2024年7月
Pome村さん主催
#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる
第7弾
https://x.com/pomemura_/status/1817185704708899264
ワイシャツの首元のボタンを一つ外すだけでサラリーマンはひどく無防備になる。
喉の終わりにある窪みを指で突きたい。
居酒屋でお前と話しながら俺はそんなことを考えていた。いつも通り潰れたお前はそんなこと知らずに無防備に眠る。
「好きだ」
来月からは新たな部署で勤務する。お前のいない国で。
〜後日談〜
現地の生活に慣れた半年後くらいに上司をぶん殴ってクビになった“お前”がバックパッカーとして登場。
「なにやってるんだよ……」
「だって話聞いてくれる奴いないからストレス溜まって爆発した。やっぱお前がいないとな〜!」
(勘違いするな、俺!)
「しばらく泊めてくれ!」
「は?!」
第9弾
https://x.com/pomemura_/status/1817919830399525054
「お前、余計な傷をつけていないだろうね」
主人の小さな手が肌をなでる。
「汚れますよ」
「それで僕が止めると思っているの?」
新たな傷がないと確かめ終わると、最後に顔に走る古い傷跡に唇を寄せる。
「僕以外に傷つけさせたら、許さないから」
魂が歓喜に震える。
「我が命、貴方様のものです」
BLove主催【夏のBL川柳大会】参加作品
君の肌ロッカールームで盗み見る
byヘタレ攻め
(告白は諦めオカズ収集に全力を尽くすことにしました)
紳士より獣を望む夏の夜
もうどちら様も夏のせいにして熱い夜を過ごして欲しいよ‼︎‼︎‼︎
夕立は弱気な君の応援団
初めてのデートは緊張し過ぎて、手もつなげないまま終わってしまいそうだった。まだ離れたくないと思った帰り道、あっという間に辺りが暗くなる。路地裏の軒先に駆け込むと激しい雨が降り出した。
「しばらく止みそうにないね」
デートは延長戦に突入した。
さぁ、どうする?
頬を寄せビルの隙間の花火見る
小さなアパートのベランダで、安い缶チューハイを回し飲みしながら楽しんで、「首が痛い」「腰が痛い」と大笑いながら、マッサージを口実にベッドに飛び込んで。
夕立が壊す友情、燃える恋
「何アイス?」君と食べるのミルク味
「たれてるよ?」そうだよ早くぬぐってよ
「時間切れ」誘い受けのち襲い受け
日焼け肌水着のあとが見つからず
「ついて来い」役目逆転きもだめし
「暑くてもアンダーシャツは着ておけよ!」
攻めより
「ふざけんな!Tシャツ着ても隠れねぇ!!」
受けより
「涼んでく?」猛暑が俺に味方する
クーラーつけてベッドにダイブ
(短歌だったらこれが下の句)
お題 時間+動作+何か
https://shindanmaker.com/1208420
「終了直後」「隠す」「玉」
(フォロワーさんのお題と作品を見て、青春風味を学んで書いてみたやつ)
部内の紅白戦の時だけ俺の盗塁成功率は高い。グローブ越しに俺に触れ悔しそうにするお前が見たくて二塁を目指す「すげぇな」ハイタッチを誘うお前の右手に誘われて一歩踏みだした。「アウト」審判の声にハッとする「隠し球。俺の勝ち」「は⁉︎汚ねぇ!」試合終了直後に始める口喧嘩も楽しみのひとつ
(最初に浮かんでたやつを全年齢にしたやつ)
情熱的に体をつなげても事の終了直後から君のよそよそしさは始まり、すぐにスーツを着て、ただの同僚に戻ろうとする。
じゃあスーツを隠し、シーツを独占したらどうなるか。
「悪趣味」
「そこが好きなくせに」
「好きじゃねぇよ!」
股間を隠す両手がかわいい。
「ごちそう様です」
「目玉つぶすぞ」
「百夜」「願う」「耳」
最愛の人を亡くすと同時に発覚した相手の不貞に、友はすっかり心を病んでしまった。
「憎い、あぁ、憎い。絶対に愛されるな。絶対に。俺抜きに幸せになるなんて許さない」
百夜願う友の声はあまりに必死で耳を塞ぎたくなる。
だってそれは私の心そのものだ。
私の気持ちなど知らない友よ、幸せになるな。
「昼前」「裂く」「腕」
「え、なに?」
お前の腕をつかんだことに何の意味もなかったのに、慌てる顔を見たら、イタズラしてやろうと思った。
「いいじゃん、こっち来いよ」
昼前の屋上は誰もいない。
付き合い始めた彼女は後輩だっけ?大事にしてるんだっけか。二人の仲を裂く気はないけど、ごめん。絶対お前、俺にハマるよ。
「将来」「行く」「脚」
出社して玄関にA4の紙が貼られているのをみつけた。なんと弊社倒産のおしらせ。ショックを受けるより先に、納品を遅らせてくださいと取引先を回る謝罪行脚にもう行かなくて良いんだとホッとした。無職一日目、やるべきことは将来を忘れて酒盛りだろ。まさか運命の出会いがあるなんて俺はまだ知らない。
「月の初め」「走る」「店」
月の初めに必ず店に来る小さなお客様。元気に走る足音に「いらっしゃい」とむかえれば、ぷっくりとした手が差し出され「マドレーヌください!」と弾む声が追いかけてくる。「僕、お兄さんのお菓子が一番好き。一生通うから!」まさか十年後に若きバリスタとして押しかけてくるなんて、俺はまだ知らない
〜後日談〜
若きバリスタはでかいが可愛い顔は健在で、頼み込んでイートインスペースを作って、お兄さんのお菓子に合うコーヒーを淹れる。お客さんがいない時はお兄さんを座らせてとっておきの一杯を飲ませるし、肩を揉んで、あわよくばキスまで行きたいけど、指圧がうますぎてお兄さんからはおじさんの声が出る。
「一昨日」「つつく」「脚」
一昨日の夢を思い出す。つつかれた感触に薄目を開けて確認すると頭上に白い脚が伸びていた。「ただいま」と懐かしい声がしておしまい。従兄弟のしず兄を最後に見たのは高一の夏。俺がキスをして、しず兄は出ていってしまった。性欲?憧れ?恋?俺の中で燻る感情の正体は未だ不明のまま三度目の夏が来る
「春」「教える」「白」
それは寒い夜のことだった。
「息を吐いてみて」としず兄が幼い俺に言う。
「はぁ……こう?」
「やっぱり。息の白さが春の色になってる」
「そんな色があるの?」
「見てごらん。はぁ……」
俺は息を吐く赤い唇に釘付けになる。
苦しい胸が教える俺の恋の始まり。
何も知らないしず兄は俺に笑ってた。
「終了直後」「打つ」「耳」
アイドルの握手会にて整理券配布終了直後、必死の形相で男が駆け込んできた。残念、滑り込みアウト。「配布は終了しました」お断りするとすぐさまパチーンと激しく肌を打つ音が耳をつく。「うわー!寝坊した俺のバカバカバカ‼︎」自ら頬を叩くご乱心のオタク。うるさい男を飼うのも面白いかもしれない
「去年」「踊る」「花」
最愛を見送り新盆を済ませ、気がつけば全てが去年の出来事になっていた。
何かしようと思うが、やっぱり動けないまま時は過ぎる。そうだろうと思った、と友人は笑い、手土産の盆提灯を組み立てて置いていった。スイッチを入れれば花が踊る。くるくるくるり忙しない。早く私のための白い提灯が欲しい。
「今晩」「逃げる」「実」
ずっと忘れられない男がいる。
高校の卒業式に突然キスしてきた同級生。
「実りある人生を!」と笑って逃げるアイツがなにをしたかったのかは不明のままだ。
深夜の公園でアイツを見つけたときに、俺は復讐を決めた。今晩は新月だから、きっと俺だとは気づかない。正体不明のキスに惑わされるがいい。
「秋」「暴れる」「槍」
戦は夏が終わってから。
君が好きだった季節に勝利を手向けるのがふさわしい。
「戦だ」「殿?なぜこのような時期に」「理由など良いだろ」「むりむり」「なぜだ。やっと暴れる気になったのに横槍を入れるな」「秋は収穫で忙しいんです!だからあの方の好きな季節だったんですよ。貴方といられるから」
「そのうち」「拾う」「縄」
「そんな物いらない」とせっかく用意した物を床に落とすお前に笑ってしまう。
「その言葉、後悔するなよ?」
「するわけ、ないだろう」
吐き出された強気な言葉は、すでに震えていた。己の欲望に気がついているくせに往生際が悪い。
そのうち俺に乞うだろう。「その縄を拾うので、縛ってください」と。
「夜更け」「見る」「肩」
疲れた顔が並ぶ夜更けの電車内は良い。この中には、誰かを悩ます嫌味な上司や生意気な後輩もいるのだろうが、一様に不幸そうだ。そんな意地の悪い俺の肩にコツンと小さな頭が乗っている。無邪気な寝顔を晒す腐れ縁の男。俺がじっと見ているなんて知らずにいい気なものだ。そのうち、食っちまうからな。




