片想い
私がキミを想っている間、キミは誰か別の人を想っているんだろう。
私がいつも見るキミは
目の前の友達でもなく
もちろん私でもなく
どこか遠くの誰かを見ていた。
その誰かを私は知らない。
キミに聞こうとも思わないし
教えてもらいたいとも思わない。
キミは私ではない誰かを好きになった。
私は
私ではない誰かを好きなキミを好きになった。
私はキミに想われなくてもいいんだ。
好きになってもらわなくていいんだ。
私は
私の中で
私の想いを育てるから
キミも
キミの中で
キミの想いを育てていて。
私はそんなキミをずっと見ていたい。
ただ、見ていた。
私は
私ではない誰かを好きなキミを好きになった。
私は
キミに想われなくてもいい。
だけど
キミは
キミが守らなくてはならない誰かを好きになった。
キミは
誰かを想い
誰かに想われて。
私は私でない誰かを好きなキミを好きになった。
だから
私が幸せになることよりも
キミが幸せになることの方が
ずっとうれしい──
小説……と、いうか詩のようなもの。
詩なのか小説なのかわからないラインの話を書くのが好き。
自分の幸せより好きな人の幸せを心の底から願えることは素晴らしいと思います。