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神の住まう世界

あらすじ


前世で面接官を殴った興奮でこの世を去った森宮柚葉(24)は気付いたら、ただ真っ白の空間にいた。

そこに超美人の女神・コリーヌが現れ、特別転生処置を施すという。

しかしコリーヌは柚葉の経験やスキルを知ると、コリーヌが本部長を務める株式会社・女神sに柚葉を好条件でスカウト!

入社することとなった柚葉は女神さまと共に神さまの世界へ行くことに?

 (まぶた)の向こうに光を感じる。朝が来たかと思い、ゆっくりと(まぶた)を開けると雲ひとつない青空が広がっていた。ふと顔を横にずらしてみると、一面の若芝がかすかな涼風に吹かれている。どうやら、小高い丘の上にいるらしい。


 大地の凸凹に背を少し痛めながら上体を起こす。


 ・・・・・・何あれ?


 (かす)む目をこすって、もう一度自分の眼前に広がる光景を再確認する。そこには天にも届く高さの教会を中心に、ゴシック調の建築群が円状に広がっていた。


 ・・・・・・陸にある、大きなモンサンミッシェルみたい


 山も谷も川もなく、ただ無限の野原の真ん中にポツンと存在しているその街は、不気味でありながらもどこか理想郷と思わせる(たたず)まいだった。


「圧巻でしょう。私はここからの景色が好きなんです」


 聞き覚えのある声がして、あっと振り返るとあの女神さまが笑顔で立っていた。その顔を見てふと現実に返る。


 ・・・・・・そうか私、スカウトを受けたんだった


 ということはあの町の正体は一つしかない。


「もしかして、あの場所が女神さまたちの住まわれている街なのですか?」


 女神さまは(うなず)く。


「そうです、あれが私たちの街、ムンディ・パースです。」


 やはり、ここは神の住まう街だった。神のために何千万人も亡くなっているのに、私は神の場所に足を踏み入れて神と普通に会話しているのだ。あまりの非日常感に隠されていた事実の重さに青ざめる。そんな私の顔を見て女神さまは苦笑する。


「何を怯えているのですか?」

「えっ?」


 すると女神さまは突如自分の左腕をその胸に突き刺した。そう自らの胸に。

 その急すぎる行動と、不思議な光景に呆気(あっけ)に取られていると、女神さまはその右腕を抜いて60cmほどの水晶のような石を取り出した。そしてどこからともなく右腕で西洋剣を取り出し、スパンッと音を立て、その石を10cmほど切り落とす。そして、その大きい方の石を胸に押し当てて収納し、小さい方の石を拾って私に差し出した。


「これを全て胃のなかに入れてください。大丈夫です、お腹は壊しません。」


 なんかやばい石だろ、と思いながらもとりあえず拾う。やはり硬い。どう頑張っても食べれなさそうだ。しかし目の前にいるのは神だ。私は食べるしか選択肢はない。意を決して口を大きく開け、その石に(かじ)り付く。


 ムニッ・・・・・ムニッ?


 歯が砕けるような食感を覚悟していたのに、予想外の感覚に驚く。とりあえず噛んで飲み込む。手で持った感覚とのあまりの違いに女神さまを見る。


「少し意外な感覚でしょう。さあ、早く。それが終わったらすぐ本社へ行きますから!」


 女神さまに()かされ、慌てて石を口の中に押し込んだ。そして二、三回噛み、グッと飲み込む。


「食べ終わりました!すみません待たせました。」


 それを見て女神さまは少し不満げにムッと唇をとんがらせる。


「『ごちそうさまでした』ぐらい言ってください」

「あっ、ごめんなさい!ごちそうさまでした!おいしかったです!」

「では向かいましょう。私の手を握ってください。」


 言われるがままに手を握ると、急にフワッと浮遊感を覚える。はっと足元を見ると地面から数十センチ浮いていた。反射的にギュッと手を強く握ってしまう。そして女神さまの方を見ると大きな翼をゆっくり羽ばたかせ、苦笑していた。


「私と触れているだけで飛べるので、そんなに強く握らなくても大丈夫ですよ。あなたはもう女神なんですから。」


 女神さまはその言葉を残し、ぐんぐん上昇してゆく。


「えっ、もしかしてあの石・・・・・・そういうこと!?」


 ある程度の高度になると女神さまは止まった。


「手だけは握っといてくださいね。」


 すると女神さまはその体を横向きにして、戦闘機のように加速した。ギュイィィンという音が取り残されるように、私たちは空を切り裂く。前方にソニックブームができているのが見え、その向こうにあの巨大な教会が迫り来る。


「ぶ、ぶ、ぶ、ぶつかる!ぶつかっ!うわああっ」


 目を(つぶ)ったその瞬間、女神さまは教会の手前で急上昇し、すっと高層階のバルコニーのような場所に降り立つ。バクバクする心臓を抑えて、ぐらつく視線を女神さまに向けると、すでに部屋の中に入って行っていた。私がぼけっと突っ立っていると、女神さまが部屋の中から私を呼ぶ。


「どうぞ、入ってください!」

すみません、予告詐欺でした。なかなか時間が進まないですね。

物語の構成はできているのですが、いかんせん無駄な心情描写に時間を取られすぎて気がします。

もっと、ちゃちゃっとストーリーを進めるように頑張ります。

次回こそ本社訪問です。

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