るるるる
落下する砲弾。ばら撒かれる銃弾。
鉄の破片と埃を舞い上げ、いましがた死体となった仲間の肉片をも舞い上げて、爆弾は新しいクレーターを造成した。
戦場となったこの場所は、かつて、学校と呼ばれていた。
生徒達は、グラウンドで汗を流し、窓から入る日差しを浴びながら、ただただ勉強というのをしていらしい。勉強以外にもクラブ活動とやらがあり、気の合った仲間同士が趣味を楽しんでいたという。政府はどんなつもりでそんな容器を整えたのか。
お気楽な人間ばかり量産する、よほどな理由があったのかもしれない。
建物だったものは、鉄筋むき出しの土台になり、グラウンドとやらは、瓦礫を積みあげた凸凹の掩蔽壕となっていた。
「ケンジっ! バカ!避けろ!」
甲高い叫び声がして、身を避ける。
直後、重力弾が破裂。半径10フィート内にあった物は、黒い球状の中心へ飲みこまれていった。オレも、その一部になるところだった。
「悪いなナオミ。ぼんやりしてた」
「戦いの最中、何をやってるんだ! いくぞ」
銃を持ちなおし、VRゴーグルのレスポンスを確認し、オレは後ろにおっかけた。
るるるるる
るるるるる
ずっと遠くから、音がする。あれは、俺たちを収容してくれる機動母艦からの音。
あれがきたということは作戦の終了だ。勝ったのか負けたのか。よくわからない。はっきりしていることは、これから12時間、パイプベッドの上に横になり、眠るフリができるってことだけだ。
るるるるる
るるるるる
「う、うるせぇなぁ」
目覚ましの音で、目が覚めた。誰だ。こんなセンスの無い音のを選んだやつは。
ああ、ナオミのヤツだった。母親の声が階下から聞こえる。
「起きなさいケンジ。学校に遅れるわよ」
面白い夢をみてたのに。学校いきたくねえけど、しかたない。
パジャマを脱ぐ。ネクタイがうざい制服に着替えた。髪を適当に整えながら、ふと考える。
「ナオミ? 誰だ」
そんな名まえの知り合いはいない。高校のクラスメイトにも、部活の仲間にも、バイトの先輩にもいない。
目覚まし時計が鳴った。
るるるるる
るるるるる




