【世界観02】感情が色になる都市“ルクスフェリア”(ジャンル:近未来SF×ディストピア×感情と嘘)
【世界観02】感情が色になる都市“ルクスフェリア”
ここは“ルクスフェリア”──人々の感情が光の色となって現れる都市。
この世界では、人間の心は“視える”。
怒りは赤、悲しみは青、喜びはオレンジ、恋は金色。
嘘をつけば、その場で“色”がにじむため、誰もが正直に生きるしかない。
色は空気中に浮かび、残り香のように人の周囲に滲む。
感情は一時的なものから、長く染みついたものまで様々だ。
職場では“冷静”な水色を好まれ、政界では“誠実”な緑が求められる。
恋愛市場では“純粋な金色”が何よりも価値があるとされる。
だが、そんな色で支配された社会には、大きな“代償”がある。
本心を偽ることができないがゆえに、裏切りも嘘も表に出る。
心に“闇”を抱える者は、黒く濁った煙のような光をまとい、社会から隔離される。
色のない者──それは“欠陥”か、それとも“奇跡”か。
この都市に現れた少年・ユウは、生まれつき“無色”だった。
彼の周囲には、感情の光が一切現れない。
怒っても、泣いても、笑っても、空気は沈黙したまま。
その存在は都市の秩序を揺るがす“異物”として扱われる。
唯一、彼に興味を抱いたのは、感情の色を“操る”能力を持つ少女・リリィ。
彼女は特殊な訓練を受け、“色”を演出するスパイだった。
表向きは感情豊かなアイドル、裏では国家に潜む“偽りの色”を暴く役目を担っている。
「あなたの中にしかない“本当の色”を、見つけてみたいの」
二人はやがて、“色に溺れた都市”の真実と向き合うことになる。
色を持つことは祝福か、それとも呪いか。
真実が暴かれた時、人はなお他人を信じられるのか──。
この世界には、「感情を色で管理する政府機関」「色を演出するためのファッション産業」「色に依存する芸能界」などが存在し、
それぞれの“色”が価値を持つ通貨や権力としても機能している。
見える心に、隠せない本音。
そこに潜む愛と嘘と、ほんの少しの希望。
(ジャンル:近未来SF×ディストピア×感情と嘘)
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