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第1話 お屋敷での退屈な顔合わせ会

物語りの本編を、いくつかに分けて掲載します。

これは、「王都学園編」となります。

 エルフ歴1008年8月1日


 私の名前は、ロゼッタ・ドラコ。みんなから『ロゼ』って呼ばれているわ。一応、子爵家の娘よ、あら、話し方が貴族らしくないって?。そうね、いつも母や護衛・使用人と一緒にいるからかしら?、母も護衛もギルドに勤めているの。それで、平民の生活に慣れてたのかしら、貴族の生活って堅苦しいじゃない、スキじゃないわ。

 そうそう、私は()()()()よ。だって、母に聞いたんだから間違いないわ。()がいくら先に生まれたと言っても、そこは譲れないわ。




 貴族ってどうして、何かある度に子供を巻き添えにするのかしら。

 それは、王立学院に入学する前の「お披露目会」。

 そんなの必要かしら?

 子供が学校に行くだけよ、聞いたことが無いんだけど。


 最初の日は、領主の館で町の有力者との昼食会。

 お飾りの人形よ。二人で椅子に腰かけて(子供だから疲れないようにだって)、町長や議員、有名店の店主、大きな工房の親方、それから冒険者・商業・鍛冶・縫製?とかいっぱいギルドがあるでしょ、そのギルドマスターだの・・町中のお偉いさんとの顔合わせだって、疲れるだけじゃない。

 それでも悪い事だけも無い訳じゃなかった、冒険者ギルドマスターから『冒険者カード』貰ったの。それだけじゃないのよ、弟なんかそれ以外に商業ギルドマスターから『(あきない)カード』を貰っちゃた。カードがあると、王都の門番が早く入れてくれるんだって。『商カード』は、登録した町で店や屋台で商売をするカードだって、王都で屋台でもやるのかしら?手伝い?私が?当然やらないわ、弟が勝手にやりたいんでしょ。



 お約束は、昼食だけじゃ?終わっても、テーブルから人が減らないよ。あまり退屈だから、チョット抜け出す事にしたの。まあ、顔合わせは弟がいるから大丈夫でしょ。


 おトイレに行って、そうね、お腹が空いて来てたから厨房に行く事にしたの。だって、席の食事は少ないし、たち替わりお偉いさんがくるでしょ、とても食事どころじゃないのよ。

 庭に厨房(人もものも)が移動していているから、屋敷の厨房に誰かいるかしら?まあ、行ってみて誰も居なかったら庭の厨房に戻って何かもらおうかしら。

 厨房は広いお屋敷の奥、いつも来ているから迷子にはならないわ。

 でも、誰かに見つかったら・・席に連れ戻されるわね。

 それは嫌よ、だから・・人の通らない通路や部屋を横切って・・・。


 ?・・どうして、忙しいメイド達が屋敷の窓を拭いて居たり、執事達が本来はメイドの仕事でしょ、通路の絨毯のシミ取りなんかしてるの?


 見つからない様に、父の執務室の前に来たら・・中から気配が?父は、中庭じゃ?

 「誰かいるの?」

 ドアを開けて入っていくと、そうしたら黒い服を来た男達がいたの。


 私を見て固まっているのよ、私お化けじゃないのにね。

 その二人、どう見ても怪しいでしょ。


 ドアを閉め外に出ようとしたのよ、だって危ないじゃない、そうしたら襲ってきたの。


 私は8才のレディよ、だから同時に襲ってこないで欲しいわ。淑女に対する態度じゃなないわ。


 最初の男が両手を伸ばして迫って来る、武具の師匠に言われているのが、まだ子供だから力も無い。大人や獣と向き合って真向に戦うのは無理なんっだって、そこで子供の戦いをしなさいって言われている。実際、ジャックのおじいちゃんや父のおじいちゃんと何度やっても勝てないしね。

 武具の師匠は誰かって?。師匠は、父(領主)の親父さん、私のおじいちゃんね。父は、先代領主の養子なんだって。だから父方のおじいちゃんが二人いるのよね。

 

 そこでいつも言われている子供(非力者)の戦い方、『敵の力を使え』。


 私は、迫って来る男の目の前から少し横に移動。突き出している片手を取り、そのまま勢いを付けて前方に・・私の横を通り抜ける時に、足で足払い。

 もんどりうって派手な音が屋敷に響く。それに男達はギョとするが、恐らく誰も来ない。脚立からドジなメイドが落ちた位で、誰も騒がない。


 もう一人の男。私に向かっていたが立ち止まる。音に驚いて固まっているようだ。ならば、股間に上段蹴り。キレイにHIT!みるみる変わる顔色、赤から青にそれから白くなってぶっ倒れた。


 最初の男は、起き上がる時に下を見ていたので なぜ相方がぶっ倒れたのか分っていない。怪訝そうな顔で私を見ている。原因はこいつだ・・と思っているが小娘が倒したのか?半信半疑。どうやって倒したのか分からない以上、うかつに飛び掛かれないと部屋を物色している。


 ねえ、卑怯だと思わない?部屋に帽子やコートをかける『コート掛け』あるでしょ。それを私に向けてくるのよ。私、牛や犬じゃないからね、失礼しちゃうわ。


 突き出してくるコート掛けを、上に突き上げる。当然重いコート掛け突き飛ばすなんて出来ない、かがんだ頭上をすり抜けさせるのが狙い。


 かがんだまま、タタッタッと無防備な股間に頭突き。


 あっけないわ、それで終わったの。


 ところがそれからが大変。

 二度の物音に、さすがのメイドも見に来たの。

 開口一番。

 「あらお嬢様。またお部屋で暴れたのですか。あれほどお部屋で遊ばない・・?。」

 途中で床で伸びている男達に気付いたようだ。

 私の服が破けてるのを見ると、状況が分かった様で。隅に転がっているコート掛けを見ながら。

 「お嬢様、壊したのはあれだけですか?」

 私が黙っていると。

 「そのようですね。・・・ところで、お怪我はありませんか?」

 ムッ!普通それが最初でしょ。


 私が顔をふくらませていると。

 「なんでお嬢様に突っかかって行くんでしょうね?よもや捕縛して誘拐しようと?いや、それはないでしょ。」

 私に対してメイド達の評価がおかしい。か弱い幼淑女に言う言葉じゃないよ。


 服が破けている(お披露目会用のおあつらえ衣装で替えが無い)ので、会にもう出なくて良いそうです。厨房で軽く食べ終わったら、お昼寝の時間です。

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