
「みんな年でしたね、とは言ってません。みんな年でしたね、としか言ってません」
「イントネーションの違いで判断すんな」
「いや、いやイントネーションの違いで日本語の意味は変わってくるでしょう。だからイントネーション違いで判断するのは正しい」
「もう、うるせい。六林と話ていると、ろくに会話が進まねえ」
「えっと作戦とはですね」
「いきなり進めようとすんな」
「え、だって進まねえとか言ったの中堂さんですよ。だから俺は中堂さんを思って進めようとしてんじゃないですか」
「もう本当に、何て言うんだっけなあ」
知らないのかよ、まあ、俺も思いつかなかったけど。
「六林何と言うか分かる」
一瞬知るかと言いそうになったが、言わなかった。
「そうですねえ。本当に六林は素晴らしいねじゃないですか」
「そんなわけあるか、罵倒しようとしているのに褒め言葉なんて言うか」
「言うかって言いましたね。ぜひとも言ってください」
「あー本当うざい。もう話進めて」
「答えがでましたか。うざいが答えなんですね」
「だから本当にうざい。もうそんなのどうでもいいから話進めて」
「それは無理ですね。だって須藤さん達がいないじゃありませんか」
「じゃあ、作戦なんて今言うな」
「今言ったのには、わけがあります」
「どういう理由よ」
「理由、俺は、わけと言ったんですよ」
「わかった、わかったから早くわけを言って」
「それは、ちゃんちゃちゃたんちゃんちゃーん」
「何よ、その変なのは」
久しぶりにやっちゃいました。俺の素敵な効果音をつけて発表する。その名も。
「ロクジナル効果音」
「何をそれ」
「これは、俺オリジナルの効果音なのでロクジナル効果音」
「オリジナル効果音みたいに言うな」
「もう言っちゃいました。カッコ笑いカッコ閉じ」
「うるせえ、もういいから話進めろや」
「何で逆ギレしてんですか。聞いてきたのは中堂さんですよ」
「分かった、分かった、私が悪かった。だから話進めてください」
「それが言いたかったんですか。中堂さんの持ちギャグ、話進めて」
「そんなギャグないわ」
「しかも、話進めろやには、三つのパターンがある。ひかいめの話進めて、強めの話進めて、呆れた感じの話進めて」
「そんなのないわー」
「でも、それ以外に例外がある。特別な時にしか使わない、中堂スペシャル話進めてが。それは、どうしても話が進まない時の話進めてください」
「それ話進めてじゃないじゃない。それと、そんなのどうでもいいわ」
「あなた達いったい何の話をしているの」
須藤さん達が帰ってきた。俺と中堂さんは、その後ちゃんと話の内容を説明したが、こう言われた。
「そんな暇あったら少しでも修行の時間にあてなさい」
そうですよね、時間の無駄使いですよね。俺と中堂さんは何やってたんでしょうね。無駄話ですけどねえ。いや、間違った。意味のない会話でした。まあ、どちらにしても時間の無駄使いには変わりないんですけどねえ。




