・少女と会長と学園と
街灯と月明かりだけが照らす深夜二時
外には車も家々の明かりすら寝静まり帰った町並みを1人の少女が何度も後ろを振り返りながら走り回る。
コンビニやガソリンスタンド等のある明るい道に逃げようとする度に阻害され、誘導されるように街灯も人気もない道を姿の見えない者から必死に足を動かしていると辺りを木々で囲まれた大きな公園が目の前に現れ中へ飛び込む。
中心には噴水とそれを取り巻くように街灯が立てられており、少女は立ち止まり、息を整え戦闘態勢をとって追ってくる者の姿が現れるのを待つ。
「……早く出てきなさいよ!!……いいわ。相手になってあげるわよ!!姿を見せなさい!!」
恐怖で足が、手が、声が震えるのを押し殺し、そいつに向かって声を張り上げる
その声は公園中に響き渡って、数秒間何の反応もなく不気味な静けさだけが残り精神的に少女を追い込むとようやく足音と何が楽しいのか分からない同じ女性の笑い声。
姿を現した女性は魔女のコスプレなのだろうか、そう思わせる格好でスカートを摘まみ軽く挨拶をして再び笑みを漏らし、話しかけてきた。
「どうでしたか?なかなかスリルがあって楽しめましたか?」
「ふざけんじゃないわよ!!何を楽しめって?何なのよあんたは!!」
当然の反応をする私に愉快そうに笑い
「申し遅れました。私、、、魔女をしております。
とある方々の指示に基づき……あなたを殺しに参りました♪」
「なによそれ……意味わかんない……
でも残念だったわね私も普通の人間とは違うのよ?神に選ばれし者なんだからそう簡単に殺される私じゃないわよ?全て切り刻んであげる!!」