予定変更、さっそく出発!
予定では今日は準備の日、だったんだけど、店主さんが準備してくれちゃたし、ユウキらしき人物の居場所もわかったから、さっそく出発ということにした。
「…仕方ないわね」
「まあ、友人に会いたいと思うのは当然だからね。まして、こんな状態でバラバラにとばされたのだから」
うん。本当に心配だよ。もし、本人なら、早く会いたい。
「それじゃ、まずは竜車を引き取りに行きましょう!」
「そうね。確か門のそば、だったわね」
そうして、三人で歩いていく。つい早足になっちゃうのは仕方がないよね。だけど、それでも二人にとってはそんなに早くはないみたいで……。ああ、身長の差がこんなところに。
そうして到着。改めて見てみると、結構大きい。竜の大きさは二メートルほど。竜が引く車も通常の馬車の倍はあるね。
「結構、大きいですね。竜の色は緑、ですか」
これには意味がある。竜っていうのは、ドラゴンの親戚。取り込んだ魔力の属性によって、色が変わったりする。緑っていうのは、まだ属性を持ってないということ。餌となる魔石を与えることで属性をつけさせ、成長させることができる。
ちなみに、赤 火、青 水、紫 風、黄 地、白 光、黒 闇、となっています。竜は最大でも五メートルくらいにしかならないけど、ドラゴンは百メートルになるのもあるという。種族的には、犬と狼くらいの違いらしいけど。
「ねえ、属性はなんにする? やっぱり火よね!」
「いや、その前にまずは名前を決めないと。キリ、つけてあげて」
「ボクが?」
「主はキリになるから」
そうなの。それじゃ……。
「それじゃ、エメルで」
いや、単純に緑色だから、エメラルドから取ってみました。
「いい名前だと思うわ。よろしくね、エメル。あたしはシルファよ」
「おれはガイだ。よろしくたのむよ」
『グルルルル』
のどを鳴らしてる。なんか嬉しそうかな。
「ボクはキリだよ。これからよろしくね、エメル「
『ギャオ』
あ、なんか可愛いかも。
「さ、出発しましょ。次の町までは竜車でも二〜三にちはかかるから、早いほうがいいわ」
「そうだね」
「はい、それでは行きましょう!」
そうして、ボクの本格的な旅が始まったのでした。




