コロンさんの愛猫たちの正体は
コロンさんは自分が主催する企画に参加している作品、餡饅さんの「婆ちゃんの庭」を読みながら、コロンさんの足下にいる二匹の愛猫たちに愚痴る。
「アンタたちも此の作品に出てくる、コロやロンみたく凶暴だったら良かったのに」
と言うのは、コロンさんには悩みがあったからである。
それは、大事に大事に育てた花々を勝手に摘み取っていく女が近所にいるのだ。
その女は手癖が悪いと評判だったので家の中には絶対に入れないようにしているのだけど、コロンさんが買い物に行っている間に庭に勝手に侵入して、大事に育てた花々を摘み取ってしまう。
一度勝手に摘み取らないでくださいと言ったら、私が取ったって言う証拠はあるのか? と罵声を浴びせられた。
だから一度痛い目に合わせたいのだけど、その手段がなかったのだ。
コロンさんが愛猫たちにそう愚痴ったら、二匹は互いに目配せしたあとコロンさんの足下から立ち去る。
翌日コロンさんが買い物から帰って来たら、あの女の家の前にパトカーが数台停まっていた。
何があったのかな? と家の門の前であの女の家の方を眺めていたら、近所の仲の良い主婦たちが寄って来て説明してくれる。
「コロンさん、聞いて聞いて、あの女の家にパンツ泥棒が入ったんですって」
と、隣の家の主婦か言うと、向かいの家の主婦が訂正した。
「違うわよ、パンツを被った泥棒が入ったのよ」
「あ、そうだった、ゴメン、間違えた」
「何でもね、ピンクとブルーのショーツを被った男たちが押し入って金を出せって言ったらしんだけど、殆んどお金が無かったから、旦那さんや子供たちのコレクションをぶち壊して逃走したんだって」
「そうそう、それでね、あの女が逆上して警察を呼んだんだけど、呼ばれて来た警察官があの家にあった、盗難届けが出てるものに気がついて家捜ししたら、此の周辺の人たちが出していた盗難届けの物がゴッソリ出てきたんだって」
「それであの女が逮捕されて警察署に連れて行かれたのよ、ホント、ザマーミロよね」
コロンさんはピンクとブルーのショーツと聞いて何かに気がついた。
近所の主婦たちと別れ家に入ったコロンさんは、今長期出張中の旦那様が帰って来たらムフフに誘おうと通販で買った、チョットお高めのピンクとブルーのショーツを入れた引き出しを開ける。
他のショーツの脇に置いておいたのに無い、アレ? って思って周りを見渡す。
あ、あった、二匹の愛猫たちか咥えてビリビリに引き裂いている
コロンさんはあの女が痛い目にあったのは嬉しいけど、なんか凄く高くついたように思うのであった。
【アフォの祭典の主催者様コロン様からの頂き物】