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-35- 片想い

 片想いほど(わび)しいものはない。来年、定年退官する万年独身の吹山は年がら年中、片想いをする男だった。要するに、女性に惚れっぽい性格の男・・ということになる。そして今日もまた、メトロ[地下鉄]に揺られて立ちながら、右前方に座る女性に惚ていた。どこの誰ともつかないOL風の女性に見えた。とはいえ、吹山には男性的な色欲がある訳ではなく、その感情は『奇麗だなぁ…』と、惚れてしまう、ただそれだけのピュアなものだったのである。その女性は、吹山が勤務する霞ヶ関の手前の銀座で降車した。吹山は、ぁぁ…と内心で思ったが、取り分けて行動することもなく諦めた。その直後、乗った奇麗な女性がその降りた女性の席へスゥ~っと座った。吹山は、またまたその女性に惚れてしまった。だが、どうすることもなく、ただ、『奇麗だなぁ…』と想うに過ぎなかった。そして、霞が関で列車は停車した。吹山が降りる駅である。吹山は後ろ髪を引かれながら列車を降りた。なぜか侘しい溜め息を吐きながら、吹山は勤務する庁舎へと入っていった。

 吹山さんが惚れるだけの男だったことが、せめてもの救いですが、それにしても吹山さんの片想いは辛く侘しいですね。^^


                   完

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