8話meine Ehre heißt Treue
ドイツ ベルリン
ドイツ軍参謀本部、様々な人が行きかう中でひときわ人目を惹く人間がいる。
軍帽からは長い金髪がはみ出し、風になびいている、その美しい姿に誰もが惹かれる。
しかしながら彼女に愛の告白をすることはお勧めできない。
士官学校を卒業したばっかりの青年が彼女に愛の告白をしたとき、その青年は泣きながら帰ってきたそうだ。
最近は人を寄せ付けない雰囲気を纏い、誰も近づこうとしない。
しかしながら彼女には信頼できる部下がいる。
彼女が執務室の近くに行くと自分の副官アンナが敬礼をして
「カリン少佐殿、連絡です」と言う
「ありがとう、その連絡というのは?」
彼女は資料を取り出し読み上げる
「日本においてクーデター未遂があったそうです。鎮圧はされたものの首相は死亡したとのことです」
「対岸の火事とは言ってられないわね」
「そうですね」
第一次世界大戦に勝利したドイツ帝国だが、問題がすべて解決されたわけじゃない。アメリカなどからの工作も増え、政治的に不安定になりつつあった。
カリンはアンナから受け取った書類を手に持ち自室に入る。
そこで彼女は新聞を広げ読み始める
殆どが日本でのクーデターの話だったが一つだけ他の記事があった。
「アメリカで転生者召喚の可能性...ねぇ」
アメリカでは転生者の数が少なく、問題となっていた。
そのアメリカに転生者が召喚されたということは、アメリカの軍事的脅威度は増すということだ。
一参謀である彼女は頭を悩ませていた...