怪力関西人
学校からの帰り道、町と宮島と私はほぼ毎日のように一緒に帰っていた。
『、、はぁ』
『またため息吐いてる、幸せ逃げるで香恋』
町にため息を注意されるのもこれで何度目だろうか。
『お前は私の母親かっての』
『ママの言うことは素直に聞いといたほうがええで』
光沢のある長く黒い髪、端正な顔立ち、身長170cmのスレンダーボディ、そして性格も良いときた。
なぜこんな完璧超人が私たちとつるんでいるのかよく分からない。
『ヒュゴオォォ、、』
『おいチビ、聞きたくないが何してる?』
『カレンちゃんのため息吸ってる』
『きっしょ』
ポニーテールに結った茶色い髪、155cmの低身長、いつまでたってもガキっぽい身体、更に変態というオマケ付きだ。
町と比べると何もかも負けている。
だが、町にもひとつだけ変わった所があった。
『相変わらずオモロいなぁ、そや、この前チャラ男共にナンパされてな、めっちゃしつこかったから腹たって顔面にグーパンかましてもーてん』
『そしたら、周りの取り巻きみたいなのがキレて襲いかかってきたから、全員血祭りにあげてやったわ』
これである。町はすぐ腕力で物事を解決しようとするのだ。しかも、相当な怪力の持ち主で並みの男なら一撃で沈めてしまう。
『町ぃ、、お前はすぐ力で解決しようとし過ぎだ、いずれ痛い目みるぞ』
『もしかして香恋、私のこと心配してくれるん?嬉しいわぁ、』
『たぁぁ!私もカレンちゃんに心配されたいよ!』
『茶化すな』
『ごめんて、でも誰だって抵抗するやろ?拳で』
『21歳だね!』
心配するのが馬鹿らしくなってきた。
『因みに何人倒したんだ?』
『んー、5人やったかな?二ヶ月前にも同じようなことがあってその時は8人やったけど大して変わらんかったわ』
『シオリちゃんの前世は多分シュワちゃんだね!』
『シュワちゃんまだ生きてるで』
そんな他愛もない(?)会話をしなから私たちは帰路に着いたのだった。