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捨て勇者、魔王のもとへ  作者: 海影
わざと捨てられた勇者は、帰るために魔王のもとへ向かう
3/95

召喚されたよ

 それが起こったのは、学校からの帰り道だった。


 友人とダベりながら、のんびりと田舎道を歩いてたら、足元に魔方陣が浮かんだんだ。で、光の柱に飲み込まれて、気がついたらおっきな城の謁見の間、だったわけだ。


 ……そして、周りの変化に戸惑ってる間に、いきなりマフラーを剥がされて、首輪を付けられた。

 マフラー取られた時は、本当に焦ったよ。なにしろ、これが元の世界だったら、大火傷になってたはずだしね。

 だけど、取られてもなにも起きず、はめられた首輪から妙な感じを受けて……。


「ナニコレ?」


ってか、アレ?


「痛くない?」


 思わず呟いたんだけど、どうやら声が小さくて、周りには聞こえなかったよう。


「名を名乗れ」


 えっと、なんか妙に偉そうな連中だな、っと思いつつ、とりあえず名乗る。


「ボクは、ユウギリ……」

「お父様、これが勇者なのですか?」


 ……いや、これって……。

 まあ、ここの人たちと比べて、ちみっこいのはわかるよ? でも、これはないよね。


 あ、ちなみにボクの身長は168cm 。周りの連中は、低くて(女性でも)180cm 以上のよう。どうやら、全体的に身長が高い人ばっかの場所なのね。ってか、ほんと、ここどこよ?


「……」


 声を出して質問しようとしたとこで、首輪からまた妙な違和感を感じた。そっちを意識すると、首輪の情報を思い出す。ついでにさっきの疑問、この場所についても、思い出した。


 どうやら、ボクは召喚とやらがされたらしい。その際にありとあらゆるモノ、国などについての情報も、自動インストールされたようだ。

 んで、肝心のこの首輪。これはどうやら『隷属の首輪』というらしい。名前の通り、着けたモノは、首輪に設定された相手に従うことしか出来なくなる。自力で外しても、自動修復がかかるから意味がない。外せるのは、設定された相手もしくは、死んだときだけ。設定されてない相手に外された場合は、その時点で命を落とすという呪いが掛かっている。

 ボクにはどうやら効いてないけど、首輪が相手の言葉に反応してるのは分かる。つまり、首輪の効果が効いてる振りが簡単に出来たりする。

 ……状況もよくわかんないし、とりあえずは従っておいた方がいっかな?



「こんな子供が、勇者様だとは、どう考えても思えませんわ。おそらくは術が失敗したのではありませんこと?」


 術ーー今回の場合は召喚の儀式魔術。転移用の魔方陣を改良して造られたもので、今回はどうやらお試しも混じってたみたい。そのためにおっきな魔石まで使ってるみたいなんだけどね。

 あ、魔石ってのは、宝石に魔力持ちが魔力を込めたもの。宝石に込めるには、かなりの魔力と技術が必要なようで。

 これで使いきったのに、改めて魔力を込めるとなると、一月は掛かるかな?


「……一応は確認すべきであろう。ヴォルト、これに武具一式を用意しろ。ユリアナ、レティシア、お前たちはこれの能力の確認だ。役に立ちそうになければ、棄ててこい」


 おーい。ボクは犬猫じゃないぞ。


「わかりましたわ。それではそのように」


 どのようにだよ! もう、突っ込みどころしかないよ。


「とりあえず、これは牢に放り込んでおけ」

「……は」


 そうして、したっぱの衛兵? さん達に連れられ、牢屋に入ったのだった……。

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