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2024年3月

3月になりました。 自作のお題メーカー(https://shindanmaker.com/1197007)を使って今日は何の日を書きます。 



俺のヤキモチはペン先から始まることさえある。

最近ガラスペンに夢中な恋人は放っておいたらいつまでも俺を忘れて字を書いているのだろう。夢中になっている顔は好きだが俺の居場所がない気がしてつまらない。なんて思っていた。実はこの時書いていたのが俺へのラブレターだと知るのはまだ先のこと。


3月1日は未来郵便の日です。

五年後、十年後に届く手紙を恋人にあてるのは勇気が必要ですね。ヤキモチ焼きの'俺'が思うより、ずっとずっと恋人の愛は深いのかもしれません。夢中になっているのは愛する人へ大切なメッセージを綴っていたからだなんて想像もしていないことでしょう。鈍感め。

「ペン先から始まる」



化粧が好きなわけじゃない。それでも唇に紅をはく日があるのは、そうすれば少し口角を上げるだけで派手に笑って見えるからだ。バニークラブの薄暗い店内で客が望むのは束の間の夢だからそれで十分だろう。グラスにベッタリとついた口紅に、あの夜、慌てたガイジンさんを思い出す。もう会うことはない。

3月2日は出会の日です。

3月10日発行の「バイバイ・バニー」より。

https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G1200143632930110001

バニーボーイのイサキは人生を諦め冷め切っていたはずが、客としてやってきた金髪碧眼のサラリーマンとの出会いで少しずつ変化していきます。運命なのか、期間限定の恋なのか。「グラスに口紅」



ご主人が通りがかったので僕は尻尾を振って合図する。

「ご飯をあげていなかったかな。すぐ忘れてしまうね」

そう言って眉を下げるけど違うよ。

もうご飯はもらったし僕はご主人に大好きと伝えたかっただけ。

次の世もご主人に飼われたいと願ったのは僕だけど、金魚なんて嫌だ。抱きしめて貰えないよ。

三月三日は金魚の日です。

大好きなご主人と死に別れたのち生まれ変わり、再び飼われることになった金魚の不満。「すぐ忘れてしまうね」





ダダダダダ

真夜に騒音で眼が覚める。ここは日本で銃撃の危険はないから大丈夫な筈だが一応覗きに行った。

「おい」

「あ!だめ〜!」

机の上を急いで隠す小さな背中が焦っていた。

「見てない。見てないけど怪我するなよ」

にわか仕込みのミシンで何するつもりだ?

今月はホワイトデーがあるのか……



3月4日はミシンの日です。

同居人にバレンタインをあげているらしいし、ホワイトデーに向けてお返しを手作りするくらいですから、腐れ縁でカモフラージュした好き同士なのでしょう。

「にわか仕込み」





君が花粉症で良かった。

春になると鼻をぐずぐずいわせる君は、僕の住む沖縄に遊びに来ると元気になる。

「ソーキそば食べて、ダイビングでサンゴ見て、石垣牛も食べて……」

指折り数えながら行きたい場所を僕に告げ「沖縄の魅力詰め放題!」と言って笑った。

僕にとっては君との思い出詰め放題だよ。



3月5日はサンゴの日。

沖縄在住の彼は片想いだと思っていますが、わざわざ飛行機に乗って彼に会いに遊びに来るんだから、花粉症以外の理由もあることにいつ気がつくのでしょうか。

「詰め放題」





玄関開けたら飛び込んでくる。泣き顔、笑い顔、企み顔。貧乏子沢山だったうちの家は肩を寄せあい小さな家で生活していた。高卒で都内へ就職し一人暮らしを始めた時は部屋が静か過ぎて寝られなかったけど、可愛い顔したお隣さんと恋に落ちてからは大丈夫。「お袋かよ」と悪態をつかれるの嬉し過ぎる!



3月6日は弟の日です。長男気質の男が恋に落ちた可愛良いけどだらしないお隣さん。実は童顔なだけの年上で、新卒でへとへとになったところを甘えさせてもらえるかも?

「玄関開けたら」





自分が好きだからって他人も好きとは限らないと、わかっているのにすぐ忘れてしまう。やっと恋が始まり出した相手を誘って春の海で釣りなんて最高のデートだと思ったのに「寒い。クソバカ」と怒られたのは苦い思い出だ。[今日の釣果]写真を送ればすぐに返信が来る。[塩釜焼きの準備しておく]だと。



3月7日はさかなの日です。

好きな人といつも一緒もいいけど、無理をしては喧嘩の元。長く付き合うには、不満を伝えるのも大切なことでしょう。春の海で凍えさせたのに嫌われなくてよかったね。

「苦い思い出」





痴話喧嘩をした後に花束は逆効果だというが、うちの場合はどうなんだろう。不精なくせに色白の肌と艶やかな黒髪を保つカイトはきっと花も似合うだろう。花束を贈りたい気もするがそれでは機嫌は直らない。いつか派手な喧嘩をして限界まで拗れたらどうするかはもう決めている。ビールサーバーを買う。



3月8日はビールサーバーの日です。

J.Garden55にて発行の新刊「ヘラヘラ遊び人が扇風機男と会ったなら」より。

通販はこちら。

https://comicomi-studio.com/goods/detail/170836

「花束は逆効果」





モデルに興味なんかなかった。いつも通り会場設営をしながらリハーサルを横目で見ていた。すぐ横を通過するモデルたちはどれも人形みたいだ。ただ、一人だけ目が爛々と輝いていた。野生動物みたいに闊歩する姿に「すげぇ」と呟いたら目があった。「Thank you」一瞬で囚われた。なぁ、俺を食ってくれ。



3月9日はサンキューの日です。

会場設営担当のフリーターが胸を撃ち抜かれたのは海外のトップモデル。ファンとして追いかけるのか、会場設計のプロとして手腕を磨き共に輝くのか。

「キャットウォーク」





最近のお前は気がつけばSNSと睨めっこ。「神が降臨する!」と無神論者のくせに目を輝かせていた。デートの時そんな顔しないのに。あれ買ってこれ買ってと一生懸命作った買い物メモ付きマップと小銭の棒金を持って「いざ出陣」と言うから全部奪い取った。「お前の手は俺専用」ナビと荷物持ちは任せろ!



3月10日は #JGARDEN55 の日です。

腐男子くんを見守る恋人の視点でした。同じ様にBLファンじゃなくても、サポート役として一緒に楽しむイイ男です。

初めてのサークル参加【り04b】です。

お会い出来る方、楽しみにしています。遠隔参加の方は暖かくしてお過ごしください。

いってきます



 3月11日はおうえんの日

 おやすみと集中する背中に声をかけて寝室へ向かう、ふり。方向転換したら、抜き足、差し足、忍び足。リビングの明かりが漏れる廊下の隅でじっと耳を澄ます。最近一緒に寝てくれないのが寂しかったけど君が練習しているのを知ったんだ。

「む、息子さんをください!」

 本番はいつなの?

 がんばれ♡

 

 3月12日は財布の日

 今夜の獲物は黒縁メガネの真面目リーマン。「一緒にあそぼ?」と声をかけたら動揺しすぎて固まってた。一晩中その調子だから、一戦終えたらすぐにへばっちゃった。ラッキー! 僕の目的はこの後。お財布を失敬して諭吉さんおいで〜と思ったら、嘘でしょ⁉︎ バリバリバリって音するタイプじゃん。やるな。

 

 3月13日はサンドイッチデー

 幼馴染だった君と僕。今の君は主人で僕は使用人だからいつ側を離れることになるかわからない。君には幸せでいて欲しいから、僕の知る全てを未来の君の伴侶に引き継ぎたい。あれが好き、これが嫌い。欠かせない習慣に大好きな行事。一番の好物は僕の作るサンドイッチ。レシピを載せるの本当は嫌なんだ。



 3月14日は円周率の日

「お茶していこう?」俺が誘ってばかりだったから、お前の言葉にドキッとした。だって今日はホワイトデーだ。バレンタインは妹の手作りと嘘をついてブラウニーをあげたからそのお返しかも、と期待した。

 案内されたパイ屋に書かれたπの日割引の文字を見て俺は納得した。そうだよ、そんなわけない。



 3月15日は靴の日

 平凡な顔立ちに普通体型の僕だって、オシャレをすれば2割増くらいにはなれると信じて奮闘中。それなのに幼馴染のイケメンはいちいち一言余計だ。

「新しい靴買った〜」

「いい色。だけどポインテッドトゥはお前の足の形に合わないぞ」

 ほら、やっぱり。

「靴擦れができたら、俺がおぶってやるからな」



 3月16日は折り畳み傘の日

 課題のプリントのせいで、随分帰るのが遅くなってしまった。やっと帰れると思ったら急に雨が降り出した。ツイてないな。昇降口で途方に暮れていると声をかけられた。「傘ない?これ」手の中に押しつけられた折り畳み傘にびっくりしてる間に彼は雨の中に飛び出した。お前誰だよ。好きになっちゃうよ。



 3月17日セイントパトリックスデイ

「アイム・アイリッシュ」

「バカかよ。お前純日本人だろ」

「は?ノリ悪すぎだろ。今日はセイントパトリックスデイなの。アイリッシュは好き放題できるらしいぜ」

「好き放題って何したいの?」

「そうだなぁ、可愛い子にキスされたい」

「クソ童貞発言」

「うっせぇ」

「来いよ、俺がキスしてやる」 



 3月18日春の睡眠の日

 日差しの暖かな昼間の電車に乗るのが好き。

 とろりとろとろ、思考が溶ける。

 ドアから吹き込む風が冷たいせいで、意識を手放すには至らず、急浮上しては沈むの繰り返し。

 眠ってしまうのはもったいなくて起きていたかったのに、貴方が肩を抱き寄せるから、あっという間に眠りは深くなる。ね、大好き。



 3月19日ミュージックの日

 帰宅して耳をすませばお前の機嫌がわかる。柔らかいハミングは穏やかな1日を過ごした証拠で、力強く熱唱する歌声は俺の帰宅に気がついた途端に「ちょっと聞いてよ!」と勢いのあるお喋りに変わるのだろう。それも良いけど、やっぱり俺はいつまでもお前のファンだから玄関で息を潜めている日がある。 

(【ケーキバース】何もいらない。全部欲しい。https://novel18.syosetu.com/n2428io/)





 3月20日電卓の日

「また余計なもの買ったな⁉︎」

 節約大好きな恋人は厳しい。

「俺の小遣いだからいいだろ」

「コンビニで買い物するな。スーパーのが安い。しかも定期の範囲外の駅で降りたな⁉︎」

 こいつに隠し事はどうしたって出来ない。

「コンビニ限定だったの。お前の好きな桜味」

「……ありがと」



 3月21日Twitter誕生日

 SNSの繋がりは面白い。顔も知らないのにやけに気が合う人がいたりして、リアルにはない結びつきがそこにある。

 [今日幼馴染に告白する]

 親しいフォロワーさんがそう言っていたので[がんばれ!]と送ったら目の前の幼なじみが「がんばる!」と拳を握り締めた。え?え?もしかして?もしかする??



 3月22日さくらねこの日

 独り暮らしの俺を慰めてくれるのは、気まぐれに遊びに来る近所の野良猫だ。濡れ縁で寝っ転がっていれば腹に乗ってくる。耳の先が切れていたから怪我しているのかと思ったら、避妊手術済みの印だと初めて知った。

「お前は気持ち良いこと出来ないんだな」と言ったら股間を踏まれた。え?お前猫だよな?



 3月23日ホットサンドを楽しむ日

 休みの日は早起きなんか無理。前日は夜更かしをして好きなことを好きなだけするから体はクタクタだ。腹の虫が鳴って目を覚ませば昼過ぎで部屋には香ばしい匂いが漂う。

「昼飯できたぞ」

 腰の痛みは呼びに来たお前のせいなのに知らん顔してるから憎たらしい。でもホットサンドがおいしいから許す!

(同級生の家にゾンビドラマ見にいったら囲い込まれたんだが、その話聞く?!https://novel18.syosetu.com/n0684ih/ より)





 3月24日マネキンの日

「お前よりマネキンのがマシだ」

 見た目の良さに自惚れた俺は服よりも自分を見せることばかりに夢中だった。そんな俺の鼻っ柱をへし折ったと思ったら「良いモデルを目指すなら私の服に惚れたらいい」と笑った貴方がいなければモデルの頂点なんて目指さなかった。でも惚れたのは服じゃなくて貴方だ。



 3月25日ご自愛の日。

 年度末というだけで仕事は忙しいのに、インフルエンザが部署内に上陸して人員が削られていく。管理職の自分が休むわけにはいかないから、頭痛は眼精疲労で暑いのは暖房のせいと言い聞かせていた。「そういうの迷惑っす」冷めた新人の一言に苦笑するしかなかった。「課長が休んだら俺の元気出ないんで」



 3月26日食品サンプルの日

自分に似合うのが女の服で、男を興奮させるのがうまかったというだけ。裏アカ男の娘の俺は美味しそうなだけの食品サンプルみたいな偽物としてフォロワーを騙して稼いでいく筈だった。「僕が幸せにしてあげる」と笑う人畜無害そうな男の手練手管で、あっという間にオンナにされちゃうなんて信じられる?



 3月27日オンライン花見の日

 季節感なんて気にしたこともなかったのに、お前が近くにいないから俺はすっかりおかしくなってしまった。海の向こうで暮らすお前と話したくて、花見に行こうぜ、なんてガラにもなく誘った。ビデオ通話を繋ぎながらサクラの名所を写してやる。「桜が恋しいだろ?」「全然」「なんだよ」「君が恋しいよ」



 3月28日三ツ矢サイダーの日

「ハニー酔っ払っちゃったのね」

「うそつき。これサイダーっていった」

「ふふ、サイダーはCidreが由来らしいよ」

「ミツヤかとおもった。ひさしぶりにおさけのんだ。ふわふわする」

ぺたりと身を預ける小さな体を抱き上げて寝室へ向かう。

「えっちだ」

「そういうつもりじゃなかったんだけどね?」



 3月29日の日マリモの日

俺の恋人はつれない。付き合い始めてもう3年も経った。もちろん体の関係もあるが、決して泊まっていくことはない。

「誕生日は一緒に朝を迎えたい。俺を愛しているなら頼むよ」

俺が本気だとわかると観念したように息をついた。

「絶対笑わないでね。僕寝癖がすごいの。マリモみたいになっちゃうの」



 3月30日マフィアの日

「レオ、ボタン取れてる。つけてやるよ」

「ありがとう。湊はなんでも出来るね」

恋人の言葉にいい気になったせいで、針が親指に刺さった。赤い雫にレオの目が釘付けになる。

「愛してる……‼︎」

針を奪うと自分の指に突き刺し俺の指に重ね合わせた。マフィアの息子って冗談だと思ってたんだけど?!

シチリアのマフィアはメンバー入りする際に互いの親指に針を刺して重ね血を混ぜ合わせることでファミリーになったとする儀式があったそうです。

(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E3%81%AE%E6%8E%9F)



 3月31日は体内時計の日

残業を終えて帰宅すると、俺を見た同居人は「何か食べたい」と言う。

「遅いから素うどんな」

正直うんざりだが「やった」と喜ぶ姿を見ると口の中にいた文句はどこかに行ってしまう。

「俺の顔見るたびにそう言うよな」

「体内時計がそうなってる」

「そうかよ」

「あと、君が美味しそうだからかも」





【「三人称視点」で「男の娘とメンズ地下アイドル」二人の「最初で最後の」濡れ場をかいてください。】

解散が決まってから男はやりたい放題だった。今日も目についた可愛い子をホテルに誘う。

「え、本気?そんなとこへ二人で行くのダメだよぉ」

「重課金のガチ恋勢とは思えない発言!かーわいい♡緊張してるの?」

「だって絶対後悔すると思うもん」

「しなーい」

「お前、抱かれる覚悟してないだろ?」





【「放浪の旅人」と「ぐうたら王子」の二人が「借金を申し込んだ後」で「ばか」と言って終わる物語を書いてください。】

どんなに小汚い格好をしたって育ちの良さを隠し切ることはできない。逗留中の街で共に杯を重ねた相手の素性はわからないまま旅立ちが近づいていた。

「あ、金がない。貸してくれ」

「おう」

「家寄って。返すから」

「どこ?」

「王宮」

「は?」

「王子なの」

「は?護衛なし?危ないだろ馬鹿!」





【一日中不幸だった男とその恋人」二人が「新築マンションのショールーム」で「ばか」と言って終わる物語を書いてください。】



「生きるのに向いてない」 「ほぉ」 「寝坊して、電車止まって、連絡しようとしたらスマホないのに気がついて、会社に駆け込んだら夜勤だったんだもん」 「そのおかげで僕と新居探しできるからプラマイゼロでしょ」 「マンション買うの?」 「君と一緒に生きていきたいからね」 「無職のくせに、ばか」



住所不定・無職の僕を拾っちゃうお人よし。汗水たらして真面目に働く君は世界一優しい人。薄給の節約生活なのに、一日中ゴロゴロしてる僕に働けと言ったことは一度もない。「恋人にして」と言ったら頷いたけど、まさかボランティア精神?そんなの絶対に許さない。一緒に住むマンション買ってよ、ばか。





【「実を言うと」を使って140字の物語を書いてください。】



目が合うと君の頬が赤らんだ。

「そんなに見つめられたら、照れちゃうよ」

「だって好きなんだもん」

「どうせ顔だけだろ」

不貞腐れる彼をあやすように「顔じゃないよ、好きだよ」と甘くささやけば、白い歯がこぼれる。

あぁ、好き、大好き。

実を言うと好きなのは顔じゃない。君の犬歯が好きなんだ。



貴方の甘い視線を自分からそらしたいのは、恥ずかしいからじゃない。実を言うと、噛みつきたいのを我慢しているからなんだ。

「ねぇ、もっと近くで見せて」と無邪気に顔を寄せてくる貴方は思ってもみないだろうね。俺が貴方を食べちゃいたいと思ってること。

愛してる。食べて一つになってしまいたい。





【「三人称視点」で「墓守と花屋」二人の「閉店後のレストランでする」濡れ場をかいてください。】



「花屋のお前があんなことをするなんて」 「村の人間を一掃したことか?」 「あぁ」 「墓守だって誕生日くらい仕事を休みたいと言ったのはお前だろ。おかげで貸切のレストランでパーティができる。どうせ準備してあるんだろう?誕生日プレゼントに俺をやるよ」 この後を知るのは花屋と墓守の二人だけ。





【「第二王子」と「魔術学校の生徒」の二人が「魔物が潜む森の中」で「ばか」と言って終わる物語を書いてください。】



どちらが嵌められたのかはわからない。庶民のくせに主席の俺と政争に巻き込まれてばかりの第二王子は、課外授業の最中に魔物の住む森に迷い込んでいた。

王子は力なく笑う。

「お前は将来有望だろう?私を囮にしろ。二番目の人生なんて飽き飽きだ」

「死なせるか。俺にとってお前は一番なんだ。ばか」





【「受け視点」で「視線で通じ合える」二人の「泣きながらする」濡れ場をかいてください。】



「あぁ……」

どうしてこんな声が漏れてしまうんだろう。こんなことの為にある場所じゃないのに、すっかり作り変えられてしまった。

今夜の貴方は何も言わないがこれが最後の夜だとわかる。いつものように甘いのに揺れる視線が物語っていた。

なぁ、どうしてくれる?

睨みつけたいのに貴方が見えない。





【「追放された王弟」と「後宮の使用人」の二人が「年に一度の収穫祭」で「ばか」と言って終わる物語を書いてください。】



粗末な格好だって一目で分かった。王座など望まずに父の妾たちと後宮でくつろぎ、私に菓子をねだった貴方だと。

「どうして」

——兄王に見つかったら命が危ないのに。

恐ろしくて声に出すことはできなかった。

「約束したろ。次の収穫祭は一緒に行くって。針千本飲みたくないから来たよ」

「……ばか」





【「檻の中から眺めると」をお題に140字の物語を書いてください。】



貴方が可哀想で仕方ない。

首輪をつけても鎖をつけても、だめ。ついにこんな大きな金属製の箱まで買ってきて僕を閉じ込めるなんて。「ずっと一緒だよ」って言ってるのに、これでもだめか。鉄格子の向こうに見える不安に揺れる瞳に胸が苦しくなる。

「じゃあ、一つになろう。食べたい?食べられたい?」



「食べたい?食べられたい?」

俺にそんな質問をするなんて馬鹿げている。自由を奪われ、閉じ込められてもまだ自分の立場ってものがわかっていないらしい。真面目なサラリーマンだったのに日に日に罪が増えていく。脅迫、誘拐、監禁、お次はなんだ?もうとっくに俺の人生はお前に喰われているんだよ。



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