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第13話『クリーチャー』


 当然のようにその場に立つクリーチャー。

 

 「おいおい、嘘だろ!」

 「遥! 早く剣を抜け!」

 

 二人はひとまず距離を取る。

 

 「健司! どういう事だ! 切ったんじゃないのか?!」

 「切った! 切ったよ!」

 

 遥の質問に半ギレになりながら答える。

 

 健司は確かに切った。

 

 健司の手にも刃が人体を通る感触があった。

 

 「じゃあ、なんであいつは立ってんだよ!」

 「俺が知るか!」

 

 二人が痴話喧嘩をしている間にクリーチャーは二人の目の前まで来ていた。

 

 「やべ!」

 

 健司は日本刀でとっさにガードするも吹き飛ばされた。

 

 「健司! グアッ!」

 

 クリーチャーは、健司を吹き飛ばした勢いのまま大きく振り回した腕を遥に当てる。

 この衝撃で二人の耳についていた通信機が破損し、発煙筒も落とし、ボスに位置情報を送れなくなった。

 

 「チッ! 聖絶(アナテマ)!」

 

 健司はすぐさまさっき解除した魔法を再び発動、それも魔力量と血量を増やし、威力をさっきより格段に上げる。

 

 「オラァ!」

 

 健司はクリーチャーの手を切断し、あらゆる場所を切りつけた。

 

 クリーチャーはガードなどせず、残る右腕を健司の立つ場所に合わせてフルパワーで拳を振り下ろしてくる。

 

 「俺の存在も忘れるんじゃねぇ!」

 

 遥はクリーチャーの背後から西洋直剣を振り下ろし、切りつける。

 健司と遥の連撃でようやく怯んだ瞬間、遥は掌から高出力で炎を放つ。

 

 炎を浴びたクリーチャーの背中の皮膚はドロドロに溶け、部分的に骨が露出している。しかし、どんな攻撃をしてもクリーチャーは攻撃を中断しない。

 それどころか傷口から節足動物の足が生え、絡まり合い傷を塞いでしまう。

 

 健司と遥も応戦し続けるがもちろんクリーチャーにダメージがはいっている様子は見られない。

 

 クリーチャーはさっきまでとは打って変わって声すら出さずただただ健司と遥に殴り掛かる。

 

 「ああ! クソ! 切っても切ってもくっつきやがる!」

 

 健司と遥がクリーチャーの腕や足を切り落としたり、皮膚を焼き落としても、何度も何度も修復を繰り返す。

 

 「おい健司! 何かないのか?」

 

 一度距離をとった二人はさっきまでの攻撃の中から、推測できる打開策を考える。

 

 「修復できないくらいに細切れにするか?」

 「細切れにして修復しない可能性はどれくらいあるんだよ?」

 「知らない、言ったのはいいけど正直細切れにするのは無理だと思う。傷口からあの触手みたいなのが生えてきて傷を塞ぐから細切れにする前に修復されるのがオチだ」

 

 実際、遥が背中をドロドロに溶かした時もわずか数秒で傷は塞がり、健司が、腕を切り落とした時もわずか数秒で修復。

 

 「一番可能性が高いのは遥の魔法で跡形もなく燃やし尽くすくらいじゃないかな?」

 「なんてパワープレイだ。まぁ、そういうのは嫌いじゃないけどな」

 

 遥の言葉に「そうだろ?」と健司は無理矢理にでも笑顔を作る。

 

 「じゃあ魔力を溜める時間を作ってくれ最低でも三分は欲しいところだな」 

 「ったく、無茶言ってくれるぜ」

 

 遥は一点に魔力を集中させる。

 

 「最低三分か、五分稼いでやいるよ!」

 

 健司は日本刀を抜き、遥を守るように前にでながら両脚と日本刀に魔法を発動し、魔力を血液さらに消費する。

 健司は自分の使っている武器は体の一部として魔法対象内となっており、刀身に赤黒い模様が浮び上がる。

 

 「グググググググ」

 

 突如、さっきまで声を発しなかったクリーチャーが苦しむように唸り出した。

 

 「ガァア!」

 

 クリーチャーが叫んだ途端、ビキビキと音たてながら背中から皮膚を突き破って骨が飛び出してきた。それは腕まで伸びて行き、腕の周りを武装した。

 さらにそこから腕と同じように体の至る所から骨が皮膚を突き破り全身を骨で武装した。

 

 「おいおい……マジかよ……」

 

 あまりの光景に言葉を失った健司だがクリーチャーが行動を始める前に距離をつめ、骨ごと体を断ち切ろうと日本刀を振るうが厚く硬い骨に塞がれる。

 

 「ガァア!」

 

 クリーチャーは声を上げ振りわます。それをなんとか回避し距離を取るが健司は全く生きた心地がしなかった。

 

 「チッ、切り刻んで時間稼ごうと思ったんだけどな……これじゃ無理だな」

 

 健司は無駄と判断し使えなくなった日本刀の魔法を解除した。

 

 完全に武装が済んだクリーチャーが得意の猛スピードのタックルで接近する。しかし、今回は突進ではなく突進のスピードを上乗せした武装された巨大な腕の振り下ろしだった。

 

 「やっべ!」

 

 咄嗟のことで不格好に横へ思いっきり飛んだ。

 

 振り下ろされた拳は健司では無く地面を叩き潰した。しかし、その威力は叩き潰すなんて生半可な表現では表現しきれないほどの威力であった。

 地面には大きなクレーター、避けた健司の足元のコンクリートまでヒビが入った。

 

 「これ食らったら死ぬな……」

 

 そう言いながら、健司は日本刀を鞘に収めた。

 

 脚と腕に更に高密度で魔力を込めると、腕と脚に更に濃く模様が現れた。

 

 「血液と魔力に余裕があるうちに何とかしないと絶対死ぬな」

 

 再びクリーチャーが健司との距離を詰めてくる。

 

 健司は接近してくるクリーチャーに自分から距離を縮め、振り下ろされる腕のアーマーの無い部分を狙う。つまり、関節の内側の部分に拳をぶつけて起動をそらす。

 何度も何度も振り下ろされる拳、そらされる度に地面に大きなクレーターが作られていく。

 健司も何とか応戦するが攻撃の度に飛び散るくだけたコンクリートが当たり少しずつ外傷を作る。

 

 「クッ!」

 

 痺れを切らした健司が攻撃を繰り出した瞬間、クリーチャーは大きくバックステップを踏み健司と距離をとる。

 

 健司は魔力を溜める遥をチラッと見てみると遥の腕にはかなり高密度の魔力が込められている状態になっていたが健司には嫌な疑問が浮かぶ。

 

 「はぁはぁ、後一分半って思ったけど……なぁ、遥よ。お前の魔法であの骨ごと燃やし尽くせるか?」

 「三分じゃ無理。せめてあと二分して欲しい」

 「あぁ、そう……もう、最悪。ほんとに五分間粘るハメになるなんて思ってもなかった」

 

 健司がクリーチャーの方へ向き直ると、クリーチャーは再び唸りを上げていた。

 ビキビキと筋肉のが大きくなり、それに合わせて骨も大きくなった。

 

 「これはさすがに笑えねぇ」

第13話を読んでいただきありがとうございます。

第14話は13時に予約掲載するのでよろしくお願いします。

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