第5話
国王の1回目の謁見から30分と少しばかり経ってから、俺は仲間とともに再び王にまみえた。
「待っていたぞ」
「陛下、これより我々は出立いたします。その前に、一目御目見え致したく思い、ここに参りました」
「ああ、一つ渡したいものもあったから、ちょうどよかった」
陛下が近くにいた侍従長に合図を出して、侍従長はさらに部下に合図を出して、俺らのところに大きな箱を持ってきた。
「開けてみなさい」
陛下の言葉で、床に置かれた1.5メートルくらいの立方体の、素材を知らない箱を開ける。
「……服、でしょうか。それと、何か小道具?」
ひょこっと後ろから覗き込んできたメンバーの一人が、声を出す。
それを聞いて満足そうにしている陛下から言葉を賜る。
「それは、人喰いカルトのところにいる悪鬼を遮るための特別な服だ。あの施設の中にいる間はずっとそれを着ていてほしい。当然、小道具も悪鬼の対策用だ。目に見えない悪鬼のため、この小道具がそばにいたり近づいていたりすると音を鳴らして教えてくれる。これらはすべて、叙祝による聖別を受けていることも合わせて伝えておこう」
「なんと……」
叙祝はこの国の聖職者の中で、上から2番目の職の人だ。
国全体の聖別や、特別な祭典の司会をしている。
表に出てくる中では一番偉い人で、この人による聖別は最も効果が高いとされている。
ちなみに、一番偉い人は国王に仕える侍従長と同等の権威を持っている基器長という。
陛下の宗教的な相談相手であり、国全体の宗教の長になっている。
だから俺らが合うとしたら叙祝が一番上ということだ。
「それだけ我々に期待をされているとは、気を引き締めていってまいります」
「ああ、頼んだ。詳しいものはこの箱の中に入れた冊子を見ていてほしい」
それと、と陛下は近くまでの旅程中の障害がないようにと通行旅券と、路銀、それと人足を数人付けてくれた。
これで、あとは出発するだけだ。




