-94- 都合
人には個々に時々の都合というものがある。他の人々も同じで、その時々の都合がある。社会は自分一人で生きていない・・という証拠だが、アポイントメントは取っていないんですが…とか、下から目線で舌を噛みそうに言い回すアレだ。^^ 自分の都合どおりコトが進めばそれはそれでいいのだが、相手の都合でドタキャン[土壇場のキャンセル]になったときの気分は侘しい。
よく晴れ渡った春のとある日、小竹はウキウキ気分で家を出ようとしていた。一週間前に頼んだ欲しかった品が入荷したと、昨日の午後、電話があったからである。ウキウキ気分になるのも当然といえば当然だったが、隣町のその店へ行くには市電に乗る必要があった。ところが家を出ようとしたそのとき、急用の電話が飛び込んできたのである。
『チェッ!』
小竹は侘しい気分で軽く舌打ちした。だが、仕方がない要件だったから、その要件を先に済ますことにし、自分の都合は後回しにすることにした。その要件は小竹が思っていた以上に時間を費やし、朝出るつもりだった小竹が隣町のその店に着いたのは夜の八時過ぎになってしまったのである。店は閉店していた。店には店の都合があり、朝9:00~夜7:00の営業時間だったのである。しかも、次の日から大型連休で一週間、休店だった。踏んだり蹴ったりの小竹は侘しい思いで一週間のゴールデンウイークを過ごす破目になってしまったのである。
小竹さん、楽しみが一週間先延ばしになっただけですから侘しい気分になる必要はありませんよ。^^
完




