4話 訓練の始まり
今日から訓練だ、最初こそ公務員になれると喜んだもののよく考えると軍の訓練は中々厳しいのではないか?
それに昭和の日本なわけだから...良くないことばかり考えてしまう
「はぁ、憂鬱だ」
そう言いながらも訓練校舎に向かっていく
少し前に軍服を支給されたが別に着なくてもいいと言われた。どういうことなのか?
一応着てきたが...
訓練校舎は極秘らしく看板には教育6課と書いてあった
6課ってことは1から5課もあるのだろうか?
一応職員の人間に案内されたときは教育という文字すら見なかったので恐らくないのだろう
よく考えると転生してから振り回されてばかりだ。
学校に入れば少しは落ち着けるだろうか?そうと願うしかないだろう
しかしながら疑問だ。自分は軍隊にはいると言われたが全くそんな感じがしない
軍服は着なくていいと言われるし普通の訓練校舎とは別のところで訓練すると言われるし
軍隊らしさを求めているわけではないが、現実味がない
そんなことを考えながら昭和らしい木製の教室に入り指定された机に座り教官を待つ
「陸軍の教官か...」
どんな強面か
「君が今日から入隊する新人君か~」
馴れ馴れしい声が聞こえてくる、見たところ自分と同い年ぐらいの女性だ
彼女も転生者なのか
「よろしくお願いします」
先輩か、若しくは...
「そんなかしこまらなくていいよ、ほら私達、同級生だから」
そう言われて気付いた
彼女の容姿をよく見ると、流行に乗ってる高校生、しかもかなり可愛い
今の軍に女性がいるとは思えない、間違いなく転生者だろう
髪は黒髪短髪、喋り方や今日から学校に来る人間に普通に話しかけるあたり
かなり元気な性格なんだろう。
この子、この環境になじめるのだろうか
「あの服着るなんてまじめだねぇ」
「着た方がいいかなって...」
クソ!前世でも女子と話すと緊張するんだよ!思春期男子だぞ!
「あんなダサい服死んでも着ない!」
そんなことを考えているともう一人近寄ってきた
「おい、あんまり新人を困らせるなよ桜」
自分が戸惑っていることに気づいて声をかけてくれたらしい(助かる)
どうやら俺に話しかけてきた子の名前は「桜」というらしい
自分を助けてくれた少年は自分と同い年くらい、眼鏡をかけたいかにもまじめな人間って感じだ
「勝~別に困らせてないよ~、ね?」
こっちを向いてくる、やめてほしい、緊張する
「すまんな、まぁこいつも悪意はないから、あまり嫌わないでやってほしい。俺の名前は勝、俺ら三人同級生だからあんまり畏まらずに行こう」
「そうだな、俺の名前は英一だ、よろしく」
「私の名前は桜、よろしくね英一君」
こっち向いてくる、やめてほしい