貴族面倒臭ぇえ〜
「ふぁぁ……(ステータスオープン)」
寝ぼけ眼でぼやぼやした頭を起こしながらステータスをオープンさせる。昨日割と魔法を使ったのでどのくらいステータスが伸びたか確認したくなったのだ。
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☆鈴木 燈慈
30歳 男性
人間
【HP】1100
【魔力】10000
【魔法属性】
・火 Lv3
・空気 Lv1
・水 Lv2
・土 Lv2
【スキル】
・農業育成 Lv1
・調合 Lv1
・鑑定スキル
【称号・加護】
・異世界転移させられた者
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「お、HPと魔法のレベルが上がってる」
昨日少しばかり使ったとはいえ、レベルが上がるのが早い。まあでもレベルが上がるごとに上げづらくなって行くんだろうな〜熟練度で上がるという説明も書いてあったし、熟練度バーみたいなのがゲームなら表示されているのかもしれない。ま、俺は生身の人間だが。
それにしても普通に朝を迎えられてよかった。魔物や動物やらやばい生き物によく襲われなかったもんだ。実際外で寝たことなんて無いし、シェルターに焚き火の火でも燃え移ったらヤバいことになってたよな……なんて思うが何しろ初めての経験だったので分からないことづくめだ。
何しろ動画での雑学知識しかないおじさんだし異世界だしな。
目をやると焚き火は小さくなってマツーカサが炭のようになり赤く燻っている。手をかざすとじんわりと暖かかった。さて、家を作ろう。燈慈は街に出る気なんてさらさらなかった。前世で家欲しい家欲しい、と働きすぎていたし、人と関われるからといって"人間"が好きな訳では無いのだ。今世では出来ればせかせか働かずまったーーーり日常を楽しみたい。
そ・れ・に・だ!
「貴族って面倒臭そうだしなぁ〜!!!」
要は会いたくない。家を先に作ろうと思ったがまずは飯の確保だろう。昨日から何も食べていない。