プロローグ
世界は実に抽象的だ。
僕はそう思う。
だからこそ_
この世界はツマラナスギル
「皆違って皆いい」、とある誰かはそう言った。
なんと素晴らしい褒め言葉だ。
これを言われて悪い気分になった人は誰ひとりとしていないだろう。
もしくは涙ぐむ人さえいたことだろう。
でもさ、
こんなの誰かが作り出した綺麗事であって、
実際の所、世界は混沌としているではないか。
例えば、殺人犯にこの台詞を同じように言えるのかい?
「皆違って皆いい、だから人を殺していい。」そういう事にはならないだろ?
戦争だって同じさ。
皆違うからこそ争いは起こる。
自分の理にそっていないからといって人を傷つけ、傷つけられる。
その繰り返しさ。
本当、馬鹿げてるよね。
だから僕はこの世界に終焉を迎えようと思う。
こんなツマラナイ日常からさよならして、
新しい平和な世界を作りたいんだ。
でも、僕だけが一人で作るそんな世界はそれはそれでツマラナイよね?
じゃあさ、こういうのはどうかな。
_ゲーム。
僕と一緒に楽しいゲームをしようよ。
僕だけが都合のいいそんな世界じゃなくて、
君たちと作る、そんな素晴らしい希望に満ちた世界。
そう、世界を変えるゲーム。
「 虚神戦争 」をさ。
そんなに難しいゲームじゃないさ。
ただ、僕と同じようにこの世界に満足し足りてない君たちに十三の神と殺し合いをしてもらうだけさ。
実に簡単すぎるゲームだろ?
僕はね、みたいんだ。
君たちの、限界というものが。
負けて這いつくばって、自分の限界を知ったとき君たちはどう思うことだろう。
自分たちの皮肉さに憐れむのだろうか。
なんと健気な。
ツマラナイこの世界を作った君たちだからこそ、
君たちにこの世界を変えてもらおうではないか。
面白いゲームだろ?
君たちと僕。
一体勝つのはどっちなんだろうね。
さぁ時は満ちたよ。
始めようか世界をかけたゲームを____