-78- 部品
あのう…修理部品の保有期間が切れてまして…誠に申し訳ないんですが、修理できません…などと傷んだ製品の修理を断られたときの気分は、言うまでもなく侘しいものがある。その製品を永年使用していればいるほど愛着があるから、その気分は尚更である。自社製品の部品在庫・管理センターを作るなんかの手段を講じてもらい[メーカーへの要望]、なんとかしてもらえませんかっ!^^
顎山は修理を断られ、アングリした顔で頬杖をついていた。なんとか廃棄備品にしない手立てはないか…と思案していたのである。
「パパ、ママが夕飯にしようってっ!」
三年になった小学生の尻也が、うざったい顔で書斎にいた顎川を呼びに来た。
「ああ、今いく…」
そう呟いた顎川だったが、夕飯のことなど眼中になく、見つめるのは長年愛用していた万年筆だった。
「仕方がない…ネットで買うかっ!」
決断した顎川はパソコンのキーを叩き始めた。数十分後、注文した返信メールがネット業者から届き、顎川は人心地ついた。か、しかしである。傷んだこの万年筆はどうなるんだ…とたちまち疑問が湧き、顎川は侘しさに沈んだ。
みなさんなら、どうされますか?^^ 修理部品がないだけで永年愛用した製品を捨てるのは侘しいものです。^^
完




