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第20話『互いの相棒』


 「ボス! 健司は見つかりまし……たか?」

 

 救助に来たヘリの燃料に限界がきて一度本部へ戻った遥は話があるとボスに呼ばれ、急いでボスの部屋に入る。

 

 入ったボスの部屋には学校の制服のような服を着た少女がいた。

 

 「いや、健司は今から捜索を再開する。その前にお前に紹介したい奴がいる」

 

 ボスの言葉と共に少女が振り返る。

 

 黒く肩より少し短い髪に、黒く綺麗な瞳。そして、整った顔立ちから遥より少し年上に見える人だった。

 

 「どーも。薫那(かな)っていいます」

 

 話し方からは感じ取れない異様な雰囲気を遥はすぐさま感じ取った。

 

 「この子は?」

 「む、この子はって私のこと年下扱いしないでくれる。私はあんたと同い年なんだけど」

 

 遥をジト目で睨みつける。

 

 「ああ、そう」

 

 今の遥にとってそんな事はどうでもよかった。

 実際ボスが健司を捜索を再開するより優先して女を紹介することに苛立ちすら感じていた。

 

 「な……!」

 

 遥のそんな心境を知らない少女は黙り込むも遥のことを睨み続ける。

 

 「健司の捜索を早く再開してくだい」

 「ああ、分かっている。捜索はそいつも連れていけ」

 

 ボスは遥の横に立って遥をにらみ続けている少女を指さす。

 

 「は? 普通の人を俺たちの任務に同行させれるわけないじゃないですか。ましてや女の子ですよ?」

 「そいつ悪魔だぞ」

 「悪……魔?」

 「どーも。悪魔です」

 

 最初の挨拶と全く同じトーンで手を挙げながら言ってくる。

 遥はホルスターのデザートイーグルに手を伸ばし、警戒態勢に入る。

 

 「な、な、何で悪魔が!? 悪魔はヴァサゴの仲間なんじゃ」

 「その確率が高いってだけだ。こいつはお前に魔法を渡した悪魔だよ」

 「え……?」

 

 ボスと薫那の顔を交互に見る。

 

 「あぁ、もう! 話の展開が早すぎますよ!」

 「面倒臭いから端的に話すとだな、薫那は悪魔でお前に魔法を渡した悪魔。そしてこれからの戦いに協力してもらうため元々軍で私の書記をしてもらってたんだが、現場に戻ってもらうことにした」

 

 スラスラと話すボスに遥はこくこくと頷くしかなかった。

 

 「という事で、宜しくお願いします」

 

 薫那は手を出して握手を求めてきた。

 

 「あ、ああ。宜しく」

 

 遥は何も反論できないまま薫那と握手をし、すぐさまワイアットの元へ行き、ヘリに乗り込み捜索を再開する。

 

 遥は乗り込んだヘリで薫那について色々聞いたり、今までの事やこの戦いに参加した理由などを話してもらった。

 遥は聞けば聞くほどほかの疑問が浮かび、質問し続けてしまうため会話のメインはほとんど薫那の話となっていた。

 

 「あのさ、健司を見つけて本部に帰ったら全部話すんだから今はもう話さなくてもいい?」

 

 うんざりした顔で薫那が聞いてくる。

 

 「いや、そうだけど……」

 

 

 遥が口ごもった時、ヘリがGPSの反応をキャッチした。

 その場所へ行ってみたがそこに健司の姿はなく、健司が持っていたGPS機能付きの通信機が捨てられていた。

 

 「まさか、私たちが見つける前にやられたんじゃないでしょうね」

 「多分それは無い。健司はそこまでヤワじゃないし、ここで捨てられたゴミに出汁を取った骨や丁寧にさばかれた食材を見ろ。こんな世界でわざわざこんなことするのは健司くらいだろう」

 

 そう言いながら遥は通信機を回収し、ヘリに戻る。さっきの言葉も自分に言い聞かせて言っているわけでもなく、本当に健司を信じている様子だった。

 

 それから一時間以上全く何も無く、燃料的にもあと一時間半の飛行が限界と言われ今日の捜索を諦めかけていたその時、ヘリの中に通信機から音声が流れる。

 

 信号を発信していたのは健司だった。

 

 健司が居る場所がとある洋館であること、そしてこれからそよ洋館の探索を始める事。そして悪魔と行動を共にしている事を知らせてくれた。

 

 「分かった、これで迎えに行ける」

 

 遥はすぐさま返事を返す。

 健司の無事を確認することが出来た遥は安心して大きく壁にもたれかかる。

 

 安心した遥に疑問が浮かび上がった。

 

 「あの凄まじい悪魔嫌いの健司が悪魔と一緒に居るなんて一体どういう状況だ?」

 「そういえば健司って悪魔の事を尋常じゃなく嫌ってるのよね?」

 「ああ、薫那の事をどう伝えようか迷うくらいにな」

 

 遥は苦笑いを浮かべながら話す。

 

 何が起きるか分からないものだな、と遥は思うと同時に嫌な予感が遥の頭によぎる。

 

 「あいつ、まだ確かな調べもついていないような場所で流石に無茶しないよな」

 

 健司が戦闘で死にかけても死ぬ事は無いとは思っているが、洋館をボスの許可なく破壊でもした場合の大量の始末書を一緒に書かされると思うと遥はゾッとした。

 

 「健司が一緒にいる悪魔ってどんな奴なんだろうな?」

 「さぁ? 悪魔嫌いが一緒にいるような悪魔でしょ。変わった悪魔なんじゃないかしら?」

 「かもな。でもその悪魔もきっと良い奴だろう」

 「その悪魔も……ね」

 

 遥の横顔を見ながら薫那は小さな声で呟きそっと微笑む。

 

 「ん? なんか言ったか?」

 「何でもないわよ」

 

 薫那はぷいっとそっぽむく。

第20話を読んでいただきありがとうございます。

第21話も読んでいただけたら大変嬉しく思いますのでよろしくお願いします。

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