2025年1月
留年が決まった日も就職に失敗した日も朝までやけ酒に付き合ってくれたのはアイツだった。しかし今夜はどうしてもつかまらない。プロポーズ失敗したんだけど!「俺うわばみだからいつでも呼んで」って言ったのに。一人寂しく行った初詣。絵馬に描かれた蛇がアイツに似ている気がしたけど、まさかな⁉︎
1月1日、元日。
うわばみ=蟒蛇、大きな蛇
人間のフリをして生活をしていた蛇の神様は、鈍臭い男を気に入って近くにいたが、今年は流石に忙しい。せっかくの落とすチャンス到来なのに…。ただそれがきっかけで男が正体に気がつき関係が変わりそうな話
朝からルームメイトの様子がおかしい。スマホ片手に必死の形相で調べ物をしている。「そういや富士山の夢見たわ。いいだろ」と俺が言ったら、睨まれた。「お前の夢見たんだけど、最悪」「え?さっき“初夢 好きな人”で検索してたよな?」「は⁈バカ!それは、違うってばっ」早速、初夢のご利益が来た⁈
1月2日は初夢
ルームシェアが同棲になる話。
恋人の実家に行き同棲の許可を得ようとしたら「男同士なんて駄目だ」と敷居も跨がせてくれない。「話くらい聞いてくれ」と声を荒げる恋人を制し頭を下げる。「わかりました。このまま駆け落ちします。それではお元気で」自分以外はみんな呆気に取られていた。お前まで信じられないって言うなよ、馬鹿。
1月3日は駆け落ちの日
普段は尻に敷かれっぱなしのヘタレが見せた男気にポカンと口を開けた強気な恋人は帰り道に「昨日緊張して寝られなかったくせに〜!」って言いながらわんわん泣いて欲しい。もちろん嬉し泣き。
何度言っても恋人はポケットの中身を出さずに洋服を洗濯機に放り込む。どんぐり、石ころ、瓶のフタ。「俺はお前の母ちゃんじゃねぇ!」毎回文句を言うが「あげる〜♡」と本人は悪びれない。万札来い!と念じながら手を入れたら金属の輪っかが出てきた。いや、指輪だ。しかもダイヤ付き。「もらうぞ!」
1月4日は石の日
背中を向けて知らん顔している恋人の耳よ、真っ赤であれ。夕日の沈む海をバックにひざまずくプロポーズも良いですが、ふたりだけの習慣にからめたささやかなサプライズも素敵。
イケメンを幼馴染に持つと彼女ができない。しかしチャンス到来。アイツが大学受験に失敗したので「自宅警備がんば♡」と煽り、合コンへ出かけた。それなのにちゃっかりいるし、俺の隣に座るし。「警備員は持ち場を離れるな」「You're my homeってやつよ!」「英語の点数足りなくて落ちたくせに」「う」
1月5日はホームセキュリティの日
仕事始めのオフィスに大量の花が届いていた。「全部主任宛です」顔をひきつらせて添えられたカードを見ると『イロの日おめでとうおまえ。あいしてる』とたどたどしい字で書かれ昨日出会った男の署名がある。任侠映画の話で意気投合したラテン男よ、今日は色の日だ。あと俺はお前のオンナじゃないって!
1月6日は色の日、カラーの日
実は南米マフィアのボスであるラテン男。任侠映画が好き過ぎて日本に遊びに来たら、好みの男を見つけたので熱烈プッシュ。「ヤクザのオンナはイロでしょ?おまえ、あいしてる。おれのイロ」ランチの時間に乗り込んでくると良いな。
一月七日は新年になって初めて爪を切る日だと彼と付き合い初めて知った。パチン、パチン。待ち遠しい音がする。ほんのわずかに指の先から顔を出す爪のせいで僕はずっとお預けを食らっていた。早く彼に触れたいのに、終わらない。ヤスリを片手に彼が笑う。「私を傷つけたくないだろう?」あぁ、意地悪。
1月7日は爪切りの日
大晦日に爪を切り、今日までは伸ばしっぱなしにします。七草をつけた水に指先をひたしてから爪を切れば、一年悪い病気にならないのだとか。焦らしながらも恋人の健康を願っています。
物を知らぬ年下×魔性の年上。
あの日お前は嬉々として「写真撮ろうぜ」と言ったが、望んだのはツーショットではない。俺にシャッターを押させ、たった一人で映る自分の写真を撮った。思い切って理由を聞いてみたら、写真を拡大して見せてきた。「ほら、俺の目にお前がいんの。ずっと一緒だ」嬉しかったのに最後になるなんて嘘だろ。
1月8日は遺影撮影の日。
冬休み明けに届いた最悪のニュース。幼馴染に彼女が出来たんだって。相手は冬季講習で出会った女らしい。男子校だからと安心してたらこのザマだ。一晩中泣いて目が腫れたから今日は休むと連絡したのにアイツは迎えに来て布団を剥いだ。「風邪、じゃねぇな」「ほっとけ」「どうした?」言えるか、バカ。
1月9日は風邪の日 お互いの家に上がり込む幼馴染なんて両片思いに決まってるんだよ!!!
「今日は俺の日!」誕生日でもないのに朝からお前はうるさい。変わり者で有名な男だ。これくらいの奇行はいつもの事と無視していたが、アレ取れコレしろと我がままが過ぎる。「一体何だよ?」「伊藤くんの日だから」「俺も伊藤なんだけど、忘れた?旦那さま」「あ゛」真っ赤な顔になる暴君、悪くない。
1月10日は伊藤くんの日 新婚夫夫、変人アーティストの伊藤くんと彼をてのひらで転がす伴侶の話。ふたりは学生時代に出会い「噂の変人名前はフツーじゃん」「あ゛⁈」と大喧嘩になったのが始まり。
中学三年、高校三年、計六年ずっと俺にシャー芯をせびってくる男がいる。クラスが別れても、いちいち一本だけもらいにくるってどうかしてるだろ。でも嫌じゃない。というか、来なくなったら困る。「これ、やる」新品のシャー芯を渡したら嫌な顔をした。「試験中はあげられないから。同じ大学行こうな」
11月1日シャー芯の日
本当にどうかしてる。もらうんじゃなくてせびる。それだけ図々しくて、甘やかされてるくせに、好きって言えない男。大学行ってもシャー芯せびり続ける。甘えん坊×おかん。
もうすぐ大学入試の共通テストなのに、俺のやる気はしぼんでしまった。「大学行きたい、かなぁ?」受験勉強のしすぎか、憧れの大学生活にも全く興味が持てない。塾講師に愚痴ったら、ふに、と唇に柔らかい感触が。「合格したらまたしてあげる。次はキャンパスで会おうね」だって。絶対合格するからな!
1月12日はいいにんじんの日。 目の前にぶら下がるご褒美としてのいいにんじんの話。手玉に取られる受験生×余裕なふりをした大学生
嫌煙家の自分がタバコ屋を訪ねるようになるなんて思ってもみなかった。町の角にある店は日当たりがよく、小さな窓がついている。色とりどりの箱を背に座る店主の手はしわくちゃだが抜群の記憶力を誇り、足音を聞いただけで客の求める銘柄に手を伸ばす。「もう一ヶ月か。早いね」「高い線香だよ、全く」
1月13日はピースの日
亡くした愛しい人の墓前に備えるため、月命日のたびにタバコ屋でショートピースを買う男の話。
たかが三年されど三年。どんなに勉強を頑張っても、身長を伸ばしても、この差は絶対に埋まらない。同じ制服を着て同じ学校に通いたかった。同じ学校の入学試験を受けに行きたかった。本当はお祝いなんてしたくないと思う自分が子どもで嫌だ。僕を置いて大人にならないで、大好きな人。成人おめでとう。
1月の第2月曜日は成人の日
三歳差は切ない。幼馴染の恋心。
小学校の同窓会。家の都合で引っ越した俺の中ではランドセルを背負ったままのみんなが大人になっていた。友人は相変わらず線の細い男で「泣かないで社会人できてんの?」とからかいたくなる。「もちろん」腰を抱き寄せられ外に連れ出された。「好きな子を持ち帰れるくらい上手くやってる」って本気か?
1月14日マンリーデイ バレンタインデイのひと月前に設定された男性から告白する日だとか。見た目に雄々しさはないものの、スマートに雄の欲望を見せてくる友人に一気に落とされてしまう男の話。
恋人の素肌に触れると不安になる。白く吸い付くように柔らかで、ひんやりとしている。自分とは違う極上の感触は儚い。興奮した自分の熱で彼が溶けてしまったらどうしよう…と馬鹿げた考えが頭をよぎるなんて絶対に彼は知らない。「おい、その霜降り肉どうにかしろ」「遠回しにデブって言ってんな?!」
1月15日「適サシ肉」の日 過剰な霜降り肉は使わずに適度なサシの入った肉を使うという宣言をしたすき焼き屋があるのだとか。 人の脂肪も魅惑的ですが、ほどほどに。一緒に長生きしたい恋人への辛辣な一言は隠れたツンデレ発言。
pome村さん@pomemura_
#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる
2025年の第5弾!雪の日☃
https://x.com/pomemura_/status/1879142591637471531
「ほっ……っかな」
「何?」
「だから………」
「聞こえねぇ!」
「ったく、だからほっぺ真っ赤なって言ったの!」
「寒いんだよ!」
嘘だよ。全部お前のせいだ。吐息を感じてさらに頬が熱くなる。イヤーマフで聞こえないふりをしなきゃ友人のお前とはこんなに近づけないから、冬よ、ずっと終わるな。
冬なんて嫌いだ。友人は寒いからと着膨れてお気に入りの場所が隠れてしまう。硬そうな黒髪の隙間からのぞくうなじを俺がどんな気持ちで見ているか想像もしたことがないだろ。雪の日にわざと薄着で来たのは寒さを言い訳に寄り道したいから。もういっそのこと冷えた指先をマフラーの隙間に入れてしまうか
ケンカ仲間とサボり中、電車内の画面に『今日はヒーローの日』と表示された。「お前の日じゃん」「え!俺のことそんな風に思ってくれてたの⁉︎」確かにこいつのピンチに駆けつけたことが何度かあった。「そういう意味じゃねぇって!お前ヒロアキだから!」「あ、はい」「でも…サンキュー」嬉しすぎ!
1月16日はヒーローの日
頼られたいヒロアキは鈍感。
恋慕と憧憬のすれ違いからの覚醒、両思いはバディものの醍醐味。
熱が出た。退職の意向を伝えて緊張の糸が切れたのだろう。もうこの会社での将来はない。無理は必要はないとわかっているが出社するつもりだった。ダメだよと初めて恋人に反対され、問答無用で布団に包まれた。目覚めると枕元には小さなおむすびが二つ。暖かくなったら恋人をピクニックへ誘うと決めた。
1月17日おむすびの日
天災をきっかけに生まれた温かい心を象徴する記念日だそう。無理ばかりする頑張り屋をずっと止めたくても止められなかった恋人が初めて行動を起こす話。その優しさを感じて、未来の楽しい約束を計画する。
pome村さん@pomemura_
#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる
2025年の第7弾!
アイドルくんとハートポーズ
https://x.com/pomemura_/status/1879865437036646722
待って待って、俺大丈夫?普通の顔出来てる?
距離を取ろうとしたら「こっち向いてよ」とイケボが追いかけてきて、肩を抱き寄せられた。
「緊張してる?」違う。
「照れてる?」違う。もう無理、限界。
「かっこいいw」
いつもしかめっ面のお前が隠れアイドルやってるなんて噴き出すに決まってるだろ!
伸ばしっぱなしの髪を整え、黒縁のメガネを外したくらいで変装のつもりか!言っとくけどお前が最後尾に並んだ瞬間から気が付いてたからな?
拗らせた片思いを成就させるためにアイドルになったんだ。本気で行くぜ。お前が隠れドルオタなのは知っている。「かっこいいw」って草生やすな。本音なくせにw
好きだよ、と君に告げて2年が経とうとしている。あの日見た冬晴れの青空には雲ひとつなく、一人で立ち尽くす僕を慰めているようだった。「契約更新でよろしいですか?」不動産屋の言葉に我に返り、僕も頷いた。告白に返事もしないで二人で住む部屋の契約をしてきた慌てん坊、今も変わらず大好きだよ。
1月18日いい部屋の日
嬉しすぎて周りが見えなくなっちゃう人、かわいい。
三十も半ばを過ぎ、もうアラサーではないと気づいた。「四捨五入したら四十か」いつの間にかシワが増えた手の甲を見ていると、ふっくらとハリのある手に包まれた。「切り捨てたら三十でしょ。俺が四捨五入したら三十なんで、ふたりとも三十路です。おそろい!」干支が同じ恋人の言葉に笑みがこぼれる。
1月19日(1月第3日曜日)三十路の日
上司と部下、ひとまわり歳の差があり、男同士。曖昧な気持ちのまま親密になったふたりが結ばれる話を書いています。きっとアフターストーリーはこんな感じ。
カフェ店員ときどきバックパッカー。気まぐれに生きる俺に惚れた男は世界的な大富豪だった。「君がまだしたことのない旅行って何?」あ〜高額なサプライズプレゼントの計画の予感。「団体旅行」回避成功!と思ったのに仕事帰りに攫われ気がつけば豪華クルーズ船の中「一緒に世界一周しよう♡」マジか!
1月20日海外団体旅行の日
出会いはカフェ。「コーヒー好きなの?」「大好き!コロンビアでさ……」とひとしきり盛り上がった翌日に100gで30000円のブラックアイボリー(象のお腹を通過したコーヒー豆)をプレゼントされた前例がある。それ以来怖くてフリートークが全く弾まないふたり。
アラフィフの自分となぜか話が合う二十代の飲み仲間がいる。「運命ですよ」と色っぽい視線を送り口説いてくる大胆不敵な男だ。もしかして年齢をサバ読んでいる……?「線路の脇のつぼみは?」「赤いスイートピー、ですか?」「二十代なんて嘘‼︎」「なんで⁉︎ロック歌手が歌ってるやつですよね⁉︎」
1月21日はスイートピーの日
あの名曲を題材に。繰り返しカバーされているので、若者が知っていても不思議はないですね。
二番の歌詞でクイズを出すあたり、本気で疑っています。もう年齢差を感じないのは運命だと認めて結ばれて欲しい、二十代×アラフィフカップル。
同居人と同時に体調不良。感染症検査キットの判定は陽性。タイミング悪く冷蔵庫は空っぽなので、食事はアプリで配達を頼む。インド料理にタイ料理「俺カレーばっか頼んでるな」「治ったら買い物行って好きなもん食おうぜ」「カレーライスがいい」「マジか」「お前の味が恋しい」やめろよ、期待するだろ
1月22日カレーライスの日・カレーの日
カレー好きに恋する男。ふたりで同時に体調不良だと感染を心配せずに支え合えるのがいい。食欲ないと言いながら二人で額を寄せ合ってスマホでご飯をオーダーするけど、結局カレー。元気になった時に食べたいのは自分の作るカレーなんて期待するに決まってる。
恋人が海外赴任に出た。駐在先のインフラ事情は最悪で文通さえ出来ない。すぐにEメールの味気なさに僕は参ってしまい彼の「愛してる」に「信じられない」と返した。彼からの返信は本文なしでファイルが添付されている。「愛してる」の手書き文字が水に滲んだ写真。もぉ何なの?大好き。僕も愛してる。
1月23日電子メールの日
好きな人の手書き文字って特別ですよね。残念ながら中南米は手紙が無事に着くわけない、という人がいるほどで、文通よりも通話やメッセージアプリでやり取りするのがスタンダードです。最近はビデオメッセージも人気ですね。
「兄ちゃん、いつもありがとう」となりにすむ兄ちゃんは、ぼくのたのみをなんでも聞いてくれる。年がはなれているから、いつまでも子どもあつかいされているみたい。「ここしばらせて」ってたのんだら、すぐにOKしてくれた。「兄ちゃん、ボーイスカウトでこんなことしないよ。本当はわかってるよね?」
1月24日はボーイスカウト創立記念日
子どもという立場を利用して好き勝手するぼくですが、おなじように兄ちゃんも利用していることに気がつき、共犯者になることを決めた話。一体どこをどう縛ったのでしょうか。
深夜のコンビニバイトは意外とダルい。時給が高い以外のメリットはないのでそろそろ辞めそう。品出しのフリして寝ていたらレジに客がいた。「お待たせしてさーっせんしたぁ…?」リーマンの死んだ目から涙がポロリ。「俺やっぱ左遷されちゃうかなぁ」俺のタイプど真ん中!「ウチでバイトしませんか♡」
1月25日左遷の日
人生舐めてるフリーターが幸の薄いリーマンにロックオン。生真面目で貧乏くじを引くタイプのリーマンにはこれくらい調子の良い人間が合うのかも。
可愛いが息をしている。それが生後半年でモデルデビューを飾った俺のキャッチフレーズだった。二十代になってもマシュマロほっぺにぷるぷるの唇は健在で「可愛いの秘訣は?」と度々聞かれる。「ファンからの愛です♡」と答えるが嘘。豚足。毎日鍋一杯食ってる。沖縄から彼氏が送ってくれてるのも秘密♡
1月26日コラーゲンの日
てびちと彼氏で可愛いを維持するモデルの話。
小2の春、同級生に一目惚れした。誕生日は好きなものをねだる日だと思っていたので、毎年「付き合ってほしい」と告白し「どこに?」と言われ続けている。記念すべき十年目で最後にすると決めた。「結婚してください」「いいよ」「うそぉ」「ほんとぉ」彼氏より家族になりたかったんだって。入籍します
1月27日求婚記念日
誰が見てもベタ惚れとわかる一途な男に絆されて、自分も想うようになったのに、ちっとも気が付いてくれないから意地悪し続けていたへそ曲がり。付き合う前から公認カップルだった二人の話。
同姓婚が可能ならすぐに入籍できますが、養子縁組をするならもう二年待つことになります
出張の予定が繰り上がり帰宅が早まった。恋人を驚かせようとこっそり帰ったら、激しいロックに合わせて頭上でタオルを振りまくっている。「た、ただいま」目が合った瞬間倒れた。「全部忘れて……」「しっかりしろ‼︎何があった⁉︎」「タオルをふわふわに乾かせる裏技です」「乾燥機買ってやるよぉ」
1月28日衣類乾燥機の日
洗ったタオルを干す前に振るとパイルが立ち上がってフワフワになるという裏技です。でもどんなに頑張ってもガス式乾燥機の仕上がりには勝てません。二の腕の筋肉痛が大変です。この恋人はたくましい二の腕をしているのでしょうね。きっと家事で筋トレするタイプ。節約上手。
山が好きで会社でも登山部に入っている。万年部員不足だが、研修で指導した新人が入部してくれた。「エベレスト登頂経験ありなの⁉︎」「そっすね」「じゃあ、南極と北極行ったら極地制覇、極められるじゃん」「俺制覇するなら先輩がいいんですけど。一緒に快感極めましょ」待て待てなんかやばいな⁉︎
1月29日昭和基地開設記念日
逃げ回る先輩を捕まえて「俺の極地制覇の瞬間見たくないですか?」と南極旅行に誘うと「ペンギン見られるなら…」と押し負ける先輩。「こんなの新婚旅行も同然っす。あ、出勤ボードに二人で南極って書いといたんで」「バカバカァ」「どっちが?」「あぁ!言ったな⁉︎」
「先輩、好きです」と顔を赤らめたのは初めだけだった。中学から同じ陸上部の後輩はとにかくグイグイ迫ってくる。なぜか柔軟中の背中を押す力も強い。「先輩、早く覚悟を決めてください。付き合いましょう」「いてて。柔軟はお手柔らかに頼む」「先輩の股関節が心配なので……」「ナニ想像してる⁉︎」
1月30日節々の痛みゼロを目指す日
高齢者だけでなく、BLの世界では若者も節々が痛むものですよね。付き合う前から突き合った後の心配までしている後輩にやっと気がついた先輩でした。
俺たちは同性婚カップルだ。今日のアイツは花束を手に帰宅した。「愛妻の日おめでとう!」「俺が妻かよ」「そうだよ!かわいい方が妻!」「俺がかわいい…だと?」「ゲームに負けるとすねちゃうのかわいい♡あと夜も…」「わ、わかったから」物好きめ。筋肉ダルマをかわいいっていうのはお前だけだぞ?
1月31日は愛妻の日・愛妻感謝の日
ガチムチ筋肉ダルマを愛する夫は小動物系。体は小さくても頼れるかっこいい男です。この二人の間では、かわいい方が妻でかっこいい方が夫。




