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-80- 水

 水は地球上に生きる全生命体を(はぐく)む。人の身体の構成物質を科学的に検索で調べれば、半分以上が水らしい。水無くしては生きていけないという有難い存在だ。なのに人は水を大事にしない。ポイ捨て同様に汚しているのである。アフリカの砂漠で住む子供が、早朝から家の日課で水を汲む姿[ユニセフ提供のCM]には思わず泣けてきた。ぅぅぅ…である。TT 実に嘆かわしく、(わび)しい話だ。

 とある田舎の低い山へ登った魚木は、喉が渇いた…と、思うでなく感じた。喉の渇きを満たすには、当然、水を飲む他はない。ところが、出がけに水筒をリュックに入れるのを忘れていたのである。水が入った水筒は一人[擬人的表現です^^]寂しく、キッチンの片隅に吊られて(たたず)んでいた。魚木は魚木で、一人寂しく、しかも必死で水を探さねばならなかった。残念なことに辺りは山中で、水はない。当然、山中だから自動販売機もない。魚木は、マップと磁石を頼りにしばらく山中をさ迷ったが、何分にも知らない山奥である。魚木はもうダメか…と下山しながら思った。と、そのとき、水が流れる(せせらぎ)の音が微かに聞こえた。魚木の焦燥した侘しさはたちまち消え去り、歓喜へと変化した。と同時に、身体は潺の方へと自然に動いていた。少しながら流れる潺の水を眼にしたとき、思わず魚木は泣けた。口にした水は生まれて一度も飲んだことがないよう甘露な味だった。

 魚木さん、よかったですね、ぅぅぅ…。TT


                   完

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