・少女と会長と学園と
「今から15年前、私達がまだ物心つかない歳の時に戦争は行われていて
そして、『私達』みたいな異能者の力により、たった15年で都市も、地球の生物達も、元通りとまではいきませんが、戦争も、温暖化も、まるで『無かった』かのように……」
会長の言葉に私は目を見開き、思考が止まる……まるで全てを見透かされているように……
「あ、あはははは、、、やだなぁ~会長。私は異能なんて持ってませんよ? 至ってどこにでも居る。普通の、一般市民です。」
あわてて笑顔で取り繕う私の目を、会長はそらすことなく見つめ、ゆっくり目を閉じ
「……そうですか。では、そういうことにしておきますね。
ですが、これから私が言うことは、私が会長としてではなく、友達としての忠告ですので、しっかり聞いといてくださいね?
レナさん。三神 羅刹さんと仲良くするのは良いことですが、それはあくまで、学園の中だけの関係にしておいた方がいいですよ?
あまり深く関わらないようにしてください」
会長の言葉は、瞳は、冷徹で、一切の感情も見えない。
「どうしてですか!!羅刹ちゃんはこの学園での私の最初の友達なんですよ?
あんな優しい子なのにどうして学園の中だけでしか仲良くしちゃいけないんですか?
どうしてそんな事が言えるんですか?
……私、会長のことすごく良い人だって最初会ったときから思っていましたし、仲良くできるかもって思っていました
でも、私の勘違いだったみたいです……会長にはがっかりです、、、もう私に関わらないでください!!」
涙をこぼし、会長を押しのけ、部屋から飛び出した私は、誰とも目を合わせるわけもなく、零れてくる目元を手で拭いながら最悪の気分で学校を出た。