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偽の魔王の物語  作者: 散田 苦労
ぷろろーぐ
6/6

ある冒険者の極秘任務 part.5

「いえ、謝らなくてもいいですよ。こっちも悪かったんですから」


くっ、なんていい人?なんだアイリスとやら。


「ありがとうございます。許してくれて。僕は本当に嬉しいです(ニコッ)」


「いえ、こっ、こちらこそ」


おぉ、照れてる照れてる。

まぁ、今の俺の顔イケメンだしな。


「ごほん…それで、レイさん、やはり、お父様の依頼ははやはり…」


王女さんが俺に尋ねてきた。


「あぁ、はい、僕にきた依頼は、『ガルデリアの第一王女を連れ戻す』ーー」


「では、お帰り下さい」


いやいや、なんでだよ。


「私は、あの国にはもう帰りません」


「なぜですか?」


「あの国の王や貴族は、身勝手すぎるのです。自分達のために民に莫大な税を払わせたり、それに、知らないでしょうが、今回の勇者の扱いなど酷すぎます。自分達の勝手で召喚しておいて、使えないと分かればすぐに処刑する。そしてそんな人間などいなかった事にする。王女である私でさえこの事を知ったのはついこの間なんです。あまりにも酷すぎると思いませんか?」


確かに酷いよな、自分の都合が悪かったらすぐに殺そう(・・)とするなんて。でも……


「だからって、逃げる理由にはならないんじゃないんですか」


「どうしてですか⁉私はもうあの国には失望したのです‼」


分かってない。この人は分かってない。


「あなたは、自分の立場をわかってるんですか?あなたは、国の代表でしょう。逃げるんじゃなくて、変えなければいけないんじゃないでしょうか?」


おぉ、王女さん悩んでる、悩んでる。


「あなたの言う事はもっともです。ですがーー」


「僕も手伝いますよ。できる事は少ないと思いますが……」


ここまで言えばいいだろ。さぁ、戻ると言え、というより、言って下さい。


「わかりました。私は国に帰りましょう」


よし、来た‼


「あなたならそうおっしゃると思ってました。さぁ、いますぐ、帰りましょう」


王女さんが、アイリスの方を向いて言った。


「アイリス、聞いていたと思うけど、私は国に帰るわ。だから、ここでお別れね。今までありがとう」


いや、その言い方一生の別れみたいになってるぞ……ほら、アイリスとやらも困っているじゃん。


「あ、あの私も着いて行ってもいいですか?」


なんですと⁉


「私、今まで外の世界をみたかったんです。でも、一人じゃ怖くって。でも、今は、フレイ様もいるし、レイさんだっています。だから…お願いします、フレイ様」


断れ、王女さん。


「わかったわ。いいですよね、レイ様?」


嫌だよ、嫌だけど……


「はい、もちろんです」


断ったら変に思われるじゃねぇか……


「よろしくお願いしますね、レイさん。私は、黒竜のアイリスっ言います」


「こちらこそよろしくお願いします、アイリスさん」


もう泣きたい。


「そういえば、レイさん。どうやって、ガルデリアまでもどるんですか?」


……考えてないぞ。どうする…


テスト期間中なのに……

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