-75- 音
全国に観世音菩薩さまを安置するお寺は多いが、勢至菩薩さまをご本尊とするお寺は少ないな…という疑問がふと、起きた。年のせいだ…と齢を重ねたことを侘しく思うにつけ、なぜか素朴な疑問が起きたのである。馬鹿かお前は…と言われればそれまでだが、起きてしまったものは仕方がない。^^ その理由を知るには、なぜです? と、お寺のお坊さんにでも訊ねる他はないが、音と映像を対比して、やはり音の方が多数派か…と、政界模様を尻目に思っているようなところです。^^
舘花は晩秋の小春日和の中、縁側で集めた骨董を手にしながら愛でていた。
『あなたぁ~~! お昼よぉ~~!』
いい心地で和菓子を頬張り、玉露を飲んでいるところへ、うるさい妻の音である。もう少し、色気のある声は出せんのか…と侘しく思うにつけ、腹が減っていたから、まあ、仕方ない…と心を冷やし、スルーした。片手には長年、欲しかった曜変天目茶碗である。中の玉露を啜り終えた舘花は立つと、いつも食事をする居間へと向かった。
舘花さん、うるさくても、奥さんやご家族の音を耳にするのは幸せですよ。^^
完




