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仲間

 シャドンドは俺に斬られて消滅した。

 「技名もあるんですね。やっぱり、バトルものには必要不可欠ですよね。でもシャドンドってこんなに弱いのだったら簡単に倒せそうですね」

 変人が言った。妙になれなれしく

 「いや、このシャドンドは雑魚だわ。本当に強いシャドンドはたぶん本拠地のアジトにいると思いますよ」

 須藤さんが言った。でも俺は疑問に思った事があったので須藤さんに直接聞いてた。

 「須藤さん、この世界について知りすぎじゃありませんか。いくらこの世界について調べたからってそこまで細かい事までは分かりませんよね。隠してる事があったら正直に話してください」

 「わかったわ、ちゃんと話すわよ」

 そう言って須藤さんは話を始めた。

 「実は私は一度シャドンドに捕まっているの。そこで、この世界について色々知ったの」

 「え、シャドンドから逃げ出したって事ですか」

 「ええ、まあそうだけど。それは運がよかっただけよ」

 「てことは、この世界についての知識はそこで得たわけですか」

 「ええ、さっきそう言ったじゃない。でも私もこの世界について知らない事がまだたくさんあるわ」

 「へえー、じゃあ俺だけがシャドンドに捕まった事がないってことですか」

 俺は勝ち誇ったように笑った。

 「いやいや、ロックンだってシャドンドに見つかっていれば必ず捕まっていたわよ」

 「でも見つからなかった。それが俺とあなた達との違いです。よーくわかりましたか」

 俺はまたも勝ち誇ったように笑って見せた。

 「うざ、だいたいロックンは私に助けられただけじゃない。私と会ったから、あなた今ここにいるんでしょう。忘れないでちょうだい、ヒモ男」

 たしかにそうだった。須藤さんに会わなかったら確実に俺はシャドンドに捕まっている。

 「たしかにそうですね。須藤さんに会わなかったら俺ここにいなかったかもしれませんね、ありがとうございます。大切なことを忘れてました」

 「分かってくれたんなら許してあげるわ」

 「それでヒモ男とはなんですか、あえて最初は言わなかったけど」

 「ヒモ男はヒモ男よ。だってロックン私に養われているようなもんだもん」

 「断じて違います。いいですか須藤さん俺は自分の事は全て自分でやっています」

 「あのお取り込み中みたいですけど、聞きたい事があるのですが」

 動ける方の女の子が話しかけてきた。

 「え、そうですか。なんですか」

 「いや、やっぱり自己紹介からしましょう」

 「あ、そうですね。俺は六林六郎といいます」

 「私は須藤真菜です。よろしくお願いします」

 「私は中堂奈央です。よろしくお願いします」

 「僕は笠松卓といいます。ちなみ好きな事は漫画、アニメ、ゲームなど二次元です。好きな言葉は二次元は素晴らしいで将来の夢は二次元の中に入ってアニメなどの登場人物とふれあう事です」

 いや、将来の夢あきらめろや。でも面倒くさいのでツッコまないでおこう。

 「あの、それでさっきの話の続きなんですが、あなた達は何者なんですか」

 「俺達ですか。俺達はデストデレクションです」

 「デストデレクションとは何ですか。もっと詳しく話してもらえないでしょうか」

 「分かりました。デストデレクションとはバックステージデモンストレーションの略じゃなくていじったものです」

 「いや、名前じゃなくて、その」

 「だってあなた今デストデレクションについて聞きましたよね。間違ってるのはあなただ」

 「何の話をしているのロックン。すみません中堂さん、でもロックンを許してやって、悪気あって言ったわけじゃないんです」

 「何で俺が悪者になってんですか。悪いのは中堂さんでしょう」

 「静かにしてロックン、せっかく私が庇ってあげてるのに」

 「いやいや、庇うもなにも」

 須藤さんが俺の話を遮った。

 「さすが変態ロリコンやろうね、恋する相手も小さければ器も小さいのね」

 「俺はロリコンじゃないです。ただ見た目で人の年齢を見分けるのが苦手なだけです」

 「小学生に告白するやつがロリコンじゃないわけないじゃない」

 「いや、恋には」

 俺は言いかけたがやめた。だって、それ言っちゃうとロリコンを半分認めた事になっちゃんだもん。

 「あーもう俺が悪かったです。すみませんでした」

 「あのー私も悪かったです。すみませんでした」

 中堂さんも俺に謝ってきた。なので俺もデストデレクションについて説明してあげた。

 「すごいですね。じゃあシャドンドを倒したら、この世界から出られるのですね」

 「それはわかりません」

 俺はそう言った。正直が一番だからね。

 「でもシャドンドを倒したら、この世界から出る方法が分かるかもしれません。それに今はそんな方法しか思いつきませんですし」

 言ったのは俺である。須藤さんじゃなくて俺、六林六郎。

 「あのーさっきシャドンドを倒したはずなのにどうして私は動けないのでしょう」

 どっかから声が聞こえた。

 「あー忘れてた。センナちゃんの縄をほどいてあげないと」

 中堂さんはそういって急いで走っていった。どこにそれは見てのお楽しみ。まあ、答えはおしえないけどね。中堂さんは一人の女性をつれて戻ってきた。

 「紹介します。この子は藤堂センナちゃんです」

 「よろしくお願いします」

 中堂さんと藤堂と言う人はナイスコンビネーションであいさつをした。

 「あの、俺から提案があるんですけどいいですか」

 「ロックン藤堂さんをスルーしない」

 「別にしてませんよ。無視しただけですよ」

 「してるじゃない」

 俺達はその後、色々あり笠松と中堂さんと藤堂はデストデレクションの一員になった。いや、話をとばしすぎだろ。今、俺達はデストデレクションの新しい仲間の歓迎式を始めるところだ。だから話をとばしすぎだろ。

 「デストデレクションの新しい仲間を祝してかんぱーい。といっても、飲み物も食べ物もないんだけどね。かっこ笑いかっこ閉じ」

 「ふざけんじゃねえ」

 みんなから同時に声がかえってきた。

 「まあ、これでデストデレクションは五人ですね」

 「そうね、私とロックンだけではシャドンドに勝てるかどうかわからなかったけど仲間が増えて絶対に勝てると思えるようになったわね」

 「それじゃあ新しい仲間が増えた祝いにですね、おしくらまんじゅうをしましょう」

 俺がそんな事を言ったら何でみたいな視線が送ってきた。

 「祝いの時にはまんじゅうを食べます。しかし、この世界にはまんじゅうがない、そこで俺は考えました。おしくらまんじゅうをすればいいじゃないかと」

 「ロックン一つ言っていいかしら」

 「べつにいいですよ」

 「じゃあ私からも」

 「じゃあ僕からも」

 「じゃあ私からも」

 じゃあ私からもが二つあったが決して同一人物が言ってるのじゃない。

 「バカか」

 みんなが俺の所に向いてそういってきた。しかもハモってね

 「何故俺がバカなんでしょう」

 「まんじゅうがないから、おしくらまんじゅうって考えがおかしいからでしょう」

 「えーそうですか。我ながら良い考えだと思ったのですか」

 「良い考えのわけがない」

 またみんなハモらせて同時に言った。なので俺はこう言い返した。

 「はいはい、俺が変でした。すみませんでした。でも、みんな息がぴったり合ってて良いコンビネーションが築けると思いますよ」

 「何、良い事言ってごまかそうとしているだ」

 「ほら、またぴったりじゃないですか」

 「あ、」

 みんな本当だという顔をした。俺は見た目で人の年齢を判断するのは苦手だけど、こういう感情を読み取るのは人並みだ。

 「じゃあ、最後に一つだけ言わせてください」

 俺は一瞬ためてから

 「これからがんばっていきましょう。新デストデレクション開放だー」

 「おー」

 「年齢は決して若くないけど」

 「え、私達みんな高校生ですよ」

 「えーーーーみんな三十代じゃないの」

 「死ねーー」

 俺はみんなにビンタされた。これで本当にやっていけるのか。

 

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