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妻が寝取られたので自殺したらその妻の双子の妹に懐かれたんだが?  作者:
第一章 自殺した、先

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19/19

19、ファーストキス

俺は汗が滲んで額から頬に伝う。

それから目の前の花蓮は俺をジッと見つめる。

何も言わずジッとただ餌を待つ様な生き物の様に。

俺はその感じに手を挙げた。

降参ポーズをする。


「駄目だ。...お前には手を出さない」

「...そっか」

「お前に手を出すのは俺じゃないし俺がそんな事をする根性は無い」

「...」


花蓮はちょっと残念そうな感じで苦笑する。

それから「ま。そうだよね。それがお兄ちゃんだし」と言う。

俺は「ああ。そうだ。それが俺だからな」と話した。

花蓮は起き上がる。

俺はその姿を見ながら笑みを浮かべた。


「花蓮。...お前に対していつか...何か言える日が来たら。その時は...受けてくれ」

「うん。それはね。...だけど今がその時じゃないのは分かる」

「サンキュー」

「私が言うセリフだよそれ」


それから花蓮と俺は笑い合う。

そして俺は「ランニング着が無いから体操服で走るよ」と花蓮に告げた。

すると花蓮は「じゃあいつか買っておいて。また走ろう」と笑顔になってから俺をみてくる。

俺はその言葉に「ああ」と返事をした。


「...ああ。そういえばお兄ちゃん。...頭に埃付いてるから取ってあげる」

「そうか?すまないな。取ってくれるか?」

「うん」


そして花蓮は俺の傍に立つ。

すると両手が俺の頬を掴み...そして俺は花蓮とキスをした。

は?


「か、かれん?!」

「まあこれぐらいなら良いよね。お兄ちゃんが心の底から好きだし」

「馬鹿野郎!俺は...」

「実はこれファーストキスなんだ。それをお兄ちゃんに捧げるね。いつか...私を好きになった時にセカンドキスを下さい」


その言葉に俺は「...!」となってから花蓮を見る。

花蓮は「じゃあ表で待ってる」と言って去って行く。

俺は「...」となってから「...くそ」と悪態を吐く。

彼女に対するイメージが変わりそうだった。

正直...妹としてしか見てなかったのに。



俺達は河川敷を走る。

そして街中を走り...公園で一休みした。

花蓮は「やっぱり誰かと一緒に走るのが好きだな」と言う。

俺は「そうか」と花蓮を見た。

前世の13年前はこうする事が出来なかった。

だからこそ...走っているのだが。


「ねえ。お兄ちゃん」

「...なんだ?花蓮」

「私って魅力ある?」

「あー...あ?」

「いや。魅力ある?」

「いやまあ...魅力あるけど」

「そっか。...良かった」

「いきなり何なんだよ」

「いや。...私、優菜お姉ちゃんにも...鏡花にも負けたくないからさ」

「...お前...」


そして花蓮は俺の手をゆっくり握る。

それから俺を見上げる。

俺は「...」となってから視線を外した。

正直...魅力あるよな。

だが。


「...すまないな」

「何が?もしかして...私に応えれない事?」

「今は手いっぱいだ。...優菜の事でな」

「うん。待ってるから」


それから花蓮はニコッと笑みを浮かべる。

そして俺から手を離した。

そうしてからスポーツドリンクを飲む。

俺はその姿を見ながら「...」となってから「花蓮」と言う。

花蓮は「うん?」と俺を見る。

俺は「...お前、前世の事は聞いたか」と聞いてみる。


「...そうだね。鏡花から全部聞いた。...私...前世では大会で靱帯を断裂して引退したんでしょ?」

「そうだ。...信じるのか?」

「信じるに決まっているでしょう?...私が好きな人なんだから」

「...」

「恋にも負けたって事だよね?...だったら私は...この世界では恋愛にも負けない。お兄ちゃんを失望させない」

「...」


俺は「...優菜が浮気したのも知っているのか」と聞いてみる。

すると花蓮は「全部聞いた。お兄ちゃんそれで前世は自殺したって。そして...タイムリープしたって」と話してペットボトルの雫を撫でる。

そして花蓮は「じゃあさ」と言う。


「...マイナスじゃなくてプラスに考えれば良いんだよ」

「マイナスじゃなくて?それは...」

「優菜お姉ちゃんが浮気したのならその原因を摘めば良いんだからさ」

「...花蓮...」

「私はそう思う」

「...お前...本当に可憐な存在だな」」

「そういう意味で名前が付いているとは思うけどね」

「鏡花も...お前も...優菜も良い奴だよ」

「許せない部分はあるよ。だけど恨んでも...何も解決しないからさ」


そして花蓮はベンチから立ち上がる。

それから花蓮は空を見上げる。

そうしてから伸びをした。

「それに丁度...優菜お姉ちゃんは記憶を失った」と言う。

俺は「?」を浮かべる。


「...リセットされたからさ。...今からやり直そう」

「花蓮...」

「私はそう思う。...マイナスばかりじゃないよ。せっかく記憶を失ったならプラスに考えていければ良いんだよ」

「...そうだな。確かに」

「お兄ちゃんは優菜お姉ちゃんに恨みのある人生だったかもしれないけど私は...平和主義だから」

「...分かった。ありがとうな」


それから花蓮はペットボトルを捨てる。

そして俺に手を指し伸ばす。

俺はその手をゆっくり掴んだ。

そうしてから立ち上がる。


「お兄ちゃんは優菜お姉ちゃんに恨みがあるかもだけど。この世界のお姉ちゃんは...いや。そんな真似をする前に止めよう」

「30なんぼかの男だったのにな。教わる事ばかりだ」

「人間は成長するのが人間だから」

「...そうだな」


そして俺は飲み物の缶を捨てる。

それから俺達はまた走りに出てから...帰って来た。

正直、さっきより空気は爽やかだった。

気分も爽快だった。

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