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捨て勇者、魔王のもとへ  作者: 海影
わざと捨てられた勇者は、帰るために魔王のもとへ向かう
9/95

今度は牢から引きずり出され

 買い物済ませて牢屋に戻った。とーぜんの如く、だーれも気がついてない。

 ボクは魔法を解くと、硬いベッド代わりのむしろの上に横たわった。



「起きろ」


 どうやら朝。看守らしい人が、ボクを見下ろしてる。


「食え」


 渡されたのは硬いパンのみ。……仮にも勇者だろ? 普通の食事くらいは出ないわけ?


「これだけ?」


 ……おーい。看守はこっちを無視して行っちゃったよ。……ラッキー。こっそりと物置の中のご飯を食べよ。こんなか、時間が動かないから、いつでも出来立て食べれるしね。とはいえ、あんまり匂いがするのもまずいだろうから、菓子パンもどきくらいだけにしておくけど。

 ー菓子パンもどき。普通のパンを焼くとき、生地にジャムやはちみつを練り込んだものです。ドライフルーツとかを入れた普通の菓子パンもあるけど、なんか買取屋の主さんがこのパンが好みらしく、渡された。なぜかこれは菓子パンもどきと呼ばれていた。理由は不明。


 まあ、とにかく。腹ごしらえも終えて、ぼーっとしてると、看守がまた来た。あ、硬いパンは物置に仕舞ったよ。


「…………」


 なんだ? と思ってる間に扉が開けられ、無理やり腕を引っ張られた。


「ちょっとなに⁉ 痛い!」

「いいから来い」


 おい! 出るなら出ろって言えばちゃんと動くよ、ボクは!


 そうして、看守に引きづられつつ、兵士の訓練室? みたいなところに連れて行かれた。ボクになにしろと?


「ここで能力を見せてもらう」

「能力?」

「そうだ。これで私を打ってみるがいい」


 渡されたのは、刃渡り1.3mほどの大剣。いや、持てなくはないけどね、ボクの体格にこれはないんじゃ?


「由緒正しい勇者の剣だ。それで私と模擬戦を行う」


 要するに、実力検査ってことか。といってもなー。


 ーーーー


 ……うん。やっぱりアッサリと負けました。当然だけどね。


「この程度のことも出来ないんですの? 本当にこの子供は勇者なのかしら?」

「……勇者の剣が手に取ることを許しておりますので、おそらくは……」

「役立たずはいりませんわ。明日、実戦で確認しましょう。この子供が使えるのかどうかを」

「……は」


 そして再び牢屋へ。ふーん、実戦ね。これ、利用できるかも。

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