-52- 駐車違反
逆巻は家の表前に植えてある金木犀の花が咲いたので、その真下の敷地に置いてある車を数m先へ移動させた。落花が車を汚すのを防ごう…と思ったからである。
数日後、買物に出ようと車に乗り込んだとき、フロントガラスに駐車違反の張り紙が張られていることに坂巻は気づいた。ハッ! とした逆巻は買物を一端、中断し、警察へと向かった。
警察の交通課の巡査部長、村中が現れ、ひと言、告げた。
「点数2点で¥15,000です…」
『ええっ! 高いっ!!』
逆巻は、¥5,000くらいまでだろう…と踏んでいたから、違反金の高さに思わずギクッと内心、驚かされた。その後、駐車違反の内容を事細かに訊ねられ、逆巻はすっかりテンションが下がり、侘しい気分に陥った。確かに自分の不注意だ…と逆巻が自戒していたにもかかわらず、係員の村中の視線が悪人を見るような目つきだったこともある。
違反金を金融機関に振り込んだあと帰宅した逆巻は、警察に人の心のテンションを下げさせる権利はないぞ…と憤る心を甦らせた。さらに、軽微な駐車違反を取り締まるなら、爆音を上げて走り回るオートバイや車中からタバコをポイ捨てる軽犯罪を取り締まれっ! 大谷刑部吉継! …と、訳の分からないことを思うに至ったのである。そして、心の中には今一、理解出来ない高飛車な警察の職務執行に蟠る侘しい心だけが残された。
逆巻さん、まあそう言わずに事故に遭わず、健康で暮らせるだけで有り難く幸せなんだ…と考えましょうよ。^^
完
※ 私見ながら、駐車禁止の標識や路上に白表示で書かれた駐車禁止の文字のない場所では、駐車禁止違反の貼り紙をする前に、24時間[~1週間]以内の撤去を促す警告書を貼り、注意を喚起した方がいいように思えます。^^




