2023年9月
将軍と宰相を主人公にファンタジーの世界を描きました。
愛用中の140字お題ガチャ
①https://shindanmaker.com/776155
②https://shindanmaker.com/386208
③https://shindanmaker.com/1108121
❶❷良いところは一日一個なところ!❸は何度でもできるところ! ❶❷のお題の言葉は直接本文中では使わない。❸は単語3つなので出た順に本文で使用。
9月はファンタジー強化月間
8月31日生まれが(あと1日遅く生まれてたら、ワイワイ祝ってもらえたのにな…)って思いながらSNSに「明日登校ダル」ってポストしたら「今すぐ来て」ってDMが届いて公園行けば、いつも仏頂面のヤツが三角帽被ってクラッカー、パン!「めっちゃ散らかるじゃん!」って笑い転げてコンビニケーキ食べる!
4:25 AM · Sep 1, 2023
『傷つけることしか出来ない』です。
長年続いた魔族と人間の間で続く戦争を終わらせる条件として末の王子を妃として娶ることをあげた。出来損ないと虐げていたくせに手放すのは惜しむなんて醜悪な人間たちよ。やっと手に入れた憧れの人に近寄ることはしない。魔王の自分が出来ることは一つだけだから。十分に傷ついた貴方にはしたくない。
5:57 AM · Sep 1, 2023
『追いかけるのには慣れている』をお題に、140字でSSを書いてください。
親父と同じ猟師として狩りに出かけ日銭を稼ぐ日々に飽き飽きしていた。旅に出るほどの金は作れないしどうしたものかと思ったら俺はツイてる。昨夜、森の奥で水浴びしていた見慣れない男は満月を見るなり狼に姿を変えた。鼻がいいのか、すぐに俺に気がつき姿を消した。気に入った。必ず仕留めてみせる。
6:12 AM · Sep 1, 2023
『魔法』『仕草』『罪悪感』 全部でもどれかでも。
得意な魔法は『魅了』だから、みんなにチヤホヤされて生きてきた。でもあの日僕が落としたハンカチを美しい仕草で拾った貴方を見てから、力を使えなくなった。だって僕を囲む奴らの気持ちは嘘だから。本当の恋はあんなに甘いもんじゃない。汚い感情と罪悪感に塗れて苦しんでばかり。知りたくなかった。
6:19 AM · Sep 1, 2023
今日のお題は『充分待ちました』です。
誰もいないはずの魔王の寝室の空気が動いた。 「王子、か」 「王子ではありません。あなたの伴侶です」 「形式上だ」 「では婚姻不成立として国へ帰ります」 やっと体調が整ったのにまた虐げられに帰るとは正気じゃない。 「許さぬ」 「では、失礼して」 一糸纏わぬ王子が魔王を見下ろした。 「さぁ」
4:09 AM · Sep 2, 2023
『緊急事態』をお題に、140字でSSを書いてください。
ケンタウロス界に激震が走った。同胞が人間如きに食べられたというのだ。 「なんとおぞましい」 豪胆で俊足を誇る半人半獣を屠るだけでなく、食うなど信じられない。 「ついにバレた」 「我らがコスパの良い肉であることが」 「しかも白米に合うとか」 「骨もいい出汁が出たらしい」 さよなら人間界。
4:15 AM · Sep 2, 2023
『優しくしないで』『羨ましい』『王国』 全部でもどれかでも。
同胞は皆逃げたのに、幼い自分は置いて行かれた。人間は食用としてケンタウロスを狩りにくるから、捕まった自分は万事休す。もう命もこれまで。 ところが人間はちっとも傷つけてこない 「優しくしないで」 「何でさ?ずっと羨ましいと思ってたんだ、ム○ゴロウ王国。お前も今日から俺の王国の一員だ」
4:23 AM · Sep 2, 2023·
『捨てたはずの想い』です。
「ずるいな」 思わずそう声に出しそうになった。 あれから何年経った? 学園で共に学んだ私たちが、実際には学友以上の親密すぎる関係を結んでいたなんて誰が信じるだろう。 敵国の将軍として命乞いはしないのにあの時と同じ瞳で宰相になった私を見つめるなんて。 「見せしめに晒すのがよろしいかと」
2:15 AM · Sep 3, 2023
『長く居すぎた代償』をお題に、140字でSSを書いてください。
格子越しの視線がいつか緩むんじゃないかと期待したくもなる。敗戦国の将軍として処刑が決まっても、執行の目処は長らく立たなかった。王の次に権限を持つ元恋人の宰相が慈悲をもたらすのを夢想するのも当然のことだろう。 「執行の時です。将軍、準備を」 残酷な現実を告げる声に甘さは少しもない。
2:25 AM · Sep 3, 2023·
『深海』『紅茶』『ファンタジー』 全部でもどれかでも。
「深海にご招待!紅茶を買った方の中から抽選ですってそれなんてファンタジー?!」 「いや普通だろ」 「深海だろ?紅茶買っただけで行けるの?本当に?」 「お前はちっとも慣れないな。こちらに転移してから何度季節が巡ったんだか」 「だって深海だぜ?!憧れる!」 「俺は学園の卒業旅行で行った」
2:28 AM · Sep 3, 2023
今日のお題は『ファーストキスは煙草の味』です。
8年?10年?もっとか。最悪の形で再会した俺たちが二人きりになることはなかった。 当然か。 片や宰相殿。俺は敵国の首でしかない。 歳を重ねても痩せぎすの身体は、相変わらず飯を食っていないからか? 優等生を揶揄ってやろうと掠めた唇の味を、今でも俺は覚えているんだ。 なぁ、宰相殿、お前は?
6:26 AM · Sep 4, 2023
『絶対的支配者』をお題に、140字でSSを書いてください。
『知の前に人は平等である』そう謳う学園は、自由で平和な校風で知られていたが、そんなのは幻想だ。各国要人の子息が集まり、平等?無理に決まってる。自由?力のあるものだけね。 争いを避け静かに隠れていた私を暴いた口付けが憎い。 かつてと逆転した力関係を示す格子越しに、よく知る顔を睨んだ。
6:38 AM · Sep 4, 2023·
『眩しいくらい』『見上げる』『強ばる』 全部でもどれかでも。
学園の片隅でこっそり紫煙を燻らすのが唯一の楽しみだった。ぼんやりと余韻を楽しむのには午睡がもってこいだから、その日も適当な場所に転がっていた。 音もなく、突然押し当てられた柔い感触に目を開ければ眩しいくらいに輝く金髪が頬を撫でた。見上げると強張る表情を浮かべた同級生がそこにいた。
6:48 AM · Sep 4, 2023
今日のお題は『残り2センチ』です。
「また髪の毛短くなった?」 「そだねー」 「髪の毛って魔術師にとって重要だと聞くけどいいのか?」 「良くない」 「会った時は腰まであったな」 「耳がでたら破門と師匠に言われた」 「もうやめとけって」 「仕方ないじゃん。失恋したら切りたくなる」 「俺と彼女みたいに一途になれよ」 「ばーか」
12:14 AM · Sep 5, 2023
『もう此処には来ないで』をお題に、140字でSSを書いてください。
いつだって乾いた表情のまま。教室の片隅で過ごすお前が妬ましかった。期待されないってさぞ楽チンだろうよ。お前が独り占めする平穏を壊してやりたかった。 それだけ。 重ね合わせただけの唇。お前から流れ込んだ煙の味が俺の舌を犯した。 壊れたのは俺の理性。冷たい瞳が再び唇を求めた俺を見る。
12:28 AM · Sep 5, 2023·
『悪者』『呼吸』『締めつける』 全部でもどれかでも。
二人きり。異常に重い手枷が背後で嵌められ、極端に歩幅の狭い鎖が足に巻かれた。悪者にお似合いの出立ちの出来上がり。 冷たい目をした宰相殿は俺の首を掴むと革ベルトを巻いた。ぎりぎり呼吸ができる強さで締めつける。 「さぁ散歩に出かけましょう」 冷たい声色の誘いは俺の返事など求めていない。
12:39 AM · Sep 5, 2023·
今日のお題は『赤い糸』です。
理由なんか知らない。体が動いていた。 無気力に寝そべるお前の唇をもう一度味わおうと必死だったんだろう。顔を背けようとするのを無理に追いかけたせいでお前を傷つけた。歯がぶつかり、柔らかな肉が切れる。不機嫌そうに身体を起こしたお前の口元から垂れた一筋の血。それが運命の証だったら良い。
2:03 AM · Sep 6, 2023
『甘い胸騒ぎ』をお題に、140字でSSを書いてください。
権力闘争に敗れた家の息子には、安らかに学園生活を送る権利などないのか。たった一人の楽園だった場所へ、我が物顔で入り込んでくるアイツに腹が立った。諦めて他の場所へ行ってもついてくる。図書室、カフェテリア、庭園の片隅。当然のような顔で気がつけば隣にいるアイツを見ると苦しくて仕方ない。
2:12 AM · Sep 6, 2023
『部活』『遍く』『振り払う』 全部でもどれかでも。
「部活動なんてまさに権力闘争の舞台じゃないか。自由と平等、なんていう遍く広まった大嘘を旗印に好き放題やる放蕩息子に嬲られるのがオチだ」 そう言って俺の腕を振り払うお前は傷ついた顔をしていた。 今のお前と同じ顔。どうして宰相になんかなったんだ?一番嫌いだったことだろう?何があった?
2:23 AM · Sep 6, 2023
『本気にしないよ、それでいい?』をお題にして140文字SSを書いてください。
仕事中はモニター越しにこちらを盗み見て、昼休みには「飯奢るから」と擦り寄ってくる。残業をしていれば、「忘れ物した」と差し入れを持って戻ってくるクセに指一本触れない。 「好きだ。困らせたくない」 泣きそうな顔でこちらを見たって騙されない。左手の薬指で鈍く光る安全帯を外さない限りは。
8:48 PM · Sep 6, 2023
『世界最後の日に』です。
「宰相殿自ら?」
将軍を刑場まで先導する役を申し出たところ、周囲から一瞬だけ怪訝な顔をされた。
「ええ。そうすることで、ようやく平和の世が戻ってきたと国民に強く印象づけられることでしょう」
「なるほど」
嘘。
最後に二人きりになりたかった。
だってアイツが永遠に失われる。俺の全てが。
12:24 AM · Sep 7, 2023
『見透かさないで』をお題に、140字でSSを書いてください。
暗い地下道をゆっくり進む。
刑場を目指す間に人影はない。
「お前でも心残りがあるんだな」
ずっと黙っていたのに、急に声をかけられたから、幻聴かと思った。静かに振り返るお前の視線は冷たいまま俺を射る。
「あぁそうだな。死ぬなら戦場が良かった」
いかにも将軍らしい言葉を返す。
「嘘つき」
12:31 AM · Sep 7, 2023
『心臓』『絵画』『腕をとる』全部でもどれかでも。
「どうせなら、お前に心臓をひと突きにされたい」
絵画に描かれた英雄の如く凛々しい表情を見せるから、まるで自分が悪役に思えてくる。
いや、今から俺は主君を裏切るのだから、悪役に間違いはないのか。
重い枷がはまった傷だらけの腕をとると耳元で囁いた。
「助かる道があるとしたら、どうする?」
12:44 AM · Sep 7, 2023
『勘違いしてもいい?』です。
俺は敵将なのに、ここから生き残る方法があるなんて信じられないだろう?普通だったら。でもお前が言うのなら俺は疑問など持たない。お前は決して嘘をつかないから。
ずっと冷たいままのお前の視線と、この申し出はちぐはぐだから俺に都合よく理解する。
「俺達は一蓮托生。お前の全ては俺のものだ」
12:29 AM · Sep 8, 2023
『君が欲しい』をお題に、140字でSSを書いてください。
昼寝中の人間の唇を無言で掠め取るようなヤツだ。畜生と言ってもいいだろう。人の尊厳を踏み躙る奴は同じように蔑まれるべきだから。見下し、嫌悪し、軽蔑しても、まだ足りない。それでも付き纏ってくる不快感に心が身体が支配されていく。こんなのは私の望みじゃない。私がアイツの全てを支配したい。
12:37 AM · Sep 8, 2023
『擦り寄る』『素肌』『離さない』 全部でもどれかでも。
死を目の前にした時に、共にあろうと擦り寄る相手なら、とっくに素肌を合わせ、もう二度と離さないとでも口内で囁き合えばいい。
でもお前は違うから。
嘘が嫌いなお前は、説明のつかないことを口にしたりしない。自分が納得のいかないことに一時の気の迷いで流されたり決してしない。
だから、だよ。
3:57 AM · Sep 8, 2023
『バレなければいいんだよ』です。
幼少期から妾腹であるせいで散々な目にあってきた。兄弟からの暴力、使用人からの嫌がらせ、数えればキリがない。誰も自分を守ってはくれなかったが、お陰で色々と学ぶことが出来た。彼らに感謝しているとは言わないが、そんな自分を不幸だとも思わない。
その結果君臨しているのだから。宰相として。
1:10 PM · Sep 9, 2023
『風邪を理由に』をお題に、140字でSSを書いてください。
妾腹に高等教育の機会など与えられない。最低限のマナーと常識を叩き込まれた後で、政敵を陥れる為の捨て駒として送られるはずだった。一番背格好のよく似た怠け者の兄弟を言いくるめて着る物を交換すればあとは簡単だった。いつだって彼は勉強をサボるのだから不在がバレるまでの時間は十分に稼げた。
1:19 PM · Sep 9, 2023
『閉じこめる』『キラキラ』『憐憫』 全部でもどれかでも。
己の中に渦巻く欲望を心の奥底に全て閉じ込める。それができたなら、お前の隣でも“キラキラ剣士様”でいられたのに。いつだってお前はひとりで強がって、憐憫を誘う背中をしているから、抑えることなどできなくなる。堪えきれないほどの責苦を与えれば、いつか「助けて」と縋ってくれると思ってたから。
1:53 PM · Sep 9, 2023
『なんとかは犬も食わない』です。
「そんなものじゃない」
何度否定しても、聞き入れられない。
視線一つで主張が通った宰相時代では考えられない雑な扱いに、思わず顔を顰めたって相手はどこ吹く風だ。
「いいじゃないの、贈り物ぐらいもらっておけば」
「金が無駄になるだろう……」
「そんなことで喧嘩してる方が無駄。新婚さん?」
8:21 AM · Sep 10, 2023
『だから言ったのに』をお題に、140字でSSを書いてください。
『なんとかは犬も食わない』で書いた話の女主人目線。
毎日買い物に来る青年は、一見冷たい印象を与えるが、話してみれば言葉遣いは丁寧で礼儀正しい。どう考えても庶民の生まれではないがこんな下町で暮らしているのだから何かあるのだろう。配偶者は朗らかな美丈夫だが二人は絶えず何か喧嘩をしている。
今朝の青年はまだ萎れている。
「時間の無駄よ?」
8:28 AM · Sep 10, 2023
『作りもの』『優しくしないで』『なんとなく』全部でもどれかでも。
「欲しいなんて言ってない」
そっけなく突っぱねるが、その怒った表情は作りものだとわかっている。やっと平和に暮らし始めても「優しくしないで」と顔を歪めることが多いから、つい甘やかしたくなる。
「やたらに贈り物なんてするな」
「これ見たら、なんとなくお前の顔が浮かんだんだよ。だめか?」
8:35 AM · Sep 10, 2023
『勘違いしてくれ』です。
刑場へと続く石畳の廊下で立ち止まる。
湿っぽい不快な空気の中、ふたりで向き合うが私は何も見てはいない。焦点をずらし、ぼんやりとした像を結ぶのが精一杯だ。学園時代にいつの間にか身について習慣で、頭に思い浮かぶのは若くて無責任な顔。虚ろな目が表すのは憐憫?後悔?慕情?私も知らないが。
6:44 AM · Sep 11, 2023
『目は見つめたままね』をお題に、140字でSSを書いてください。
あぁ、これだ。無防備なのに誰も内に入れない氷の瞳。感情を映さず、視線が合っているのに、交わった感触がない。もうずっとそんな瞳しか見ていないが、最初からそうだったわけでもない。わずかに映す感情の揺れが味わいたくて、顔を隠そうとする両腕を拘束し、脅迫するように関係を迫った過去がある。
6:53 AM · Sep 11, 2023
『口説く』『ふわりと』『ぴったりと』全部でもどれかでも。
今になって気がついた。どうして他の人間がするように、手順を踏まなかったんだろう。口説く言葉なら山ほど知っていたはずだ。もしもそうしていたのなら、あの強張った表情が緩んで、ふわりと甘い色がさしたのだろうか。意識を失わずともぴったりと俺に身体を寄せる時があったのだろうか。もう、遅い。
6:57 AM · Sep 11, 2023
『後悔しない?』をお題に、140字でSSを書いてください。
命が助かる可能性を国してみたが興味を示さないと思っていた。武を尊ぶ男が命に固執する訳がない。それなのに「条件は?」と応じてきた。
「小指を折れ」
剣士にとって翼をもがれるも当然の行為だ。それなのに、次の瞬間には鈍い音が響いた。二回。煽るように舌を突き出した顔は笑っていた。何故。
12:33 AM · Sep 12, 2023
【補足】剣を構える上で小指は柄頭に引っ掛ける重要な役割があります。サーベルのような柄の一部に護拳という半円状の鍔がついていれば小指がなくてもある程度戦えるとは思いますが、やはり力の入り方が違う。切先をコントロールする上でもやはり小指はなくてはならないと仮定しています。知らんけど。
『何よりも美しい』です。
力なく揺れる小指に痛みがないわけはない。それでもこの男は脂汗ひとつかかずに涼しい顔だ。
「まだあるんだろ?」
小瓶を投げれば難なく取ってしまう。
「顔を焼け。身代わりを立てる」
国一の美丈夫と言われた男だ。流石に辛いだろう。
「そんな事か」
久々に直視した顔には懐かしい笑顔があった。
12:45 AM · Sep 12, 2023
『ピースサイン』『素肌』『エアコン』全部でもどれかでも。
素早く目元を覆うとあっという間に小瓶の中身は顔の上でひっくり返された。肉を焼く嫌な匂いが立ち込める。
瓶を持った手はピースサインをこちらに向けた。弧を描いた口元はそのままに素肌はみるみるうちに爛れていく。顔を伝った液体は太い首筋へも流れ込んだ。かつて繰り返し顔を埋めた場所だった。
12:45 AM · Sep 12, 2023
【補足】ピースサインもエアコンもファンタジーにはそぐわないなと思いながら勝利を誇示する動作はどの世界にもあるだろと、ひとまずピースサインのまま入れたけど、もし書き直すなら削除して別の文言にしたい。この世界に魔力、魔術、魔物ありかなしか決めてないが二人には何の特別な力もないと良い。
今日のお題は『愛の代償』です。
死など怖くない。 そもそも生きたいと思ったことがあったのかどうかさえ怪しい人生だ。それでも数多の命を踏みつけて、進み続けた。それが戦乱で、戦うことが職務の一族に生まれたが故の道だった。 人生の最期を自ら選べるなんて幸運だろう? でもお前がいるのなら共に生きたい。他には何もいらない。
3:11 AM · Sep 13, 2023
『約束違反』をお題に、140字でSSを書いてください。
「何を、している?」 「さぁ?」 どこまでも勘に触る男だ。 何をしたってこちらの感情を逆撫でる。 枷を付け、指を折り、顔を焼いても、何もならない。 気がつけば後ろ手につけたはずの枷は外れ、私は壁際に追い詰められていた。 近付く唇が恐ろしい。 「あの日もう二度としないと言ったじゃないか」
3:20 AM · Sep 13, 2023
『寂寞』『限界』『見上げる』 全部でもどれかでも。
「あの日もう二度としないと言ったじゃないか」 苦々しく履き捨てた言葉にどれだけの威力があったのかはわからない。もしかしたら覚えているのは私だけかもしれない。それでも私はこの男の言葉に縛られ、寂寞とした夜を過ごしてきた。限界まで強く唇を噛み締め見上げる私の視線はお前の心を抉るのか?
3:37 AM · Sep 13, 2023
今日のお題は『最高で最低な』です。
記憶の中の痕跡を辿るので精一杯だったのに。 たった一瞬で書き換えられてしまう。 あの日よりも硬質になった輪郭、深く刻まれる皺、影が濃くなった瞳。満面の笑みから狡猾さは姿を消し柔和な愛情を伝えてくるとは無駄なことを。 もう二度と帰ってこない。敵国一の美丈夫が浮かべた最後の完璧な笑顔。
6:30 AM · Sep 14, 2023
『ただいま』をお題に、140字でSSを書いてください。
自分の顔に興味などない。 それでも、武を尊ぶ美の化身、神に愛されし存在といらぬ二つ名がばかりが増えた。 だから、なんだ。 肉を焼かれる痛みなどどうでも良い。 目の前にある唇を味わえない地獄に比べたら。 思い切り伸ばした舌で合わせ目を辿る。 記憶通りの形、大きさ、柔らかさ。俺の帰る場所。
6:45 AM · Sep 14, 2023
『映画』『視線』『ウソツキ』 全部でもどれかでも。
【補足】 映画は流石に不似合いなので、物語に変更。
子ども向けの物語はいつだって愛を説く。 視線が交差するだけで始まる恋。高鳴る鼓動、甘酸っぱい感情が通じ合い、やがて愛になる。 世界はウソツキ。 そんなものはなかった。 視線が交差して始まったのは地獄。鼓動は止まる寸前まで暴れ、ぶつけ合ったのはドス黒い感情で、憎しみを生んだだけだった。
6:52 AM · Sep 14, 2023
今日のお題は『傷つけるのが怖かった』です。
ぬるりと表面を撫でられたのは一瞬のこと。 熱い吐息が吹きかけられて離れていった。 いつだって食い尽くすような口付けしかしてこなかったくせに。 軽蔑の眼差しを向ければ不似合いな穏やかな顔で小首を傾げた。 「不満か?」 「命乞いのために口付けまで卑屈になるか」 「まさか。お前の唇が焼ける」
1:43 AM · Sep 15, 2023
『期待したのに』をお題に、140字でSSを書いてください。
今思えばずっと俺にとって特別な存在だったとわかるが、当時は微塵も理解していなかった。 若さとは馬鹿さだとはよく言ったものだ。 歳を重ねて死に直面して、初めて気がつくなんてありきたりすぎる。 どんなに踏み付けられたって唯一だったお前みたいだったら良かった。 俺だって特別になりたかった。
1:50 AM · Sep 15, 2023
『奏でる』『純情』『時計』 全部でもどれかでも。
【補足】設定を決めていないせいで、時計のある世界なの?という疑問が浮かんだので、時を計るに変更。
どんなに優れた演奏家が愛をテーマに楽器を奏でることがあってもお前が初めて純情を見せたあの夜の声には及ばない。互いに全てを失ったからこそ邪な心を捨て去り生まれた感情だったのか、ずっと押し殺してきた物なのか。時を計るよりもお前の心の機微を推し測ることが俺の人生の全てになるに違いない。
2:28 AM · Sep 15, 2023
今日のお題は『悪い子だ』です。
そんな言葉には縁がなかった。 妾腹というだけで人間以下の扱いを受けていた自分は、誰の視界にも入っていなかったから。 再会後は甘い言葉ばかりをかけてきたお前が初めて冷たい声を出した。 買い物先にいた娼婦が戯れにつけたキスマークをあっという間に見つけると、私の両腕を掴み壁に押し付ける。
1:41 AM · Sep 16, 2023
『未来永劫』をお題に、140字でSSを書いてください。
泣いても、叫んでも終わらない責め苦は、それでも気持ちが良いから、望んだ罰には程遠い。 甘い声も、優しい言葉も、私には不似合いだから、酷い言葉と痛みを与えてほしい。 「こんなことは二度とあってはならない。俺はお前に何をするかわからない」 「望むところだ」 「いっそ閉じ込めてしまいたい」
1:47 AM · Sep 16, 2023
『どうか』『以上』『鎖』 全部でもどれかでも。
「どうかこれ以上酷いことをさせないで欲しい」 そう言ってお前が項垂れる姿を見ても心など傷まない。 なぜそんなに打ちのめされるのかわからない。だってそうだろう?お前の誇りを美しさを奪った私にすべきことをしているのだから。 早く使って欲しい。 お前が重たい鎖を買ったことを私は知っている。
1:52 AM · Sep 16, 2023
『返信まで20分かかった』です。→『返事まで20分かかった』に変更しています。
「そんなに難しい質問したか?」 「……」 「お前、宰相だったんだろ?」 「国のことを決めるのは簡単だ」 「いやいや、絶対上着の色を決める方が簡単だって!」 「決めるのは簡単だった」 「じゃあなんで俺はあんなに待たされたのかな」 「…お前の髪の色だから言うのが恥ずかしかった」 (かわいい)
1:45 AM · Sep 17, 2023
『表裏一体』をお題に、140字でSSを書いてください。
あの男を思って、眠れぬ夜が確かにあった。 ひとり寝台の中で昼間のことを思い出し、奥歯を噛み締める。胸の奥でどす黒く渦巻く感情の名前はわからず、ただひたすらに不快でたまらない。 それなのに、自分の意思とは無関係に身体は熱を帯びた。 全ての元凶はアイツにある。 黒い感情と身体の火照り。
1:55 AM · Sep 17, 2023
『ペット』『可愛い』『死ぬまで』 全部でもどれかでも。
ペットを飼うのも良いかもしれない。可愛い猫、やんちゃな犬、美しく囀る小鳥も良いかもしれない。人間の手が必要な命がそばにあれば、生きる希望となるはずだ。死ぬまで一緒に世話をしようと言ったら、アイツはその意味に気がつくだろうか。頭の硬い元宰相殿はそんな遠回しじゃ分かってはくれないか。
1:59 AM · Sep 17, 2023
『バチが当たった』です。
肩書きのない余所者二人の暮らしはギリギリだ。
昔のように職人を呼びつけ服を仕立てることなんかできない。それでも比較的良い品を取り扱う古着屋で、アイツが選んだ色の上着を見つけた。俺の髪の色。
少しでも綺麗にしたかった。それだけなのに洗ったら縮んで硬い無惨な姿に。毎日幸せすぎるからか。
12:14 AM · Sep 18, 2023
『曖昧な態度』をお題に、140字でSSを書いてください。
肩掛けだけでは心許ない季節になった。
良い店があるんだと勇んで上着を買いに行ったが、何日経っても渡されない。
正直にアイツの髪の色だなんて白状しなければ良かったか。一緒に過ごしているからと思い上がった自分が恥ずかしい。
「上着は必要ないから」
そう告げれば、黙ったまま何も言わない。
12:24 AM · Sep 18, 2023
『魔法』『タイムリミット』『カーテン』 全部でもどれかでも。
俺は魔法使いじゃないから、台無しになった上着を元には戻せない。下がる気温にお前は鼻の頭を赤くしているからタイムリミットは迫っていた。
「すまん」
上着を巡ることの顛末を告げたらてっきり呆れられると思ったのに、お前は一瞬目を見張った後で泣きそうな顔になる。
「カーテンでも巻いとくよ」
12:29 AM · Sep 18, 2023
『手のひらに収まる思い出』です。
ただの戯れだったに違いない。
それでも私にとっては特別な宝物。
逃避行の最中、心身の疲労は最高潮に達していた。
食べて眠って移動して、生きるだけで精一杯だった。
「これ、やる」
あの男は河原の水浴びから戻ると、何かを手のひらに握らせた。角の取れた紺碧の小石がひとつ。
「お前の瞳の色だ」
5:12 AM · Sep 19, 2023
『わかった気がした』をお題に、140字でSSを書いてください。
恨み、憎しみ、嫉妬、逆恨み。
私があの男に抱く重苦しい感情に名前をつけるなら、このどれかだろうと思っていた。
人を好き勝手振り回すからいつだって目を離せない。
「お前の瞳の色だ」
そう言ってあの日くれたちっぽけな石を手放せないから、自分の気持ちはあのどれでもない何かなのかもしれない。
5:17 AM · Sep 19, 2023
『羨ましい』『リップ』『寄せる』
全部でもどれかでも。
ふたりで酒場で飲んでいれば、娼婦が自らを売り込みに来た。ゆるゆると首を振って断れば、意味ありげな目配せをした後で「羨ましいこと」そう笑って離れた。
リップサービスに決まってるとわかっているが、私はこれ見よがしにアイツの首筋に唇を寄せる。
「は?!」
「今夜は少し酔っているだけだよ」
5:22 AM · Sep 19, 2023
『レモン味』です。
船旅をしたこともある。船内で買うと高いからと言って保存食を買い込んで行ったが、その中には干し肉や乾燥パンと意外なところで大量のレモンもあった。「船上病の予防になるらしい」丸ごと齧らされるのが嫌だった。逃げ場のない海の上に怯える私に「追っ手もいないんだぞ」とアイツは唇を重ねてきた。
12:26 AM · Sep 20, 2023
『助手席のいたずらっ子』をお題に、140字でSSを書いてください。
宰相だったから体力がないのはわかっていたが、予想以上に貧弱だった。それでも1箇所にのんびりしている訳にはいかず、馬を借りたこともある。前に乗せると胸に寄り掛からせ移動した。熱に浮かされていたが、終始上機嫌。こちらの両手が塞がってるのを良い事に、首筋に息を吹きかけて笑っていた。
12:35 AM · Sep 20, 2023
『踊る』『痛み』『なぞる』
全部でもどれかでも。
主君の望むように踊るのが臣下の務めで、そこに痛みがあろうがなかろうが関係ない。あの日、将軍が捕虜として連れてこられると聞いて、すぐに軍部への引き渡しを考えたが「懐かしいだろう?」と微笑む主君の狙いをなぞるなら、それは間違いだと悟った。因縁の相手に私が引導を渡すのを見たいのだろう。
12:44 AM · Sep 20, 2023
今日のお題は『君の全てが欲しい』です。
初めて出会った学生時代から、お前はいつも顰めっ面か、生気の無い顔をしていた。だからあの日俺が自分自身を傷つけるのを見て顔を歪めるお前に興奮した。
旅の最中に時折見せる困惑も悔恨もお前の一部だから嬉しくて堪らない。
でも本当は熱に浮かされた時にだけ見せた上機嫌な顔をもっと見ていたい。
1:33 AM · Sep 21, 2023
『見てはいけなかった』をお題に、140字でSSを書いてください。
余りに長く一緒の時間を過ごしていたのが悪かった。お前はいつだって朗らかで、私に優しい視線を向けるから、少しずつ過去を忘れ、未来なんか思い描くようになる。
でもそんなの許されない。
独り窓辺でタバコを吸うお前はかつて小指があった場所を一撫でした。一瞬だけ見せた暗い表情が全てを物語る。
1:40 AM · Sep 21, 2023
·
『ボタン』『咲く』『魔法』
全部でもどれかでも。
ある日を境にアイツは再び表情をなくした。一緒にいる筈なのに遠く感じる。ボタンをかけ違うように全てが上手くいかない。あと少しで花咲くように笑う姿が見られる気がしていた。俺に魔法が使えたなら、すぐに心を解きほぐすことができるのに。またアイツが発熱すれば良いと願ってしまう俺は人でなし。
1:50 AM · Sep 21, 2023
·
『さいごまで』です。
体力の余った若い男のやりたいことなんて一つに決まっている。
「男同士は途中までしか出来ないから」
とお前は言うから、あぁずいぶん恵まれた人生を送ってきたんだなぁと別の生き物を見ているようだった。
なぜ、私ばかり?
お前の出自に嫉妬して、魔が差した。
「もし出来るとしたら、どうする?」
12:55 AM · Sep 22, 2023
『一夜限りの』をお題に、140字でSSを書いてください。
「は?」
いつも黙りのお前が珍しくそんなことを言い出したから耳を疑った。
「だから、男同士で最後まで出来るとしたらどうするかと聞いたんだよ」
閨教育は済ませていたから男女の営みはわかっている。
それを男同士でするのか。
「お前知ってるのか?」
答える代わりに口端が上がる。
相手はまさか
1:01 AM · Sep 22, 2023
『罪悪感』『消える』『チョコレート』
全部でもどれかでも。
何を考えているかは知らないが自分の言葉で相手が困惑するのを見るのは気分が良い。思わせぶりな表情を一つするだけで混乱の坩堝へ真っ逆さま。罪悪感なんかあっという間に消えるのだ。チョコレートだって食べ過ぎれば当たり前になるだろう?罪だって重ねすぎれば日常になり、悪いなんて思わなくなる。
1:13 AM · Sep 22, 2023
『嘘つき共の夜』です。
「さぁな」
せっかく男同士の色ごとで揶揄ってやろうと思ったのに素っ気ない答えにがっかりした。
「未来の将軍様はお綺麗なことで」
「無気力な不良には負けるよ」
「あんな生産性のない事、時間の無駄でしょう」
青かった二人の強がりは二十年後まで尾を引いた。この結末を誰が想像できただろう。
12:26 AM · Sep 23, 2023
·
『おかえりなさい』をお題に、140字でSSを書いてください。
自分が当たり前に受けてきた教育がどれだけ貴重なものだったか、逃亡生活をしなければわからないままだった。顔を隠した素性の怪しい男であったって、読み書きを教えると言えば老若男女問わず人が集まった。仕事を終えたらまっすぐ帰宅する。いつだって暖房をつけずに台所に居る伴侶の声を聞くために。
12:34 AM · Sep 23, 2023
『今さら』『コレクション』『ねえ先生』
全部でもどれかでも。
何年経っても家で帰りを待つのは心細くて堪らない。今さら追っ手など来ないと分かっていても、自分たちが君主のコレクションに加えられる気がして眠れない夜がある。ドアが開く音がして振り返れば「ただいま」と目を細める姿にため息が出る。
「ねぇ先生、今日はどんな一日でした?」
「いつも通りだ」
12:41 AM · Sep 23, 2023
今日のお題は『嘘吐きの恋』です。
「どうした?」
「なんでもない」
やけに勘の鋭い男と暮らすことは厄介だ。
宰相であった時は誰にも感情の裏を読ませなかったのに、最近は上手くいかない。
朝食が済めば、アイツは仕事に出かけていく。
これが今生の別れになるかもしれないと暴走した頭はアイツを眺めることをやめられない。馬鹿だ。
12:19 AM · Sep 24, 2023
·
『嘘に隠された真実』をお題に、140字でSSを書いてください。
お互い朝方に活動する人間で良かった。仕事に行く前のひと時を共に過ごすことができる。
宰相だった男が敵国の元将軍のために朝食を準備するなんて誰が想像できるだろう。俺だけが知る事実に顔がニヤける。
「何でもない」と言うが出発前になると瞳が不安に揺れ始めるのを隠しきれていない。どうした?
12:31 AM · Sep 24, 2023
『撫でる』『振り返る』『部活(仕事に変更)』
全部でもどれかでも。
嫌がるのはわかっていたが、つい手が伸びた。
不安に揺れる瞳を宥めるように髪を撫でる。
返って緊張に身体を硬くしたからやめた。
無言で玄関を出たが、数歩進んだところで振り返る。戸口に立つ影の口が声を出さずに動いた。
(仕事、気をつけて行ってらっしゃい)
いつか声に出してくれるだろうか。
12:39 AM · Sep 24, 2023
『食べてしまいたいくらいに好き』です。
「ひっ」
外出中に珍しくアイツが悲鳴をあげた。
冷静沈着でどんな時も眉ひとつ動かさなかったアイツが珍しい。
子どもが冗談で猫の顔を口に入れようとしたのにびっくりしたらしい。
「それくらいするだろ」
「しない」
「俺だってよくしてるだろうが」
奴の耳元に唇を寄せて囁く。
「夜、寝台の上で」
2:14 AM · Sep 25, 2023
『笑顔でさよなら』をお題に、140字でSSを書いてください。
将軍として指揮した時代は多くの若者を指導し戦場へ引き連れて行った。一人前に育てた筈なのに、俺に教えを乞うた人間は次々に散っていく。別れの言葉なんて交わす暇もない。
読み書きを教えるようになって幾人も見送ったが、誰もまだ散ってはいない。高い賃金を求めて大きな街へ行く彼らにエールを。
2:22 AM · Sep 25, 2023
『王子様』『ニヤリ』『桜』
全部でもどれかでも。
学園時代の思い出に良いことなんて一つもないと言ったら驚かれた。
「陰でなんて呼ばれてたか知らないんだ?」
「知らない」
「王子様」
ニヤリと意味深に笑う。
「色が白いからアソコも桜色なんじゃないかって話題だったから、もっといやらしい色だって言っておいた」
ほらみろ、最低最悪じゃないか。
2:31 AM · Sep 25, 2023
今日のお題は『願えばいつか』です。
「いつも先生にはお世話になっているから」
そう言って見知らぬ婦人は、こちらの困惑をよそにカゴいっぱいの果物を押し付けてきた。
将軍であった時も、何者でもない今も、お前は人を育てるのに、私は奪ってばかりだ。お前から奪った美貌と誇りを取り戻せるのならなんでもするのに。もう何もいらない。
12:59 AM · Sep 26, 2023
·
『信じてるよ』をお題に、140字でSSを書いてください。
見慣れないカゴが食卓にあった。どんなに勧められてもお前が買わない果物が盛られているから、誰かからのお裾分けか。
「食後に剥こうか」
そう言うお前の表情は暗い。
何を悩んでるか口にしないが表情に出すようになっただけでも前進したと思う。
俺達が人生を分かち合う真の伴侶となる日は必ず来る。
1:14 AM · Sep 26, 2023
『おかしい』『雨』『耽美』
全部でもどれかでも。
「こんなの、おかしい」
ポツリと呟いて雨の降る窓の外を見る。
たまには出かけようと連れてこられたのは遠方で、泊まることになった宿は耽美主義の極みの様な部屋だ。
「たまには贅沢するのも良いだろう」
「一人でやってくれ」
頼むから私を楽しませようとしないで欲しい。
欲しいのは罰だけだから。
1:22 AM · Sep 26, 2023
『甘い初恋』です。·
「先生……‼︎」
二人で買い物中に背後からの呼びかけに振り返れば、目を輝かせた少女が立っていた。
「こんにちは」
急に他所行きの表情になるから静かにその場を離れた。
視線を彷徨わせながらも必死に顔を上げて話す少女の表情は眩しい。
熱い感情を向けられてお前は何を思う?
私にはわからない。
12:26 AM · Sep 27, 2023
『一人にしないで』をお題に、140字でSSを書いてください。
せっかく二人で出かけているのに邪魔が入った。すぐに済ませようと思ったのに、お前は勝手に離れていく。
俺が気が付かないとでも思ったのか?
「気をつけて帰りなさい」
優しい言葉も柔らかな物腰も、月謝の範囲内でそこに意味はない。
陰でひっそりと息をつく伴侶を腕の中に囲い込む。
「逃げるな」
12:32 AM · Sep 27, 2023
『チョコレート(砂糖菓子に変更)』『ドーナツ(揚げパンに変更)』『夜空』
全部でもどれかでも。
がっちりと両腕に囲われて、どうすることもできない。上から降ってくる不機嫌そうなため息に顔を顰めたところで解放される望みは薄い。肩越しに眺める街は賑やかで、砂糖菓子や揚げパンを売る屋台に人が集っている。
急にドーンと大きな音がして夜空が明るくなった。
「お前に花火を見せたかったんだ」
12:41 AM · Sep 27, 2023·
ジャックとハニーのR18アンケートへのご協力大感謝140字を書きました!『締めつける』『おまけ』『下着』 全部でもどれかでも。
身体を締め付ける服は好きじゃない。最近の服はオーバーサイズなので嬉しい限りだ。ジャックは少し不満そうだけど。 おまけ付きと書かれた下着のパックを買ったら、どう考えてもおへそが出るミニTシャツがついて来た。どうしよう、今夜着たら喜ぶかな?なんて一瞬だけ考えた事、ジャックには絶対秘密。
5:54 PM · Sep 27, 2023
下着への肌触りはこだわりたい!コットン100%だけどシルクみたいにつるりとした商品を見つけてからはそれ一筋だ。おまけにハニーにもその商品を試してもらえたから嬉しくて仕方ない。ハニーは締め付ける服が嫌いなのは知ってるけど一度で良いから見てみたい。ピタピタの服をプレゼントしちゃおうかな。
5:54 PM · Sep 27, 2023·
『まるで神様のよう』です。
綺麗なものを見るたびに、美味しいものを食べるたびに、心が苛まれる。私は人から奪うばかりなのになぜ喜びを享受できるというのか。
「綺麗だな」
花火を見に来たくせに私の顔を覗き込む。
「振り返って見たらどうだ」
「瞳に映ってるのでいい。花火に照らされたお前は、跪きたくなるほどに美しい」
12:35 AM · Sep 28, 2023
『連れてってよ』をお題に、140字でSSを書いてください。
「行きたいところがある」
「どこへでも行けば良いだろう」
「そこで知りたいことがある」
「好きにしろ」
「いいのか?」
痩せた胸の真ん中を人差し指で突いた。
「何だ?」
訝しむお前はきっと許してはくれない。
「お前の胸の内が知りたい。何を抱えている?何を思い煩っているか、全て知りたい」
12:40 AM · Sep 28, 2023
『ふわりと』『唇』『涙』全部でもどれかでも。
周りの人間は花火に夢中なのに、私たちは向き合ったまま黙り込んでいた。
胸の内を知りたい?
黒くて汚い感情は、胸の奥底に閉じ込めておくべきだろう。
ふわりと表情が和らぐと、引き攣れた唇が動いた。
「お前が愛しいよ。孤独に足掻くお前が愛しい」
ぱたり、と胸元に溢れたのは涙なんかじゃない。
12:47 AM · Sep 28, 2023
『愛で満たして』です。
「胸の内?」 戸惑うお前を見て自分のエゴに罪悪感を感じないわけじゃない。それでも俺はこれがお前の幸せのためにも必要だと信じている。 「何がしたい?何が好きで、何が嫌いか。何を望むのか。そういうことが俺は知りたい」 「罰を。生きている罪への罰を望む」 空っぽなお前の心を俺は満たしたい。
1:12 AM · Sep 29, 2023
『未来永劫』をお題に、140字でSSを書いてください。
妾の子だ。生まれた時から人のものを掠め取っていた。生きる為に人の人生だって横取りした。 どれも他の手段はなかったと思うが、お前のことだけは別だ。美貌と誇り。宰相として責務を果たしていたくせにどうして他の方法を思いつかなかったのか。 「許さなくて良い。罰してほしい」 「絶対にしない」
1:16 AM · Sep 29, 2023
『頬』『滴る』『蔑む』 全部でもどれかでも。
「どうして」 お前は振り絞るような声を漏らしながら、頬を滴る雫をこぼし続けた。 やっとだ。他人を蔑むふりをして壁を築いてきたお前の内側が見えた気がする。 幼い時から重ねてきた罪悪感と後悔に押しつぶされそうお前の危うさを俺は救いたい。 これは同情なんかじゃない。執着か、愛情か。両方か。
1:23 AM · Sep 29, 2023·
お題は『さよなら、好きでした』です。
「お前に必要なのは、罰じゃない」
雨でも降っているのかと思うほど顔が濡れる。
全て自分の目からこぼれているなんて信じられない。
「じゃあ、お前から貰えるものは何もないじゃないか」
欲しい。欲しくて欲しくて堪らない。お前から欲しかった。何も貰えないなら居られない。
腕の中を抜け出した。
12:49 AM · Sep 30, 2023
『眠れる姫君』をお題に、140字でSSを書いてください。
一瞬の隙をついて、あいつは俺の腕の中から逃げ出した。
「待て!」
打ち上がる花火と興奮した人々の喧騒に俺の声はかき消される。
それでも、再び失うわけにはいかない。
あの日、学園の庭で初めて見た時からずっと、ずっと心の中にいるのはお前だけだから。
ひっそりと眠る姿は今も焼き付いている。
12:55 AM · Sep 30, 2023
『憐憫』『届きそう』『走った』
全部でもどれかでも。
あいつの優しさの根幹にあるのは憐憫の情だから、勘違いしちゃいけない。思いが届きそうなんて幻だから、逃げ出しどこまでも走った。ふらふらと騒がしい街をあてもなく彷徨ったが、結局どこにも行けない。
すっかり見慣れた扉の前に座り込む人影に気がついたら、未来を信じたくなった。
「おかえり」
1:07 AM · Sep 30, 2023
ちゃんと着地できて感動しました。
ゆっくり時間が取れるようになったら、まとめてお話を書きたいと思います。