【1】ズッ友〜例えそれが死語だとしても〜
最強捜査官の前日譚はまだあった!?
ヴィジャボードの封印が解かれたあの夜、ルチアーノがルシアンの柄on柄スーツに一目惚れして……!?
ズッ友(?)の始まりはヴェネツィアからスタート☆
天界から原宿を巻き込んだ大波乱は…セレニス州で綺麗に着地…!?
みんな真面目ですべてがおかしいギャグファンタジー小説をどうぞ♪
――友情すらも香りに変えてしまう、俺様印の永遠のリリカル。
今日は俺様の友情すら香りに変えてしまう、永遠なるリリカルな話をしてやろうと思う――
あの忌々しい夜。
俺様は、地獄の王の間で香水の調合に勤しんでいた。
なのに…!!
あの古代から伝わる――そう、俺様のお祖父様の代から伝わるヴィジャボードの封印が解かれ、強制的に地上に引き寄せられてしまった!
あの「週末?それってパーティ一択っしょ?ウェーイ☆」みたいなアメリカンな大学生のノリ…本当に嫌いだ!
下品この上ない!
だから俺様はやってやったさ…!
俺様直々に血祭りに、な!
だけど…来ちゃったんだよなー…大天使!!
何で来るかな?
まあ、あいつらは神の伝書鳩だし、神の命令だろうけど…。
でもそうなっちゃうと、俺様は退散するしかなくて…。
悔しかった…悲しかった…
でもこの涙こそ、次の新作香水を作る原動力になる!前向きな俺様…尊い…!
しかも!!
その時来た天使が、柄on柄のスーツを華麗に着こなしていて…。
俺様の家は代々――
オールバックに撫でつけた漆黒の髪。
彫刻のように濃い顔立ちに、イタリアンブランドで固めた派手なスーツ。
真紅のシャツに胸元の金のネックレス。
指にはギラつくリング。
爪先まで“イタリアン”でキメたシルエット。
なんだけど!!
このイタリアンブランドの派手スーツは、黒一択なわけ!!
分かる!? この苦しみ…!
地獄の王にして、香水の魔術師の俺様…。
もっと色んなスーツを着てみたいの!
でも何千年も黒スーツ縛りだから、着こなしが分からないの!
だから部下も全員、黒スーツ一択!
そこに…あの大天使ルシアンが来ちゃったんだよ…
出会っちゃったんだよ…運命ってやつ?
だから俺様は翌日から、部下にルシアンの動画を撮りまくらせた。
着替えた時は特に重要!!
で、さ☆
見れば見るほど…ルシアンの柄on柄スーツが、俺様のリリカルな感性を刺激して…。
そんなある日、俺様が見たルシアンのスーツは…!!
もう…俺様の繊細なハートを打ち砕く程、素晴らしくて…!!
俺様は無意識に飛んでたね…。
そう、ルシアンに見付かるという危機よりも、俺様の美意識が暴走したんだ…。
そしたらルシアンはしれっとこう言ってきた。
「君たちはどうして私を動画に撮るんだ?
気付いていたが、無害なので無視していた。
だが…地獄の王まで来るとは何事だ?」
――天使って本当に無神経だよな!!
せめて「やあ、ルチアーノ。はじめまして!僕は大天使ルシアンだよ!君は地獄の王だね!」くらい言えよ!!
でも俺様は慎ましい性格だからさ…
言ってしまったよね…
「お前の柄と柄を合わせる狂気のセンスが大好きなんだ!」
ってね…。
そうしたらルシアンは――
「この服は私の恩寵を納められる人間の服に過ぎない。クローゼットに並んでいる物を右から着ているだけだ。クローゼットを見たければ見れば良い」
って言ってくれてんだ…!!
無表情な顔で…。
いや、違う。
ルシアンは無表情の下に俺様への友愛を隠していた…!俺様には分かる!!
ルシアンの照れ屋さん♡
それから――
俺様は堂々とルシアンに会いに行って、クローゼットを見せて貰ったりしてるんだ♪
ルシアンは相変わらず照れ屋さんだけど、ちゃんと動画も撮らせてくれるぜ♪
そして今、完成した香水こそ――
『ズッ友―例えそれが死語だとしても―』だ…!!
ズッ友が死語だと言う奴ら…分かってないな〜!
あー大天使に友情感じちゃう俺様のリリカルな感性…辛いな〜!
繊細な感性があるって逆に辛いな〜!
次にクローゼットを見せてくれた時、この香水をルシアンにプレゼントするんだ☆
俺様達の友情は永遠になる!!
……そう誓いながら、ルチアーノは大理石のテーブルに腰を下ろした。
香水の小瓶を握る手に、熱い決意がこもっている。
――だが、この「友情の香水」が天界と地獄を揺るがす騒動になるとは、
この時の俺様はまだ知らなかったのである。
ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)
明日も17時更新です☆
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