-37- 入力ミス
手書きならその場で分かるが、パソコンの入力ミスは後々になって発覚するから、そのとき、なんとも言えない侘しい気分になる。解決策は、打ち終えて作品を完成させたときにもう一度、見直して入力ミスがないかを確認することだが、他にすることがあれば、ついつい疎かになりがちだ。消えた年金問題なんか、その最たる悪例だろう。私も被害者の一人である。^^ その省庁は肩身が狭いゆえか、今では別組織へと名称変更して生まれ変わり、カムフラージュして国民を煙に巻いている。肩身を広くしてもらえる組織であって欲しいものである。^^
とある省庁に勤める丹羽取は、今日もこ一人侘しく沈んでいた。上司の浮来にパソコンの入力ミスを厳しく叱責されたからである。
「君ねぇ~、これで何度目だいっ! いい加減にしてもらわんと、僕が困るじゃないかっ!」
浮来はジロリと丹羽取を見ながら、今にも食べてしまいたいような眼で黒縁メガネを上げ下げした。
「どうもすいません…」
丹羽取は侘しく、そう返す他はなかった。
「もう、いい…。下がってよろしい」
丹羽取は寂しげにデスクへ戻った。
入力ミスに負けず、丹羽取さん、頑張って下さい。^^
完




