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捨て勇者、魔王のもとへ  作者: 海影
わざと捨てられた勇者は、帰るために魔王のもとへ向かう
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勇者って?

「それでさ。ボクは勇者って職業になってるわけですけど、勇者って何ですか?」


 うん。物語ラノベとかなら、勇者は魔王を倒す存在とかってなるよね。ボクも魔王を倒す必要でもあるわけ?


「ああ、勇者をご存知ありませんでしたか。勇者というのは、神の強い加護を得た者の総称です。戦闘において無類の強さを持つ者を勇者、必要なときに神の声を聞くことができる方を聖女と呼びならわしております」

「なるほど…」


 ボクのステータスを考えると、納得するかも。いや、だってさ。ボクを傷つけることができる存在なんて、ないんじゃないかってくらいの耐性持ち出し。


「じゃ、帰る方法とかはわかるかな?」


 これも聞いとかないとね。帰れないってなったら、それはそれでこれからのことを考えないとならないし。


「残念ながら、そのような方法は、今はまだわかっておりません」


 『今』はまだ?


「それじゃ、これからわかるんですか?」

「現在、魔王領にて研究中のはずです」


 魔王、いるの?


「魔王領?」

「はい。人々の中で魔力が特に強かった者たちが、過去に排斥されて北方に国を造っております。その中でも最も魔力の強いものが王となる慣習がありますので、かの国は魔王領と呼ばれているのです。今回、彼らが行った魔法についての研究結果もそちらに回しておりますので、もしかしたらいずれ帰還の方法も見つかるかもしれません」


 なるほど。とすると最初の目的地は。


「それじゃ、まずは魔王領を目指すのがいいみたいですね」

「はい。それをおすすめいたします」


 となると。


「そのために必要な旅支度などなどがほしいので、これを買い取ってくれませんか?」


 ころころころ、と宝魔石を幾つかテーブルに転がしてみる。


「…………」


 あやや? ちょっとまずかった?


「あの、これはどうして……」

「手持ちの宝石に、自分で魔力を込めただけですけど?」

「…………」


 うむ。これも神のご加護ってやつなのかもね。


「では、こちらは、一つ百万ゴルになります。三つございますので、三百万ゴルですね」


 ちなみに一ゴル十円。この魔石の合計金額三千万円。一気に大金持ちになっちゃった。ちなみにもとの宝石は二、三十万円くらいです。三つで。


「では、ボクの旅支度に必要なものを準備して頂いて、そこから引いて頂いてもいいですか? この世界の旅に必要なものってわからないものですから」

「手数料を引かせて頂きますがよろしいですか?」

「もちろん。よろしくお願いします」


 そうしてボクは上質の双剣と竜革の防具、それに着替えやら何やらの日用品と食料を手に入れて、とりあえず牢に戻ったのでした。

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