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妻が寝取られたので自殺したらその妻の双子の妹に懐かれたんだが?  作者: 楽
第一章 自殺した、先

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9、I'm falling in love with you

それから俺達は教室に戻る。

しかし何というか偽りのカップル、か。

偽りのカップル提案とは驚きだよな。

そう考えながら俺は授業を受けた。

そして放課後を迎えた。


☆


放課後になり俺は立ち上がってから天満に声をかける。

天満は「わり。今日部活だわ」と答える。

よりにもよって今日は部活か。

残念だな。

そう考えながら苦笑する。

そんな天満を見送ってから俺は帰る事にした。

すると背後から抱きしめられた。


「だーれだ」

「お前は...花蓮か」

「ご名答だね。おにーちゃん」


俺は目隠しした人物。

背後を見る。

そこに花蓮が居た。

俺にニヤニヤしている。

その姿に盛大に溜息を吐きながら「何をしてんだ」と言ってから花蓮を見る。

花蓮は「おにーちゃん暇?」と言ってくる。

そんな言葉に俺は「暇じゃないが今は暇だな」と言う。

すると花蓮は「そっか」と笑みを浮かべた。


「付き合ってほしい」

「?...どこにだ?」

「あ、えっとね。ゲームセンター」

「ゲーセン行ってどうすんだ?」

「プリクラ撮ろうよ」

「あー、そういう事か。分かった」


すると花蓮は「ついでに宿題も教えてほしい」と言う。

俺は「ああ。成程な。俺の家で?」と聞く。

花蓮は「どこでも大丈夫。図書館とかでも」と返事をしながら柔和な顔で俺を見る。

俺は「なら図書館で宿題をやるか」と言う。

花蓮は「畏まりー」と返事をしながら歩き出す。


「ささ。早く行こう。おにーちゃん」

「分かったから引っ張るな」

「待ちきれないよ。急いで」


それから花蓮は駆け出す。

俺はそんな花蓮に苦笑しながら着いて行く。

先ずはゲーセンに行く事になった。

そして次に図書館である。

俺は苦笑いで花蓮をとにかく追いかけた。


☆


ゲームセンターはこの町に30年の歴史があるゲームセンターである。

実際、長い歴史があるので機械も古いのだが...修理して使っているらしい。

俺はそんなゲームセンターを見ながら横に鼻息を荒くして立っている花蓮を見る。

花蓮に聞いた。


「突然だな。プリクラとか」

「うん。今日しかないから」

「ああ。部活の関係でか?」

「大会もあるしね」


そう答えながら俺に笑顔を浮かべる花蓮。

俺はその顔に苦笑気味な顔を浮かべながら「そうか」と返事をする。

花蓮は俺の袖をゆっくり引いた。

そして上目遣いで俺を見る。


「...今日の事、ありがとう。大会に意気込みたいからさ。プリクラが欲しかった」

「...ああ。成程な」

「うん。ありがとう」


それから震える花蓮。

俺はそんな花蓮のみぎほほわ右頬に触れた。

そして真剣な顔をする。

かつての前世を思い出す。

大きな怪我で引退せざるをえなかったあの頃を。


「花蓮。俺達も応援に行く。だから諦めたりするなよ」

「おにーちゃん?」

「妹として俺はお前を大切にしている」


その言葉に花蓮は「ありがとう。おにーちゃん」と俺を見てきた。

俺はその顔に笑みを浮かべながら背中を叩いた。

それから俺は立ち上がる。


「なら行くか」

「あ、そうだね...あ、おにーちゃん」

「ああ。どうした?」

「色々と間違ってるよ」

「あ?」

「私がなりたいのは妹の立場じゃない」


俺は目を丸くしながら「は?」となる。

それから花蓮は「私がなりたいのは...」と言う。

だがそれからの言葉は発さない。

黙った。


「私がなりたいのは...なんだよ?」

「今は言わない」


花蓮は振り返りながら俺を真っ直ぐに見る。

それから花蓮は俺に近付いて来る。

そして笑みを浮かべた。


「おにーちゃんはおにーちゃんらしく」

「俺らしく?」

「そ。おにーちゃんらしく、ね」


そして花蓮は俺にいきなり背伸びした。

それから俺の頬にキスをした。

俺は「!」となりながら花蓮を見る。

花蓮は駆け出してから俺に踵を回して振り返る。


「おにーちゃん。ありがとう」


それから花蓮は駆け出した。

俺は「...」となりながらキスされた頬を撫でてから去った花蓮を見ていた。

何で俺なんかを好きになるのだろう?

俺は...あくまで。

そう考えたが結論は出そうに無い。

それもあり俺は花蓮を追う様にプリクラコーナーに向かった。


☆


「あはは。おにーちゃん可愛い」

「目が大きいよな」

「だね。私はキモいね。今より目が大きいから」

「結局可愛い奴は何をしても可愛いな」

「おにーちゃん...。も、もう」


俺達はプリクラを撮り終えてからベンチでそう話してからプリクラを見合っていた。

少しトイレに行きたい。

そう考え俺は立ち上がる。


「すまない花蓮。お手洗いに行くよ」

「あ、じゃあ待ってる」

「ああ。すまんな」


それから俺はトイレの場所を見てから案内板に従いトイレに向かう。

そして二分ぐらいしてから戻ると...花蓮が男子高校生に絡まれていた。

3人の男子高校生。

ったく。


「ちょっと...私、待っている人が居るんです!」

「まーまー。そう言わずにさ」

「俺達と一緒の方が楽しいって」

「私は行けません!」


否定する花蓮。

ったく...僅か二分足らずで。

俺はそんな男子達を掻き分けながら「すいません。俺の妹に何か用事すか」と3人を睨む。

するとさっきまで楽しそうだった顔が真顔になる。


「ちっ」


そう悪態を吐き捨てながら男子生徒達は去って行く。

いやそっちが絡んで来た癖によ。

考えながら俺は頭を掻いていると花蓮が抱きついて来てから顔を擦り付けて来た。

俺はその事に花蓮の頭を優しく撫でた。


「おにーちゃん。ありがとう。怖かった」

「良かった。間に合って」

「おにーちゃんは本当に私達のヒーロー。変わらないや」

「実際、お前の方が力は強いとは思うがな」

「強さは関係無い。正義感がある人が好き」


そして花蓮は震える。

俺はそんな花蓮を優しく丁寧に撫でた。

女の子を寄ってたかるとは。

最低だ。

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