表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/100

-72- 冬場

 冬場の天候は安定せず、実に(わび)しい気分にさせられる。

 年が明け、予約しておいた正月旅をと、心勇んで家を出た蝦川(えびかわ)は、駅のホームでテンションを落とすことになった。というのも、朝の出がけは快晴で、空には雲一つなかったのである。ところが、駅の新幹線ホームのベンチに腰掛けた途端、パラパラと雨粒が落ち始めた。少しづつ下り坂にはなるとは天気予報が言っていたが、そう崩れることもあるまい…と折り畳み傘を旅行カバンに忍ばせておかなかったのだ。同じ旅をするなら降らずに越したことはない。蝦川はホームに列車が入ってくる間、ポカーンと放心した顔で空を眺める他なかった(別に眺めていなくてもいいとは思うのですが…^^)。よくよく考えれば、冬場の天候は安定しない・・としたものだ。それに気づいた蝦川は、まあ、いいか…と上目線で空を見上げた。早い話、首を上げて空を眺めてはいるが、気分は雲の下を見ている・・といったような気分である。天を見下す気分なのだから、蝦川は、かなりの大物に違いない。^^

 そうこうしている間に、列車が到着し、蝦川は車中の人となった。目的の駅に着いたのは、それから小一時間後である。蝦川が駅を出ると、先ほどまでの時雨は止み、雲の切れ目から陽が射していた。冬場なんだから一喜一憂することもないか…と蝦川は湯治の足湯に浸かりながら思い直し、その後は温泉宿の人となった。いい温泉の湯に浸かると、蝦川の侘しい気分は、いつしか消え去っていた。

 冬場の侘しい気分は、湯治の湯に弱いようです。^^


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ