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警察車両

 世間から住宅街での警察車両爆発事件、ならびに住宅爆発事件を大きく取り上げられると、責任と言う言葉が叫ばれるようになる。


 警視庁は多くの抗議文と誹謗中傷の的となる。


 生き残った尾田刑事は警察の事情聴取に対して“何が起きたかわからない”と答え、詳しい説明が出来ぬまま、世間からは更なる怒りを買う結果となったのであった。


 そんな最中、警視庁内部で内通者が存在していると(ささや)かれていた。


 その理由は、爆発した警察車両にあった。

 事件の調査を行うに当たって爆発した警察車両が調査された。

 

 そして、車両の運転席と後部座席の間に爆発物が取り付けられていた事実が明らかになり、爆発物は強固な鉄板に包まれ、上に向かって最大の威力を発揮するように作られていた。


 起爆スイッチについては、エンジンが停止した状態で無線をオンにした際に起動するように細工されており、警察内部を狙ったテロの可能性も同時に浮上する。


 エンジンを掛けた際に爆発するのではなく、停止した状態で無線を使うと起動する異様な爆発物に警察は全ての車両の点検を余儀なくされ、エンジン停止時の無線の使用を禁止する異例の指示を出す事となる。


 更に警察車両の点検を行っている工場やそれに関わる機関に対しての調査が行われる。


 警察は今回の爆発事件により、多くの車両の使用が一時的に制限される事になったのだ。


 内部機密扱いとされた警察車両一斉点検、しかし……数時間と経たずに内部情報がネットに流出する。


 【警察車両の一斉点検】とされたキーワードが次第にネット検索に現れ出すと同時にコンビニ強盗や乱闘と言った事件が警察の動きを確かめるように起こり出す。


 情報の流出、応援が必要となる事件、動こうに動けない多くの警察車両、全てが最悪の状況だった。


 夜になり、動ける警察車両はバイクと全国で点検を終えた限られた台数のみとなっていた。


 そんな国民が不安を感じる夜。


 人通りが少ない公園。


 一人、街灯に照らされた公園内を進む、女性の姿があり、その背後をゆっくりと着けていく男性の姿があった。


 女性は背後からの気配に気づくとあえて、歩みを緩やかにして男性との距離を縮めていく。


 男性はそれに気づき、距離を保つように歩幅を縮めた。


 それを感じとったように、女性は一瞬で駆け出していく。


 その後ろを追い掛ける男性、女性が公衆トイレの角を曲がり、男性の視界から一瞬、姿を消すと慌てた男性が角を勢い良く曲がっていく。


 その直後、男性の下半身に抉られるような痛みが走り「ぎゃあぁぁぁ!」と奇声にも似た叫び声がこだまする。


 下半身を押さえる男性の手からは真っ赤な血液が流れだし、動けない状態の男性は自身の状態をゆっくりと確かめていく。


 そんな男性の顎に目掛けて、女性が蹴りを入れる。


 両手が使えない男性の顎に女性の蹴りが確りと決まるとそのまま、男性は顔面を地面に沈めた。


 それを見た女性がにんまりと笑みを浮かべる。


「女性の後をつけると良くないと、言いましたよね……ちゃんと忠告してあげたのに、私を襲おうなんて、本当にどうしようもない人だわ」


 街灯に照された女性の顔、それは沖野 恵であり、男性の状態を再度確認すると、軽くうなずき、下半身を刺したナイフを手にトドメをさそうと近づく。


 全てを終わらせると沖野 恵は夜の公園から姿を消した。

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