・少女と会長と学園と
「はぁ~~~~~~……やっと終わったよ~……」
教室も廊下も窓の外から見える景色も、すべてが夕焼け色に染まる時間帯
嘆くように机にもたれ、両手を前に突きだしながら、ぐだーっとした体制の私を笑い、鞄に荷物を積め、帰る支度をする羅刹ちゃんは、有り難いことに私の分まで用意をしてくれる。
「部活見学とかもありますけど……お疲れのようですし、今日はこのまま帰りましょうね」
更には私のことに気を使い、部活見学を後回しにしてくれる優しさに、心が温かくなるのを感じ、少し元気が出たので、私は肯定し、笑顔で席を立つと同時に
「いえいえ、レナさんはこれから私に付き合ってもらわなきゃいけませんので♪」
突然、後ろから聞き覚えのある声に合わせて肩を掴まれ、私は首だけ動かし、驚きを口にする
「か、会長!? ななな、何でここに!?」
「えぇ。もちろんレナさんをかっさらいに来ました♪
なので、三神さん……でしたっけ? 今日のところはレナさんを貸していただけないでしょうか?」
さらっととんでもないことを口走る紅葉会長は羅刹ちゃんに対し許可を求め、
「……そうなんですか? なら、仕方ないですね、、では、レナさん。また明日」
羅刹ちゃんは何故か会長をじっと見つめた後、残念そうな表情と、作り笑顔で私に挨拶を残して教室から出て行った。
「あの~……会長、そろそろ手を離してもらっても?」
「いえいえ、このままで良いですよ?」
「羅刹ちゃんと何かあったのですか?」
「んー……『私とは』特に何もありませんよ? そーれーよーりー、私達もれっつごーーーです♪」
「ぅわぁあ!! ちょ!? 会長!?」
私は二人の間の雰囲気に違和感を感じ、訪ねるも、サラッと流されてしまい、またもや背中を押され向かった先は生徒会室。
会長の促しもあり、中へお邪魔すると、紅葉会長はすぐさま鍵を閉め、やんわりした雰囲気から空気が一瞬で変わり、真剣な表情で私を見つめ、問いかけながら静かに語り出した。
「……レナさん、今世界はどのように動いているか知っていますか?」
「…え?」