-81- 冬
寒さに対する感覚は人それぞれで、暖かくなるにつれてテンションが上がる人がいれば、下がる人もいる。またその逆に寒くなるにつれてテンションが上がる人がいれば、下がる人もいる訳である。
冬がやってきた。首筋家の長男、肩男は寒さが増すに従って侘しい気分が消え、元気になっていた。夏場の猛暑が続く日々は冷房を精一杯に効かせ、一日中、侘しくベッドの人になっていたのだが、冬の今は動き回ることしきりで、朝早くからジョギングに出る元気さだった。その逆で、次男の腰希は侘しくテンションを下げていた。夏場は猛暑の中、熱中症の危険も顧みず、ハイテンションで水泳三昧の日々を続けていたのだった。それが、兄の肩男と入れ代わりベッドの人になっていた。
「おいっ! そろそろ、腰希を起こしらどうだ…」
「つい今、起こしたところよ…。ダメダメ、あの子は寒さに弱いんだから…」
「肩男の真逆だな…」
「仕方ないわよ、兄弟でも感覚は違うから…」
「だな…」
そこへ現れたのは三男の腕太だった。腕太は年中タフで、バテるということをまったく知らなかった。当然、冬の厳しい寒さにも侘しい気分になる訳がなかった。ところ、である。タフさが祟って怪我をしてしまった。通院の日々が続けば、やはりテンションは下がり、侘しい日々を続けざるを得なかった。
冬の好みは別として、季節に関係なく無理はいけません。侘しい事態に至りますから…。^^
完




