2023年8月分
94本
『足音が聴こえる』をお題に、140字でSSを書いてください。
何をしても一番だった。頑張れば頑張っただけ自分の望む姿に近づけたから、お前は良いなと羨む奴らを怠け者なんだと思っていた。そう、馬鹿にしていたんだ。 四十手前で倒れて体の自由が効かなくなった。頑張っても何もできない。動けないのに眠れない。目を閉じれば馬鹿にしていた奴らが迫ってくる。
12:51 AM · Aug 1, 2023
『ロマンチック』『離さない』『夜空』 全部でもどれかでも。
ロマンチックな物語が大好き。あなたが「離さない」と熱っぽく囁いて、星が降ってくるような夜空の下、結ばれるのが理想だったの。飛び交うミサイルの光しか見えない空の下で、もう瞼が閉じられないあなたの瞳を眺めている。降ってきた瓦礫で私たちの体は潰れて一つになった。囁きだけが足りないね。
1:08 AM · Aug 1, 2023
暗闇は嫌いなのに夜空は好きで、一緒に星を見たがる君は強がっているけど怖がりだ。「あなたが転ぶから離さないだけ」と力任せに握ってくる手は、いつも汗ばんで冷たい。本当はロマンチックな雰囲気の中で指輪をプレゼントしたいが、君は嫌がるだろうか。遠くに嫌な光が見えた。今夜はやめておこうね。
1:08 AM · Aug 1, 2023
『嗤う』『シャワー』『指輪』 全部でもどれかでも。
貴方は俺の笑顔が好きだいうお馬鹿さん。あれ、嗤う顔だよ。相手は誰だと思う??俺は未だ会ったことの無い誰かさん。だけど貴方はよく知るあの人だよ。貴方がシャワーを浴びている間に送っちゃおうか。ポイっと外された置き去りの結婚指輪を嵌めた俺の写真。初めまして俺の好きな人の好きだった人。
7:42 PM · Aug 1, 2023
会社で外してくれば良かった。指輪の痕が消えるようにシャワーを浴びながら強く擦ってみる。気休めなのはわかっているが、可愛いアイツには見せたくない。控えめで苦労をかけてばかりの恋人は優しい男だからきっと傷ついてしまう。すぐに自分を嗤う妻とは大違い。もっと早く会えていれば良かったのに。
7:50 PM · Aug 1, 2023
『甘い胸騒ぎ』をお題に、140字でSSを書いてください。
夏休みの登校日、久しぶりに会った君は様子がおかしい。普段だったら、パタパタとご機嫌な足音が姿を見せるより先に君の登場を知らせるのに、今日は聞こえなかった。 「花火大会に誘ったんだけど、振られちゃった」 「……じゃあ、今年も一緒に行こうか」 項垂れる君の隣で、僕は緩む口元を押さえた。
12:45 AM · Aug 2, 2023·
『慕情』をお題に、140字でSSを書いてください。
貴方の鍛え上げられた身体に鞭をふるい、水をかけ、熱した金属を押し当てる。密室に二人きりなのに自由はない。終わりのない責苦だけが私のあげられるものだから、決して死なないで。いつまでも私を憎んで罵って。汚物を見るような視線も、吐きかける唾も、みんなみんな宝物。いつまでも終わらないで。
12:51 AM · Aug 3, 2023
【補足】国語辞典は「(異性を)慕わしく思う気持ち」とあるのに和英には「得がたいものに対する強いあこがれ love」とあったので、こんなことになりました。
『ごっこ遊び』『以上』『視線』 全部でもどれかでも。
やっとできた彼女に幼馴染がはしゃぐから「ごっこ遊びだろ」と憎まれ口を言ったことは覚えている。だって俺のが先に会ってずっと好きだったのに、男ってだけで友達以上になれないから、意地悪ぐらい言ってもいいと思ったんだ。いつもの軽口なのにアイツの視線が怒りを孕む。もう友達でもなくなるのか。
1:21 AM · Aug 3, 2023
ガキの頃からずっと一緒だから、お前の視線が熱を孕んで、俺を盗み見るようになったのはすぐにわかった。男同士である以上、大っぴらには出来ないだろうけど、それでも良いからお前から言って欲しかった。俺に彼女が出来たと嘘をついてもまだダメか。友達ごっこ、遊びの時間はもうおしまい。覚悟しろ。
1:21 AM · Aug 3, 2023
今日のお題は『好きです、多分』です。
しかめっつらで、愛想はなくて、目も合わない。感じが悪いのに彼が気になった。とにかく気持ちを伝えたい!心を決めたところで聞こえて来た噂話。あの子、アイスらしいよ。もし自分が運命の相手だったら彼は溶けちゃう⁈一世一代の告白は予防線付き。カッコ悪いが仕方ない。一緒にいたい、消えないで。
6:21 AM · Aug 3, 2023·
【補足】 アイスバース:アイスと呼ばれる人間は運命の相手と両思いになると溶けて消えてしまうという世界の設定。 仲良くもないのに自分が彼の運命の相手かも!とのぼせあがってるクラスメイトの心情。私が思う青春は、前のめりで勘違いの詰め合わせなので焦りまくって黒歴史を大量生産してほしい。
『よかったね』『静かに』『心臓』
全部でもどれかでも。
今年もいつもと同じ夏になる。プール、アイス、宿題、昼寝、花火大会……。隣にいるのは生まれた時からずっと一緒の幼馴染で、と思ったらアイツの「彼女できた」の一言で白紙になった。なるべく静かに「そっか」と言ったが、うまくいっただろうか?止まれ、心臓。うるさくて何も考えられないだろうが。
スマホに表示された『今なにしてるの?』というメッセージを面倒くさいと思った。初めて彼女が出来たのに、どうしてちっとも面白くないんだろう。カーテンを開けて隣の窓に手を振れば「来るか?」と声がかかる。「落ちんなよ」って言いながら助ける気のない感じ。コレコレ。コイツの隣は居心地が良い。
↑
いやいや一個もキーワード入ってない
やり直し
↓
「心臓がドキドキするばかりが恋じゃない」幼馴染が言うから彼女を作ってみた。静かに読書したいのに、しつこく話しかけられ、顔を上げれば、「別に」ってウザすぎる。「付き合わなければよかったね」早く帰ってアイツの部屋で漫画の続きを読みたい。アイツはゲーム、俺は読書。各自満足。それで最高。
6:08 PM · Aug 4, 2023
『手招く』『半袖』『追わないの?』 全部でもどれかでも。
道でばったりアイツに会った。隣には出来立ての彼女。「ゲーセン行かね?」手招く俺に簡単に乗ってくる。「また友達優先するの?!サイテー」半袖から伸びる腕が震えていた。「お前も来ればイイじゃん」鈍感。火に油注いでんだよ。「追わないの?」「なんで?俺お前とゲーセン行きたいし」最高だな。
「手に入らないものは追わないの」そんな冷めた子だからお飾りの彼女にはもってこいだと思ったのに違ったらしい。また次を探さなきゃ。片思いの相手は手招く俺を素通りするようなヤツだから、俺は人気があるって思わせたい。いつも澄ましやがって。半袖が着られないくらいメチャクチャにしてやりたい。
9:00 PM · Aug 4, 2023
今日のお題は『涙が止まらない』です。
完全に油断をしていた。だって滅多に巡り会わないから。「何飲みたい?」って友達が聞いてきたから「なんでも良いよ」って答えたの。普通コーヒーお茶系、炭酸系、果物系じゃん?なんでだよ。なんでルートビアなんか買うんだよ。なんでもねぇよ。アメリカ留学中の話なんか絶対しない。もう全部忘れた。
11:40 PM · Aug 4, 2023
『後悔しない?』をお題に、140字でSSを書いてください。
最初から終わりがわかっていた。だって未成年同士太平洋挟んだ遠距離なんて絶対無理ゲーだろ。Mangaでよくあるのは奇跡だからで現実は厳しい。余裕ぶって、口にした言葉は震えていたけど、ネイティブじゃないからきっと気がつかなかった筈。あいつは頷いたけど、本当?俺は後悔してる。手を離した事。
11:46 PM · Aug 4, 2023
『高嶺の花が欲しい』です。
幼馴染って一番近くにいるようで遠い。お互いをよく知りすぎているから存在が日常になって視界に入らないのだろう。アイツの特別になりたい。思わず追いかけたくなるレアで手の届かないヤツだと思わせるにはどうしたら良い?みんなが欲しがる様を見せつければ良いのか。SNSでバズ?うん。裏垢作るわ。
11:17 AM · Aug 6, 2023
『時間差攻撃』をお題に、140字でSSを書いてください。
スヌーズ一回分寝坊したら、恋人にプリンを食べられた。ゴメン、と泳ぐ目にウッカリではないと悟る。久しぶりにお互いキレ散らかして喧嘩別れした。不貞寝しようとベッドに戻ったのは失敗。2人分の体臭に1人で包まれる心細さに俺は白旗をあげる。『帰り何時?』メッセージを送信すれば俺の負け、確定。
11:32 AM · Aug 6, 2023·
『告白』『じっくりと』『波』 全部でもどれかでも。
喋ったことのない奴に急に告白されたって困る。しかもお互い男だぞ?「君が嫌がる事は何にもしないから付き合おうよ。友達みたいなもん」人の良さそうな笑みに断りきれず頷いてしまった。「じっくり僕を知って?」ちろりと唇から彼の赤い舌が覗けば急に俺の心は波だった。そんなつもりはない筈なのに。
友達みたいなものって、君は何を想像している?まずは快楽の波に飲み込まれて、それが大好きだって認められるようになろうね。時間をかけてじっくり身体に教え込んであげる。それが日常になったらお別れの時。今度は君が僕に告白する番だから、一生懸命探してね。僕は隠れん坊が得意だから頑張って。
12:17 PM · Aug 6, 2023
今日のお題は『君と心中』です。
「もう全部クソだな」
「じゃしんじゃう?」
「は?」
「だって嫌なんしょ?」
「そうだけど」
「じゃ一緒にしんじゃお」
「なんでお前もなんだよ」
「…なんとなく?」
「何それ。…腹へった。飯行こ」
「…なんだ」
「なんか言った?」
「いや」
心中するのと一緒に生きるのどっちが愛なんだろうね。
7:38 PM · Aug 6, 2023
『気にしないで』をお題に、140字でSSを書いてください。
「……っ、は、あぁ…」
「スマホ鳴ってる」
「だか、ら?」
「いや、だってさ。急ぎかもって」
「今何してるかわかってる?」
「もちろん!」
「じゃ、コッチ集中しろって」
「……確認だけすれば?」
「ずいぶん余裕なのな。じゃ、手加減するのやめるわ」
「は?」
「いや、なんでもない。独り言」
7:45 PM · Aug 6, 2023
『夢』『無垢』『まるでピエロ』 全部でもどれかでも。
「夢見た」
「よく寝てたもんな」
「森の中でうさぎさんとお話ししてた」
「無垢じゃん…」
「悩み聞いてもらってた」
「お前に悩みあんの?」
「そしたらさ」
「無視かよ」
「まるでピエロだねって…泣」
「クソワロ!何言った?」
「友達に片想いしてるけど空振りしてるって」
急に真剣な顔すんなよ
8:03 PM · Aug 6, 2023·
今日のお題は『鏡の中の君』です。
「前の髪型、評判良かったんですよ」
「良かったです。今日はどうします?」
「…お、おま……で」
「え?」
「あの、お任せで!好きにしてください!あ。や、違うかっこよくしてください、です、はい」
「ははっ、顔、真っ赤」
「顔、赤いの、俺だけじゃないですよね?」
見上げる顔は強気だった。
12:42 AM · Aug 7, 2023·
『愛のかたまり』をお題に、140字でSSを書いてください。
「おうおうおう!恋人が帰ったぞぉい!」
「うーるーさーい!近所迷惑。時差ボケ?いや単なるボケか」
「出張頑張ってきたボクに冷たくない?」
「ない。キモい」
「はい、お土産」
「いや、洗濯物だろ」
「もうすぐヒートだろ?たんまり汗かいてきたぜ!大事に使えよ?」
「う、うるさ」
「愛してる」
12:47 AM · Aug 7, 2023
『ペット』『彷徨う』『可愛い』 全部でもどれかでも。
「おはようございます!」
「おはよ」
「ワン!」
「元気だね〜名前は?」
「たかしです!」
「いやいやペットの」
気まずげに彷徨う視線に笑みが溢れる。
「ふふ」
「いや、たかしなんです。この犬」
「え、うそ…」
勘違いしてたのは自分だったのか。
「顔真っ赤ですよ。可愛い…」
「貴方だって…」
6:53 AM · Aug 7, 2023
『ピースサイン』『泳ぐ』『波』 全部でもどれかでも。
「さっきみんなで写真撮ったじゃん?」
「おぉ」
「あのピースサインなんなの?指そろえて、ちょっと曲げてぇ‼︎」
「珍し。何盛り上がってん?」
「いや、ちょっと2人で泳ぐわ」
「おい話途中!!」
「いってき〜2人仲良いな」
「なぁ!」
「ちょっと黙ってろ」
「はぁ?!」
「波打ち際でヤんぞ?」
5:13 PM · Aug 7, 2023
下着泥棒にパンツを盗まれちゃう学生さん。おバカだから部屋干しの発想がない。もうパンツがないからクリスマスビンゴで当たった工口パンも履く。なんとそれは盗まれない。よっしゃ工口パン買うわ!!って工口パンを普段使い。実は犯人お隣さん。自分好みに仕上がったので、いただきます!
7:00 PM · Aug 7, 2023
今日のお題は『君がいないと僕は』です。
「なんで補習こねーの?」 「僕赤点じゃないし」 「明日は九時から十二時まで」 「行かないってば」 「なんで?」 「もう言った。逆になんで行かなきゃいけないんだよ」 「帰りにアイス食いたいじゃん」 「は?」 「パピコの時は半分こしようって約束した」 「いつの話だよ」 「小二?」 「小一だよ」
1:46 AM · Aug 9, 2023
『ここなら見つからない』をお題に、140字でSSを書いてください。
鍛え上げられた筋肉に、うっすらと乗った脂肪、こんがりと焼けた素肌は滑らかだ。誰が見たってうっとりする身体を、日本水泳界期待のホープの恋人は世界中に晒し続ける。美しい背骨を唇で辿り、肌の色が変わるギリギリの位置に吸い付いた。疲れた貴方は眠ったまま。これは僕だけが知っている秘密の印。
1:58 AM · Aug 9, 2023
『触る』『鳴らす』『眩しいくらい』 全部でもどれかでも。
「それ、やめろよ」 「まぁ、いいじゃん」 「ヨダレついた手で触るなよ」 「はいはい。夢だったんだよね、指笛鳴らすの」 ピュイ、ピュイ、ピュイ 「ほら、できるようになった!」 誇らしげに笑うお前は無邪気過ぎて眩しいくらいだ。濡れた指を咥える口元から目が離せない俺の下心なんか知りもしない。
2:13 AM · Aug 9, 2023
今日のお題は『変わったこと、変わらないこと』です。
初めて欲望のたぎりを吐き出したあの日から、毎晩、毎晩、飽きもせず、布団をかぶって励んでる。その行為に意味などない。未来もない。だって、出して捨てるだけ。楽しいのは一時だけで、すぐに虚しさに襲われる。誰にも言えない、言いたくない、そんな行為だと思っていた。今は貴方がいるから愛がある
6:52 AM · Aug 10, 2023
『次は僕の番』をお題に、140字でSSを書いてください。
お兄ちゃん、いつも一緒にいてくれるって言っていたのに、大きくなったら置いてきぼり。学校が、塾が、友達が。ずっとずっと忙しい。かわいい彼女、頼もしい先輩、気が置けない仲間。僕も一緒が良いのにな。憧れの学校、目標にしていた仕事、夢見た生活。全部消えれば良いのかな?僕が壊してみようかな
7:01 AM · Aug 10, 2023·
『あえて』『振り返る』『なんとなく』 全部でもどれかでも。
「あえて気がつかないふりをしていたんだ」 「そう?」 「いつ振り返るのが良いか様子を見てた」 「本当?」 「なんとなく言いそびれちゃっただけなんだってば」 「だから?」 「ずっと君は俺に優しくしてくれた。俺も君が好きだ」 「残念でした。もう貴方を好きな僕はどこにもいません。さようなら」
7:05 AM · Aug 10, 2023
今日のお題は『悪い子だ』です。
「他の人にはどうしても頼めない…なんてしおらしい様子で連絡してきたから何かと思えば」 「貴方がいい」 「未成年相手やばいんだよ」 「だからSNS経由の匿名希望」 「今すぐじゃなきゃダメだとも言ってたな」 「両親は長時間フライト中で連絡がつかないんだ」 「準備万端で大人を誘惑するなんて」
12:47 AM · Aug 11, 2023·
『策士、策に溺れる』をお題に、140字でSSを書いてください。
「お前、馬鹿だよな」 「そう?」 「わざわざSNS経由で年齢誤魔化して、同情引いて連絡とって、親と連絡取れない時間帯に俺のこと誘ってさ、で?」 「やることひとつでしょ」 「俺のが使い物にならなきゃ意味ねーよw酒飲んだから無理。残念。大人を舐めるなw」 「大丈夫。僕がいれる方だから」 「え」
1:44 AM · Aug 11, 2023
『ドロドロ』『片付け』『廃屋』 全部でもどれかでも。
「ローション?そっか男同士は必要なのか。こんなの使ったらドロドロになるじゃん」 「そうだよ」 「めっちゃ片付けめんどくさそう」 「だからここにしたんだ」 「初めてなのに廃屋とか上級すぎんだろ」 「違うよ」 「いや、ここはどうみても廃屋」 「初めてじゃない」 「は?お前、今なんて言った?」
12:56 AM · Aug 11, 2023
『浴槽』『鎖』『情景』 全部でもどれかでも。
「夏休みしりとりー!(エロくしたろ)浴槽」 「うみ」 「ミルク(俺の)」 「鎖」 「え?夏休み関係なくない?」 「夏休みは羽目外さないようにするでしょ?」 「は?何が?」 「こういうこと」 手錠カシャーン 「嘘ぉ!」 「夏の情景って感じ」 「しない!」 「じゃ、脱ごっか。夏らしくしよう?」
12:58 PM · Aug 11, 2023
今日のお題は『奇跡を今こそ』です。
みんなと一緒に見送りに行けば良かった。君が夢を叶える第一歩として異国へと旅立つことは嬉しいのに辛くて堪らない。なんでもないフリをすれば乗り越えられるなんて僕の勘違いだった。次の空港行きのバスに間に合えば一目だけでも会えるはず。いつだって陸上の神様は僕を裏切って来たけど、お願い。
2:34 AM · Aug 12, 2023
『手を離して』をお題に、140字でSSを書いてください。
ずっと片思いしていた先生を追いかけた末にやっと家族になった。ささやかな結婚式をして永遠を誓ったのに、終わりは案外早かった。新婚旅行先で乗った船が大破して海に放り出されるなんて。一人分の体重なら耐えられそうな板に先生を掴まらせた。「先生、お願いが一つあるんだけど、聞いてくれる?」
3:01 AM · Aug 12, 2023
『憐憫』『届きそう』『翻す』 全部でもどれかでも。
急に貴方が見せる憐憫を誘う表情に絆されたか。男に興味なんてなかったはずなのに、気がつけば手を伸ばしていた。テーブルクロスを固く握る貴方の手に届きそうになった瞬間、緊張が走る。客の小さな悲鳴が上がる中で、テーブルクロスをマントのように翻す貴方の姿があった。「チャレンジ成功です!!」
3:11 AM · Aug 12, 2023
今日のお題は『君の声が思い出せない』です。
「だいぶくすんだね、それ」 血のつながらない弟が曖昧な表情を浮かべる。視線の先には、私の選んだ白提灯が今年も灯っていた。 折に触れて様子を見に来てくれる優しさはありがたいが、少し迷惑だった。だって兄弟の声は似過ぎている。年々薄れていく記憶に必死に縋っているのを邪魔しないでほしい。
12:25 AM · Aug 13, 2023
『真夜中の侵入者』をお題に、140字でSSを書いてください。
凍える設定温度でエアコンをかけて寝る。薄がけ一枚では耐えられるはずもないが、それで良い。細く開けた障子の向こうでゆらめく影は、触れないはずなのに忍び込んでくる。湿った空気が頸を撫でて、ほんのりと身体に回る腕を感じたから、今年も来てくれたのだろう。このまま帰らないでと願ってしまう。
12:32 AM · Aug 13, 2023
『消える』『花屋』『時計』 全部でもどれかでも。
毎朝楽しみにしている笑顔が店先から消える。花屋としては稼ぎ時だろうに働き者のあの人も人並みに休みたいと思うのだろうか。 休み明けは抜け殻のようになっていた。何度も大き過ぎる腕時計の皮ベルトをなぞる仕草にやっと気が付く。刻まれたイニシャルは彼のものじゃない。彼は残された人間だった。
12:42 AM · Aug 13, 2023
『2人ならばどこまでも』です。
自分の為の努力は限界があるけど、愛する者の為の努力は無限なのだと貴方が教えてくれた。夢物語みたいな身分不相応な目標にひたすら打ち込めたのは全部貴方のおかげだった。ねぇ、どうして?夢が叶ったのに貴方はいない。独りは寂しくて力が出ないからずっと貴方を待っている。来ないと知ってるのに。
1:13 AM · Aug 14, 2023
『身体だけの関係』をお題に、140字でSSを書いてください。
心が欲しいなんて贅沢は言わない。というかそんなの初めからいらない。見えないものは不確かで、触れないものなんか信じられないから。「愛してる」なんて言わなくて良いから、早く抱きしめて。一番深くで絡みつくように繋がりたい。何にもいらない。貴方の体温を再び感じられるなら愛なんていらない。
1:17 AM · Aug 14, 2023
『唇』『手招く』『タイムリミット』 全部でもどれかでも。
迎え火を焚いたおかげ?いつもは遠くで見つめるだけの貴方が夢の中でキスしてくれた。記憶通りの乾いた唇が柔らかくなるまで夢中で重ね合わせた。ちょっと切ない顔をした貴方は静かに身体を離したけど、優しく手招く。あぁ、やっとなの?人生のタイムリミットなんて早く尽きれば良いとずっと願ってた。
1:25 AM · Aug 14, 2023
今日のお題は『世界が終わる時』です。
クラスメイトが嫌いだった。どいつもこいつも大袈裟で、感情的で、子どもっぽい。恋だの愛だの興奮したかと思えば、振られた死ぬとか言い出すのが信じられない。そんなことを聞くより、図書室で司書の先生からおすすめの本を聞く方が楽しい。それを先生も楽しんでいると思ってた。急に辞めるなんて。
12:41 AM · Aug 15, 2023
『果てしない欲望』をお題に、140字でSSを書いてください。
「いらない」 「もうすぐ誕生日だろ。バイトしたんだ。なぁんでも買ってやれる」 「欲しいものは、売ってない。だから買えない」 「なんだ?なぞなぞか?言ってみろよ」 「……兄ちゃんがいい」 「なんだそんなことか!いいよ。一緒にいてやる」 「約束だよ。僕は兄ちゃんがいれば他には何もいらない」
12:47 AM · Aug 15, 2023
『羨ましい』『机』『ねえ先輩』 全部でもどれかでも。
彼氏がかまってくれない。羨ましい。振られた。羨ましい。好きな人に彼女いた。羨ましい。人の不幸は蜜の味なんて言うけど、僕には毒でもある。みんなが嫌がるものも欲しくて堪らないのに手に入らないと突きつけられるから。持ち主のいなくなった机に季節の花を飾る。ねぇ先輩、いつ僕を迎えにくるの?
12:53 AM · Aug 15, 2023
今日のお題は『2人だけの秘密』です。
愛する伴侶と長年連れ添ったが、確実に別れの時が近づいている。入院中の彼は眠ってばかり。私は傍に腰掛けて彼を眺め、温かい手に触れるだけだからいつも病室は静まり返っている。ただ、面会終了時刻直前にほんの一瞬だけ異常を知らせるアラームが鳴る。あと何度彼とお休みのキスができるのだろうか。
1:23 AM · Aug 16, 2023
『幸せな結末』をお題に、140字でSSを書いてください。
台風の夜に、帰る手段を無くした私は病院の好意で彼の隣に泊まることになった。彼の手に自分の指を絡めて眠るのは何ヶ月ぶりだろう。力をなくしても変わらず温かい。寝顔を眺め微睡む明け方に一瞬目を開けた気がした。鳴り響く警告音が別れの時を告げる。最期のお休みのキスは温かくいつも通りだった。
1:34 AM · Aug 16, 2023
『世界』『香水』『骨』 全部でもどれかでも。
彼が旅立ったから、私も旅に出ることにする。好奇心旺盛な私達は旅を愛していた。一緒に観光した国、一緒に行くことを夢見た国。世界一周のお供は彼の香水。もちろん唯一の彼自身になった骨を家に置き去りになんかしない。時間はかかったが、すっかり私の身体の一部になった。死ぬまでずっと一緒だよ。
1:41 AM · Aug 16, 2023
今日のお題は『君をください』です。
チェーン店みたいに上手く行くわけない。それでも食いしん坊の素人が始めた弁当屋は胴体着陸寸前の低空飛行でやって来た。常連はお爺ちゃん、お婆ちゃん、モサモサ、スーツ。おかしいなとは思ったよ、俺だって。スーツギラギラだもん。地上げ屋ってか。閉店当日にモサモサが花束抱えてやってきた。
7:27 AM · Aug 17, 2023
『おかえりなさい』をお題に、140字でSSを書いてください。
何だってさ、練習って大事じゃない?本番ぶっつけのオリンピック選手なんていないわけ。才能あふれる世界最高峰の人間だってそうなんだから、平々凡々、下手したら平均以下の俺は日々励め!って感じでしょ。だから毎日どんなに疲れて帰っても絶対に言うんだ。「ただいまぁ‼︎」一人暮らしだけどね。
7:34 AM · Aug 17, 2023
『咲く』『オーケーオーケー』『下着』 全部でもどれかでも。
「花が咲くと嬉しいよな」 「俺はお前が咲いたらもっと嬉しいよ」 「オーケーオーケー、一旦落ち着こ?」 「お前と一緒だと無理かな」 「俺も変態と一緒に居て落ち着くのは無理だわ」 「お揃いじゃん」 「や、全然違うね。真逆」 「対になっちゃうね」 「違うね」 「下着に例えるならさ」 「やめてね」
7:37 AM · Aug 17, 2023
『突き放す』『友達』『ご主人様』 全部でもどれかでも。
君が僕に出した問題は『僕にとって君は?』だった。回答権は3回だけ。 いつも一緒に遊んでいるから「友達」ハズレ。 時に君は僕を従わせようとするから「ご主人様」やっぱりハズレ。 簡単なはずなのにどうしよう? 『ハズレたらサヨナラ』冷たく突き放す君の一言に決心する。 「大好きな人」『正解』
12:05 PM · Aug 18, 2023
今日のお題は『たった一度きりの恋』です。
運命の人と思いが通じたら溶けちゃうアイスなんだ、と打ち明けた日に貴方は姿を消した。 ひどい。信じていたのに。裏切り者。弱虫。 たまに届く美しい絵葉書は、差出人不明、宛名書きもわざとらしい癖字で書かれている。本文はいつも同じ一言。「ごめんね」 ひどい。やっぱり、貴方を嫌いになれない。
1:54 AM · Aug 19, 2023·
『ウソツキ』『カクテル』『触れないで』
「客に逃げられた…」 「本当に客?その割に酷い顔してるけど」 「客だよ。悪口言いたいだけだろ」 「こちらウソツキカクテルです」 「嘘しか言えなくなるってやつ?」 「そ。……ね?思ったこと言えば?」 「……ずっと大好きだった。唇には触れないでなんて言わなきゃ良かった」 「電話しておいで」
1:35 PM · Aug 19, 2023
【補足】 ヘソマガリはデートクラブ勤務の男の子。 ウソツキカクテルの中身は美味しい水です。言い訳がなければ本心が吐き出せないヘソマガリが苦しそうな時にバーテンダーが出してくれます。
『おめでとう』『クッション』『お姫様』
「おめでとうございます!大当たりぃ」 派手に鐘の音が鳴り響く。福引で当たったのは一抱えもある巨大クッションだった。 「一緒に歩くの恥ずい」 不貞腐れる恋人の心を煩わせているのは別のことだとわかっている。 「この腕に抱くのは僕のお姫様だけなのにね」 「姫じゃねぇ!」 僕だけのかわいい人。
12:49 AM · Aug 20, 2023
今日のお題は『薄情な人』です。
「お前の帰りなんか絶対待たない」 同棲中の恋人は、帰宅が深夜を回ることも多い俺におかえりを言うことはない。いつもベッドの中で布団をかぶって静かすぎる寝息をたてる。 「ただいま」と小さなキスを落とし布団を掛け直す。離れようとしたら、ジャケットを掴まれた。 「これで終わりかよ?薄情者」
12:57 AM · Aug 20, 2023
『追いかけるのには慣れている』をお題に、140字でSSを書いてください。
保育士の俺は朝から晩までちびっ子達を追いかける。しかし、近頃は追いかけられている気がしてならない。行きに、帰りに、仕事中に見える人影の正体はいかに?なかなか尻尾を掴まえられないから、同僚とちびっ子達の力を借りて飛び掛かる。なんとその正体はお巡りさん。「ずっと好きでした…‼︎」お?
1:06 AM · Aug 20, 2023
『憐憫』『猫』『ベルト』 全部でもどれかでも。
「憐憫、れんびん?どう言う意味?」 「辞書ひけ」 「生き字引頼むよ!」 「猫がいるとする」 「うん」 「ベルトで吊されてぶーらぶら」 「かわいそう…」 「それ」 「やっぱ先生にならなくて正解だと思う」 「なんでだよ?わかりやすかったろ」 「解説が変態すぎる」 「ぐ」 「俺だけの先生でいてね」
12:40 AM · Aug 21, 2023
『理性が効かない』をお題に、140字でSSを書いてください。
「大盛り無料の店」 「行きつけは全部それ」 「酒があったら」 「全部飲む」 「夜中に焼肉の誘い」 「迷わず行く」 「それがお前だよな」 「まぁな」 「俺と部屋に二人きりなんだけど?」 「徳用ゴムと大容量ローション、ミネラルウォーターとチョコレート用意したぜ」 「明日から連休!!わぁっ♡」
12:46 AM · Aug 21, 2023
今日のお題は『悪い子だ』です。
「連絡なし」 「スマホの充電切れた」 「朝帰り」 「飲んでて盛り上がった」 「知らない香水」 「新作のテスター」 「知らない石鹸の匂い」 「サ活ハマってるんだ」 「首のとこ赤いけど」 「蚊に刺されたかも」 「お前なんなの?喧嘩売ってんの?」 「良い子。ほら、お仕置きしやすくなったでしょ?」
12:52 AM · Aug 21, 2023
『愛も呪いもきっと同じ』です。
目覚めれば身体が重くて仕方がない。さっきまで覚えていた筈の夢は綺麗さっぱり忘れて思い出せないけど、重要だった気がする。一日中考えても思い出せなくて、焦れてる間に夜が来る。今夜こそはとスマホの録音機能をオンにした。 再生したら、自分の荒い呼吸ともういない愛しい声がした。ハヤクオイテ
12:59 AM · Aug 22, 2023
『身体だけの関係』をお題に、140字でSSを書いてください。
その人のことが好きで好きで堪らない。せめて身体だけでいいから繋がりたいと言ったのは俺だった、けど。 「さ、早く飲んで」 睡眠薬を差し出す愛しい人に戸惑いを隠せない。 「身体だけ、そう言ったのは君でしょ?」 「そうだけど」 「意識があったらダメだと思うんだよね」 「そんな」 「やめる?」
1:04 AM · Aug 22, 2023·
『怖い』『直せない』『逃げられない』 全部でもどれかでも。
いつの間にか自分は変わってしまった。彼が望むように身体を捧げ、心を捧げ、持てるだけの全てを捧げた。 もうない。何もない。 怖いのは彼にあげられものが何も無いから。元に直せない壊れた自分をきっと彼は受け取ってくれない。迫り来る結末からは逃げられない。 でも全て愛する人の為だから幸せ。
1:11 AM · Aug 22, 2023
今日のお題は『永遠を願う』です。
高原に群生する百合が誤って大都会の路地裏に一株だけ根付いてしまったら、きっとこんな風景なんだろう。全寮制の男子校であまりにも美しい貴方は異質で、皆の心をざわめかせた。誰もが貴方を手に入れたくて狂っていく。教師も生徒も堕ちていくのに貴方は変わらずそこにいる。きっと明日も明後日も。
5:15 AM · Aug 23, 2023
『もう逃げ切れない』をお題に、140字でSSを書いてください。
週に一度顔を出すスクールカウンセラーだから、自分は蚊帳の外だと思っていた。私にとっての彼は生徒の恋心越しに垣間見るだけの存在で、噂話で出来ている。夢見にみるほど美しく、視線を交わせば心が震えるのだという。 見た目が嫌いが口癖のオンラインゲームで知り合ったバディ、貴方だったなんて。
5:36 AM · Aug 23, 2023·
『絡める』『月明かり』『手を振る』 全部でもどれかでも。
いまだに信じられない。何がどうなって私が貴方を独占しているのか。美しすぎる貴方が私の腕に指を絡める姿はきっと不釣り合いで、道行く人間に疑問を残すだろう。だから月明かりの下、二人寄り添っている時はどこかホッとする。顔なんてなければ良いのに。一人手を振る別れ際の貴方を見て、そう思う。
5:44 AM · Aug 23, 2023
『来世でお会いしましょう』です。
「運命だ。身体だけなんて言わないでくれ」 「だって本当だろ?」 「君のこと本気なんだ」 「 奥さんいるのに?」 「出会うタイミングを間違えただけなんだ」 「じゃ、やり直そうか?」 「そうだな。じゃあ、改めて交際を申し込もうか」 「いいや。人生をはじめから。だって俺たちは運命なんだろう?」
12:08 AM · Aug 24, 2023
『見てはいけなかった』をお題に、140字でSSを書いてください。
「お互い伴侶がいる身だから、罪悪感も分かち合おう」そう言っていた君が珍しく指輪をしていないことに気がついた。「もう長いこと上手くいっていない」と言っていたからいよいよかな、と思ったが、違う。左手の薬指の付け根をいくら見てもそこには何もない。あるべき日焼け痕がない。まさか、そんな。
12:11 AM · Aug 24, 2023
『翻す』『王子様』『あえて』 全部でもどれかでも。
部室で着替えるその一瞬、見えてしまった光景が頭から離れない。お前が翻す、白いシャツの向こう側に透けた黒いシルエットは、女の背にあればなんの違和感もない下着だった。王子様と騒がれるお前の秘密を見せられて俺はどうすれば良い?これは偶然の事故なんかじゃない。あえて、俺に見せたんだろう?
12:16 AM · Aug 24, 2023
『まどろむ時間』をお題に、140字でSSを書いてください。
定時で上がれる僕が先に帰宅して食事を作る。彼からのメッセージを確認して、帰宅時間の見当をつけながら、メインと付け合わせを作る。ここでメッセージをもう一度確認して、まだ会社を出ていなければもう一品酒のアテになるものを作ったら一休み。美味しい匂いの中で愛しい人を待ってうつらうつら。
6:29 AM · Aug 25, 2023
『充電』『海』『音楽』 全部でもどれかでも。
大喧嘩して家を飛び出した。スマホは機内モードにして音楽再生器として逃亡の相棒になる。こんな時に目指すべき場所は海!島国バンザイ。まっすぐ進めばいつかは必ず到着できる。大海原の写真を撮ったら機内モード解除。アイツに写真を送りつける。充電が切れるのとアイツが到着するのどっちが先かな?
6:34 AM · Aug 25, 2023
『責任とってください』です。
不眠症の僕は、いつも長い夜を独りで彷徨っていました。夜の街を生きる貴方が僕を拾ったのは、きっと気まぐれなのでしょう。いつも壊れてしまいそうなほど乱暴に扱って放り出されるのを他人は酷いというけれど、僕にはちょうど良いのです。嫌な夢を見る睡眠薬なしに寝られると知りました。だから、ね。
7:24 AM · Aug 25, 2023
『逃がすはずがないでしょう』です。
「ヘラヘラ遊び人が扇風機男に会ったなら」より
だらしないし、図々しい。時に非情なのに、人好きする人間だからタチが悪い。自由に生きる男が見せた気まぐれな気遣いに囚われた自分だから、縛ることはしないと決めた。「好きにすれば良い」と言ったのは別に強がりじゃない。どこか捨て身な男が自分の意思で自分の隣にいると決めるまで諦めはしない。
12:50 AM · Aug 26, 2023
『素直になれたら』をお題に、140字でSSを書いてください。
「ヘラヘラ遊び人が扇風機男に会ったなら」より
クーラー欲しいとか、広い風呂入りたいとか、文句ばかり言ってるのはいつもの事で深い意味なんてない。将来安泰な公務員だから寄生しているだけと自分に言い聞かせてみれば、いつの間にか未来を想像している自分に気がつき愕然とする。欲望に忠実に生きてる筈が言えない言葉があるなんて笑えるだろ。
1:15 AM · Aug 26, 2023
『猫』『絡める』『廻る』 全部でもどれかでも。
「ヘラヘラ遊び人が扇風機男に会ったなら」より
猫みたいだねって?恩知らずの気まぐれって言いたいなら言えば良いのに。ヒモはヒモらしく罵詈雑言は受け止める所存ですよ。行動を改めるつもりはないがね。 そうやって生きてきた十年をひっくり返したのは髪を絡める青い羽根。廻る因果の終着点がこれなのか?表情は読めないから駆け引きは使えない。
1:28 AM · Aug 26, 2023·
【補足】廻る まわる、もとおる、めぐる、みる 今回はめぐるにしました。
『真夜中の訪問者』をお題に、140字でSSを書いてください。
貰った合鍵を手に家を出れば、外は予想に反して暗い。愛用のマウンテンバイクに跨がり、夜の風が通り過ぎる快感を楽しんだ。目指すべき部屋はアパートの3階。バイクを担いで外階段を登ったら、突き当たりのドアにピカピカの合鍵を刺した。「お前何時だと思ってんの?」「俺は日本時間で生きてんの!」
2:31 AM · Aug 26, 2023
『廃屋』『絡める』『コレクション』
「絶対流行らないよ?廃屋喫茶」 「いや動画でもあるじゃん廃屋探検するの!」 「夏だから」 「いける!みんな大好きイケメン、お前を絡める」 「まじか」 「はい、アクリルケースに入って」 「バイト代出るんだろうな?」 「蓋閉めます」 「なにこの札、コレクション?」 「つーかまーえた!俺の!」
12:49 AM · Aug 27, 2023
今日のお題は『光が消えた』です。
あげる。全部あげる。
豪華な邸宅、豪奢な衣服、豪勢な食事。
私が持っているもの全てをあげる。
だから頂戴。あなたを頂戴。あなたの全てを頂戴。
あなたがいれば良い。
物言わぬ人形になっても良い、あなたが欲しい。
美しかった瞳が変わってしまったのは辛いけど、それでも良い。あなたが欲しい。
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12:55 AM · Aug 27, 2023
今日のお題は『甘い初恋』です。
朝から晩まで友達と遊ぶのに忙しくて、彼女なんて欲しいと思う暇もない。遅刻ギリギリ一緒に校門へ駆け込んで、授業中にこっそり通信ゲームして、昼食買いに購買に駆け込んで、午後は爆睡からの放課後カラオケ。 いつも笑ってる幼馴染が不意に見せた涙にやっとわかった。俺には彼女がいらない理由が。
12:05 PM · Aug 28, 2023
『この想いの名は』をお題に、140字でSSを書いてください。
ずっと一緒に連んでいられないとわかってる。いつか進路が分かれて、お互い新しい友達ができるんだろう。休みの日に、互いの家に入り浸ることもなくなるのかもしれないし、それより先に彼女ができるのか?でも幼馴染で最古参の親友、辛いときには一番に電話を鳴らすこのポジションだけは譲りたくない。
『桜』『振り返る』『限界』 全部でもどれかでも。
散りゆく桜の下で振り返る貴方を見て、俺の理性は限界を迎えた。 急いで帰らなきゃ。他の人にあなたの魅力がバレてしまうから。 伸びっぱなしの髪は絡まり、くたびれたTシャツには謎のキャラクターが描いてある。流行遅れ何周目かのパンタロンに便所サンダル。まだ足りない。もっと、ダサくしなきゃ。
12:15 PM · Aug 28, 2023
『いつも傍に君が居て』をお題に、140字でSSを書いてください。
俺は使用人の子だけど、坊ちゃんの遊び相手に選ばれた。一緒に本を読んで、悪戯して、怒られて、また明日。 楽しい繰り返しの日々も終わりがやってくる。 仕事だと呼ばれて行ったのは坊ちゃんの部屋だった。 言われた場所に蹲れば坊ちゃんの足が背に乗せられた。 「一生モノのオットマン、気に入った」
4:52 AM · Aug 29, 2023·
今日のお題は『ひとりにしないで』です。
お父様も、お母様も、お忙しい。 お兄様も、お姉様も、お忙しい。 広い屋敷でひとりきりの僕と遊んでくれるのは使用人の一人息子だけ。優しくて、正義感が強く、誇り高い君をどうしたら縛り付けておけるか考えた。 「僕、オットマンが欲しい。僕と一緒に成長する暖かくて丈夫な一生モノのオットマン」
4:58 AM · Aug 29, 2023
『なぞる』『舐める』『思いだした』 全部でもどれかでも。
ほんの戯れだった。大人の目を掻い潜り、屋敷を抜け出し夜の街へ行く。闇に紛れて酒場に行けば、煌びやかな夜の蝶が舞っていた。 「こんばんは。お若い紳士」 ベールをかぶった長身の女が体を擦り寄せる。 僕の頬を突く指、意味深に唇を舐める舌、女を知ってると思いだした。 「もしかして、執事長?」
5:16 AM · Aug 29, 2023
【メモ】
僕は夜遊びをバラされないように執事長を脅した。どう考えても弱みを握っているのは自分だ。ところが相手は慌てるどころか幸福そうに笑う。 「どうぞ、どうぞ、ご自由に。バラしていただいて構いませんよ」 これは一体どう言うことなんだ……?
僕の父である現当主の妾。息子も狙ってる。
『とろけるくらいに愛して』です。
改行ミスに誤字脱字。 いくらなんでも得意先に出す書類にこれはない。 「弛んでるんじゃないか?簡単なミスが多い。もう新人気分は終わりにしてくれ」 静かに言えば目の前の部下は塩らしく頭を下げる。 再提出された書類に付けられた付箋に顔が赤くなるのがわかった。 “埋め合わせは今夜ベッドで”
7:01 AM · Aug 30, 2023
『偶然の仕業』をお題に、140字でSSを書いてください。
あ、まただ。 会社で見せる表情よりは幾分リラックスした横顔が遠くに見えた。直属の上司だ。ズボラな自分を細かく注意してくるので正直苦手だと思ったが、最近プライベートで度々出くわすことに気がついた。 気になっていた絵画展、隠れ家みたいなレストラン、個人経営のジム… もしかして気が合う?
7:37 AM · Aug 30, 2023
『映画』『弔い』『無垢』 全部でもどれかでも。
高い金を払い他人と拘束されて何が楽しい?目障りな光の点滅と耳をつんざく轟音は、俺にとって最悪の拷問だ。それでも古びた映画館で見せた「父の弔いに見たかったんだ。ありがとう」と静かに笑う貴方の無垢な瞳に全てが報われた気がした。 「次はいつ来る?親父さんと見た映画まだまだあるだろう?」
7:44 AM · Aug 30, 2023
今日のお題は『全てを欺け』です。
「殿下は黒すぐりのパイがお好きでしょう」 そう言って大振りな一切れを給仕する男に冷たい視線を向ける。 「お前の目は節穴か」 「私の勘違いです。申し訳ありません」 これでこの男は我の一挙手一投足により一層真剣な眼差しを向けるだろう。 この男に特別な感情などない。 ただ生涯、我の傍にあれ。
12:36 AM · Aug 31, 2023
『簡単じゃない』をお題に、140字でSSを書いてください。
未来の君主は若くして聡明で奢ることもない。妃の腹に宿ったその日から全てが決まった未来を生きる事は、彼から無邪気な笑顔を消し、没頭する喜びを奪った。せめて食事くらいはお好きなものを、と以前一口食べて頬を緩めた黒すぐりのパイを出したが、私の勘違いだったらしい。どうか我が主に安らぎを。
12:46 AM · Aug 31, 2023
『落雷』『小説』『雨』 全部でもどれかでも。
幸運だったのかもしれない。 あの日、落雷を知らせる轟音と共に完全な暗闇が訪れた。俺の部屋で小説に夢中になっていたアイツはやっと本を手放し顔を上げた。 「雨、止みそうにないね?」 退屈が何よりも嫌いなアイツを楽しませる自信などないが、俺の激情が導いてくれる。何度も夢見た光景を現実に。
12:51 AM · Aug 31, 2023