第2話
あまりの非道ぶりに見かねた担任のセンコーは俺に、そんなに人を殴りたいならボクシングをやれと勧められた。
それがきっかけだった。俺は水を得た魚のようにボクシングに、のめり込むようなった。
ボクシングは魅力だった。なんと言ってもルールさえ守ればいくらでも人を殴れるからだ。
今まで人を殴れば恨まれ最悪の場合は警察沙汰にされた。だが此処では強いと尊敬の目で見られるのだ。
運動神経と瞬発力は元々自信があった。だから喧嘩は誰にも負けなかった。
そして俺は見事にセンコーに嵌められた訳だ。ある意味では更生させられたのだ。
ツッパリの俺が面と向かってセンコーに感謝は出来ないが、心では礼を言っている。
高校一年の二学期が終り冬休みに入った時の事だ。その事件が起きた。
俺はすっかりワルを止めた訳ではないが、ボクシング部長のセンコーに釘を刺されていた。
「いいか堀田、高校インターハイに出たかったら悪は慎め。分かるな」
俺もそれは分かっている。今は目標が出来た俺だ。いつまでもワルをやっている訳には行かない。
だが冬休みに入って数日後のことだった。俺はいつものように近くの河川敷を走っていた。
もう夕刻で日が沈みかけていた頃だ。
河川敷の草むらに人が倒れているのが見えた。俺はその方向に走って行った。
同じ高校の制服を着た女子高生のようだ。だが衣服が破け下着が露出していた。
俺はすぐ状況を読みとった。彼女は強姦されたのだと。
つづく




