6話 スキル
訓練が始まって数日、少しずつ訓練にも慣れてきた。
転生する前も、それなりに運動してたから運動でそこまで困ることはなかった。
しかしつらいのは勉強である。
勝に教えられつつ勉強してはいるがかなり残念な学力である
特に軍事学なんて、なかなか理解できない
なんだこの、戦術学、戦史、軍制学、兵器学、射撃学、航空学、築城学、交通学、測図学、馬学、衛生学、教育学(軍隊教育・一般教育)、外国語、校内教練、校外教練、陣中勤務、射撃、剣術・体操・馬術、典令範・服務提要って多すぎだろ!
日々、勝、桜、俺の三人で集まって勉強している
「それにしても、私、軍隊の訓練って聞いてたからもっと厳しいものだと思ってたんだけど、なんというか、想像してたより教官とか優しいよね~」
勉強の休憩中、桜がそんなことを言うと
「あぁそれは俺のほうから先に言っておいたんだよ」
と俺が答える
そのとおりである。中学高校と野球部に入っていた俺はバリバリ体育会系なので問題ないのだが、ほかの二人に関しては陸軍の訓練は厳しいと思い、先に事務の人に伝えておいたのである
ナイス俺
因みに桜は射撃や走りなどには参加していない、本人曰く
「えぇ~私走りたくない~」
「筋肉つけたくない~」というわけらしい
これは学校側も認知しているが黙認している、理由は後で説明する
勉強に関しては完全に勝に教えてもらっているが、勝は運動が得意ではないらしい
しかし桜と違って真面目に参加している
成績トップである
さて、なぜ桜は走りに参加しなくてもいいか、説明しよう
補足なんだが、この世界には転生者だけが持つ、スキルというものがある
転生した当初からその一部を所持しており、勉強したり運動したり、新たな経験をすることでさらに入手できる
桜のスキルの中に身体強化系のスキルがある
その能力は常人離れしている、ジャンプするだけで屋根に上れるし、とんでもないスピードで走ることができる。元野球部で足の速さに自信があった俺でさえ足元にも及ばない
身体能力テストでトラックを走った時は左隣をすごい勢いで駆け抜け「左失礼」と言われるわけだ
身体強化訓練をさぼっても黙認されるわけだ
俺の持っているスキルは傷がすぐに治るスキル
所謂「再生」とかいうあれだ
勝のスキルは、物体を移動させるスキル
本人曰く、かなり便利らしい、それに興味深いとのこと
飛ぶ勢いとその力は練習すると少しずつ伸びてるらしい、自分自身を浮かせることもできるかも?とのこと(現在の力では重くて不可能)
少しずつこの世界のルールがわかってきた