-44- 体調
体調が万全だと、何かにつけて気分は高揚するが、体調が悪ければ、楽しいことも楽しくなくなり、侘しい気分に陥りやすい。
堤防沿いの草の上に寝そべり、烏賊尾は、陽に干されたような顔でポカ~~ンと青空に浮かぶ雲を眺めていた。体調が良ければ、この上なく快適な天候なのだが、生憎、朝から腹具合があまり良くなかったから気分はどこか侘しかった。時折り腹を刺し込むような痛みに我慢し、烏賊尾は草の上で寝そべっていた。
『誰もいないな…』
万一、我慢できない便意を感じたとしても、辺りに人の気配がなければ、それなりにコトは済ませたからである。汚い話ながら野糞である。^^
『犬や猫がOKなら、俺だってOKだろう…』
勝手な屁理屈で烏賊尾は野糞を正当化し始めた。それにしても、なぜ今朝は腹具合が? と考えれば、昨夜、食ようと残しておいたタコ焼きがどうも原因らしかった。明日食べよう明日食べよう…と思いながら、ついつい日延ばしとなり、食べた昨夜は一週間が過ぎていたのである。秋なかばということもあり、かろうじて食べられることは食べられたが、食中毒にはならなかったものの、やはり腹痛は起きたのだ。
数十分後、烏賊尾は侘しい思いで自宅のトイレで用を足していた。
烏賊尾さん、漏らさず無事に堤防から自宅へ戻れたんですから、それでよしっ! としましょう。^^ 外で漏らせば、侘しいどころの話じゃ済みませんよ。^^
完




