・少女と会長と学園と
「あ、、、ありがとうございます////」
同じ女性の私でも胸がドキドキ大きくなり頬が熱くなるのを感じ、その顔を隠すように頭を下げる。
「でも、どうして私の名前を…って……あれ?」
疑問に想い、顔を上げながら質問をした時にはもう……少女はその場には居なく、始まりの合図のチャイムが鳴り響きわたり、慌てて言われた席を探していると、一つ手が上がり、こっちこっちと手招きで合図してもらい、どうにか座ることができた。
「ごめんね、ありがとう。私は川村 レナ(かわむら れな)っていうの。よろしくね」
「ううん。良かったね間に合って、私は三神 羅刹って言います。こちらこそよろしくお願いしますね。」
三つ編みおさげの黒髪少女にお礼を言うと、少女は首を横に振り、互いに自己紹介を交わし終え互いに前を向く
照明がすべて消え辺りが暗くなり、朝礼台にライトが集まりだすと、一人の女子生徒が姿を現し一礼。
顔を上げたその少女に声を漏らしそうになるのを押さえ、目を見開く。
少女もこちらを一瞬見て微笑み、正面を向くと、マイクを手に取り語り出す。
「…早春の息吹が少しずつ暖かくなり、桜が舞い踊り美しく彩られたこの季節。
今日ここイシュタリタ学園に、新しい生徒達が無事全員出席でこの入学式を迎え入れられたことを嬉しく思います。
まぁ…入学早々から遅刻ぎりぎりだったちょっとお茶目な子も居ますけど♪」
少女はくすっと笑い私に向かってウインク。
近くの席の人は当然誰のことか分かっているようで、くすくす笑う声が聞こえ、私は恥ずかしくなり下を向く。