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-73- 落ち葉
落ち葉を掃けば、なぜか侘しい気分になる。今年も、もう終わりか…などと思うからだ。別に思わなくてもいいのだが、冷気が漫ろ増せば、余計にそう思える訳だ。『あんたは暇だなっ!』と言われれば、それまでなのだが…。^^
吹山は前庭を掃いていた。紅葉はまだとして、他の広葉樹はほとんど葉を落としていた。そろそろ掃く頃合いか…と思えた吹山は、朝食を食べ終えると作業に取りかかった。毎年のことだから馴れるには馴れていた。
小一時間後、ようやく掃き終えた落ち葉は山になっていた。ところが、である。
『少し、休むか…』
そう思った吹山は家の中へ一端、入った。20分ほどして庭へ戻ると、落ち葉の山は風によって元の位置へ散らばっていた。というより、散らかっていたと言った方がいいだろう。吹山は唖然として、侘しい気分に成らざるを得なかった。
まあ、吹山さん、侘しくならず、また掃いて下さい。^^
完




