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第9話:全滅の血とループの夜明け

第1章 最終エピソードです

渋谷の朝は、反ゲート派とゲート教団の衝突で戦場のような熱気に包まれていた。

ゲート・ソリューションズのオフィスは、ニュース速報の喧騒と張り詰めた空気が響き合う。

パリの爆破事件以来、#GateFailureが収まらず、世論は分裂。

反ゲート派のデモは暴動に発展、教団の信者が「悠真様の意志を!」と叫びながら警官隊と衝突。


ニュースは「ゲート・ソリューションズの責任」と報じ、佐藤悠真の心を締め付ける。


悠真はモニターを見つめ、拳を握る。

胸の痛みが刺し、寄生虫の声が響く。

「混乱はゲートの糧。拡大しろ。」

額に汗が滲み、意識が揺らぐ。


美咲がそばで心配そうに言う。

「佐藤社長、顔色悪いです。無理しないでください。」

彼女のラベンダーの香水が、僅かに心を落ち着かせる。


田中亮介が駆け込む。

「佐藤社長、反ゲート派の過激派が渋谷で武装集会を計画。武器の密輸ログを傍受しました。ゲート・ソリューションズの全滅を企ててます!」


悠真は青ざめる。

「俺も、みんなも殺す気か……ゲートを葬るために!?」

めまいが襲い、テーブルに手をつく。

ゲートを発動して、皆んなで逃げることも考えたが、ここ数日ゲートを発動していないため、利用者にかなりの影響が出ることは間違いない。

最悪、少人数を対象に発動した場合、全員の生命力が奪われることもあるだろう。


林玲奈が冷静に言う。

「反ゲート派の通信は一部解読済みです。武装集会の場所は渋谷の旧商業ビル。警察に通報しましたが、対応が遅れる可能性があります。」


美咲が続ける。

「教団の動きも怪しいです。#GateSaviorで、信者に『悠真様の聖戦』を呼びかけてます。怜の指示で渋谷に信者が集結中。反ゲート派の混乱に乗じて、何かを企んでる形跡があります。」


直後、健太が現れる。

「悠真、教団と反ゲート派、裏で繋がってる証拠つかんだ! 教団のサーバーに、反ゲート派の爆破工作を扇動するログが残ってた。武器は産油国から提供だが、カルトの連中が持ち込んでる。怜が両方を操ってる可能性が高い!」


悠真は愕然。

「怜が? 反ゲート派を利用して、ゲートを神格化する気か……?」

胸の痛みが強まり、意識が朦朧とする。


健太は続ける。

「不幸中の幸いだが、高橋さんの家族、殉教って発表は嘘だ。高橋さんもまだ生きてる。この情報は高橋さん本人からだ。高橋さんは裏切ったことをかなり後悔していて、反ゲート派とカルトの情報を流してくれている。信用し切れないが、今のところ他からの情報と高橋さんの矛盾はしていない。」


悠真は拳を握る。

「高橋さんとその家族……助けなきゃ!」

寄生虫が囁く。

「助ける? 無意味だ。ゲートを広めろ。」


亮介が言う。

「佐藤社長、彼の妻と娘、教団の施設に拘束されているでしょう。位置情報の特定を進めます。警察と連携したいところですが、警察内部もカルトに毒されている可能性があるため頼りにはできません。」


悠真は決意する。

「亮介さん、頼む。翔さんの家族、絶対助ける。ゲートは、こんな犠牲の上に成り立つ技術じゃない!」

 

………………

夕方、渋谷の空が赤く染まる中、オフィスに不穏な気配が漂う。窓の外で、デモの叫び声とサイレンが混じる。警察がオフィスの警護を固めているはずだったが、突然、黒いマスクの武装集団がオフィスに押し入り、銃を乱射。


反ゲート派の過激派だ。

リーダーが吼える。

「佐藤悠真! ゲートは経済を壊す毒だ! お前も仲間も、この技術も、すべて消滅させる!」


銃声がオフィスを切り裂く。


悠真がとっさにゲートを発動して、仲間全員を逃がそうとするが、ゲートが発動しない。

 

亮介が椅子で応戦するが、何の甲斐もなく銃弾に倒れる。

玲奈が機密データの緊急削除に走るが、背中に弾を受ける。

真由と彩花が叫びながら隠れるが、過激派の攻撃で足を撃ち抜かれ倒れる。

反ゲート派は既に制圧している女2人に下衆な笑みを浮かべながら近づいていく。

理性が完全に飛んでいて、本来の目的であるゲートの破壊からは外れ、私利私欲を満たすための行為を行おうとしている。

 

悠真が叫ぶが、声では彼らを止められない。

もう一度、力を振り絞ってゲートを発動する。

頭の血管が腫れ上がり、視界が定まらなくなる。


小規模のゲートを発動できた。

ゲートは反ゲート派の胴体部で一瞬開き、そして閉じた。

次の瞬間、反ゲート派の胴体が二つに分かれた。

悠真が初めてゲートで人を殺めた瞬間だった。


仲間が殺された反ゲート派が乱射を再開する。 

美咲が悠真を庇い、肩に銃弾を受ける。

「佐藤社長、逃げて!」

 

有希も悠真の前に飛び出て、銃弾を受ける。

崩れ落ちる時に悠真と目があったが、最後の言葉はなかった。


別の部屋からは聞こえた健太の断末魔により、悠真はたった1人になった悟った。


一瞬奪われた仲間たちの命に悠真が呆然と立ち尽くす。先ほどまで綺麗だったオフィスは血と硝煙に染まった。


反ゲート派のリーダー格が悠真の額に銃を突きつける。

怒涛の出来事に恐怖を感じる隙もなかった。


銃声より脳に届いた銃弾は悠真最後の銃声を聞かせることもなかった。


悠真が死に至る直前、ゲートのエネルギー波が光の奔流となり、悠真の体を包む。


光の中で悠真は過去の記憶を見る。

 

ゲートの生命力代償を隠し、経済混乱を軽視した傲慢さ。

教団の台頭、産油国の反発、内閣府の圧力、寄生虫の囁きを放置した怠慢。

仲間たちの死は、自身の選択の報いだった。


………………

…………

……

 

意識が引き戻され、悠真は目を覚ます。

数日前、ゲートの力を得た直後の自宅。

窓の外には、夜の東京。


悠真は愕然とするが、無意識にゲートの力で時間を巻き戻ったと悟る。

 

聞き覚えのある寄生虫の声が響く。

「ループは始まった。運命を変えろ。さもなくば、死が繰り返す。」


……

元の時間軸では、ゲート・ソリューションズのメンバーは全員死亡とのニュースが流れる。

CEOと全社員が反ゲート派に襲撃され死亡。

渋谷の暴動は収束せず、教団が「悠真様のために、信者は殉教せよ」を宣言。

怜以外の教団員の命全てを使って発動されたゲートに、世界は包み込まれた。

次章から繰り返し始まります!

評価よろしくお願いします!

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